グリーン・デスティニー特集
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■ワイヤーアクションについて
もともとワイヤーアクションは危険なシーンでの命綱的なものであったといいます。
ところが、ブルース・リーやジャッキー・チェンといった何年も訓練を積んだ人が生身の体を使ってアクションを表現する映画がヒットするようになるとさらに派手なアクションを追い求めるようになりました。
アクションシーンは、殴る相手だけでは成立しません。
同じくらい殴られる相手も上手くないと、殴る相手が強く見えないのです。
このあたりはブルース・リーやジャッキー・チェンのファン・サイトをご覧になるとわかりますが、敵役と言われる人に何かしらの世界チャンピオンが多いのはそのためです。
ところが、ワイヤーアクションでは殴る方も殴られる方もアクションが上手くなくて構わないのです。
キック前の跳躍もワイヤーでどんな高さでも可能ですし、殴られた後、ワイヤーでどんな遠くまでもぶっ飛びます。
そこで、訓練なしで短期間に製作出来、しかも派手なアクションが見せることが可能ということで、ワイヤーアクションが使われるようになったわけです。
香港のテレビ界で多用され、そのノウハウは蓄積されていきました。
そして、「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」の成功により、その後、ワイヤーは香港映画には不可欠の要素となります。
「スウォーズマン」シリーズでワイヤーとアクションの華麗な融合を見せ、古装片ブームが到来し、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズでは見事にアクションとして円熟の域に達しハリウッドへと進出してゆくようになります。
もちろん、影の功労者「ユエン・ウーピン」の存在を忘れてはなりません。
ちなみに、演じ手の生身にワイヤーを巻くため、そのときの苦痛は計り知れないものがあるといいます。
香港映画界を引退する理由の一つにもなっているとも聞きますが、真偽の程はわかりません。