― お願い ―
こんな波乱万丈な日ってそう簡単に終わってくれないよねー。
ジロー君と別れてから私はいつもより早めに帰路に着いた。
(だってテニス部員とあったらややこしいし・・)
家に帰ったら一緒に暮らしてるお兄ちゃんは帰ってきてなかった。
まぁ普段も私の方が早い事多いし今日は早く帰ったからなおさらか。
適当に着替えて私は夕飯の用意をする事にした。
今日は・・・「トンカツ食べたい」ってメモがあるからそれに答えることにした。
(さりげなく材料そろえてるじゃん、お兄ちゃん)
しばらくしたらガチャって音がしてお兄ちゃんが帰ってきた。
お兄ちゃんは高校2年生。
こっちもばっちしテニス部で私が中1の時氷帝にしては珍しく副部長という座にいた。
実力はある・・・らしい(榊監督談)
性格的には引っ張るって言うより見守る派だから副部長に置いたらしい。
私たちが兄弟ってこともあまり知られてなかった。
その頃から位置の差があったから。。
「おかえりー」
「おぅ、俺のリクエスト答えたかー?」
「まーね。なんせ簡単だし」
「・・・・まぁ部活後だしな、簡単上等だな」
・・・そうだ、部活に出てないこと一応言っとこ。
「でも今日は部活やすんだんだって」
そう言ったら本気で驚いたらしく「え!」って言いながら振り返った。
「どこか体調悪いのか?が休むなんて」
いろんな人からこんな反応されてる私っていったい・・・?
まぁいままで休んだ事なんて無かったからね。
一番最後まで残ってるのも私だし。
(あ、今日かぎ締めちゃんとしたかなー・・・・・)
「ちょっと部長・・正レギュラーと揉め事があってさー行けなかったんだって」
「部長・・?跡部達か。お前またなんか言ったのか?」
「・・・・・」
言ったといえばはっきりすっぱり言ったけど言わせた理由はあっちにある気もするし。
よく考えたらすっごくくだらない理由だよね。。
黙って考え込んでる私にお兄ちゃんは察してくれたらしく最初から教えろよと言ってくれた。
だから私は今日の朝練の会話から順々に話していった。
「が絡んでるのかーそれはややこしいな」
「でしょ?でもがいる以上私は辞めるつもりは無い」
「まぁ・・・のやりたいようにやるのがいいんじゃねぇの。でも無理はすんなよ」
そんなことを話してたら今度は
[ピーンポーン]
という電子音が聞こえてきた。
「はい、どちら様ですか?」
『?私だけど』
「え!あ、ちょっと待ってて」
少し意外な訪問者に私が声を上げたらお兄ちゃんがこっちを向いた。
がくるのは久々な気がする。
昔は毎日のように来てたけど・・・。
それに少し声のトーンが低い気もするし・・・。
「誰?」
「」
お兄ちゃんに答えながら玄関へ急いだ。
まぁマンションだからそこまで時間かからないんだけどね。
ガチャ
「どうしたの?めずらしいね」
「ちょっと・・・いい?」
やっぱりそう言うは表情が暗かった。
今日はいろんなことがあったし心配になってすぐに私の部屋に通した。
「どうしたの?」
「あのね――――――――――――――」
が帰ってから私がキッチンに戻るとお兄ちゃんはもうとんかつを揚げていた。
私はお皿を出したりしながらさっき言われた事を考えた。
「、何しにきたんだ?」
「・・・うん、ちょっとお願いされちゃって」
悩む事とか面倒な事は嫌いだからいつも流しちゃう私だけど・・・。
これはちょっと悩む。
それに何より・・・・驚いた。
のお願いは断る事は出来ないんだよね。
の為にマネを続けようと思ってたのになー。
ほんとう、なんか笑えてきちゃう。
『マネージャー辞めてくれないかな?』
どうしたらいいのさ、私。
側にいてって頼まれてるのに拒否られちゃって。
誰の意見を通せばいいのさ。
ほんと。
わけわかんないよ―――――――――。
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―・あとがき・―
うわーまたまたオリキャラだしね。。
っていうか更に人気没落だよ、従姉妹。
ヒロインは従姉妹に逆らえないわけがあるんです。(今は秘密だけど)
辞めるのか・・・辞めないのか・・・・。
不幸せな子です、本当に。
03.3.29