― 変化 ―





 あれから私ももレギュラーの人に連れられて家に帰った。

 そして次の日、私を待っていたのは変わらない日常。



 「!昨日平気だったか?」

 「あーごめんね。完璧に復活した〜!」


 平部員たちは声をかけてくれるけど原因やあのの言葉については誰も何も言ってこなかった。

 たまに言おうとしてるような部員も居るけど自分で静止したり周りが目配せしていた。

 それは嫌な感じとかじゃなくて私に気をかけてくれてるようで嬉しかった。


 「はいはいーならさっさと練習に戻りなさいよ!貴重な朝練でしょ!」

 
 いつも通り私が大声でそう言ってみんな笑いながら練習に戻っていった。

 それからはタオル配ったり落ちてるボール拾ったり・・・いつもながらの忙しい仕事。

 
 「、ジローしらねぇか」


 ただいつもと違うのは部長が話し掛けてきた事。

 
 「ジロー君?知らないけど・・・あ、もしかしたらあそこかも。いつも寝てる場所があるんだけど」

 「・・・お前って本当に観察力だけはいいんだな」

 「だけって!・・・まぁそうだけど・・・」

 
 私がそういうとまた跡部部長は必死で笑いをこらえていた。


 「でどこだよ?って言うかつれて来い」

 「えぇ〜」


 私が不満の声を漏らすと後ろから笑い声が聞こえてきた。



 「私が連れてこようか?」

 
 その声の持ち主はだった。

 ただ驚いたのは今まで観た事の無いぐらい・・・いや凛が居た頃のように楽しそうに笑っていたから。

 
 「あ、うんーお願いするっていうか何でそんなに楽しそうなの〜?」

 「景吾との会話面白すぎー」

 「俺は関係ないだろ!」


 私が学校でと部長と笑いながら話すなんて誰が想像してただろう?

 見慣れない光景にみんなの視線がこっちに集まってるのに気付いた。


 「あー練習サボるなよ!」


 私の声で部員たちはまたボールを打ち始めたけど気持ちはこっちにきている。



 「で、、ジローはどこにいるの?」

 「あー中庭の端の大きな木があるでしょ?あの影に居ると思う〜」

 「はーい、ならまたあとでね」


 そう言っては中庭の方へ走っていった。



 「・・・・何があったの?」

 
 昨日のからは創造できない位元気で私は正直驚いた。

 保健室から出て行ったあと何かあったんだろうか・・?


 「あいつはあいつなりに頑張ってるんだろ」




 跡部部長の言葉がなんとなく心に残った。







 その後も私はいつも通りだった。

 クラスメイトと話して授業をそこそこ真面目に受けて(笑)

 そんな授業中プリントを配られたとき忍足君にプリントと一緒に何か渡された。

 それはノートの切れ端でそこに忍足君の綺麗な字で文字が書かれていた。


 [ きつい事言って御免な ]

 
 私もその紙に言葉を返す。


 [ ううん、こっちこそ昨日はごめんね ]


 その紙をそっと渡すとすぐに忍足君から返ってきた。


 [ 俺何も知らんかったとはいえやりすぎたわ・・・本間悪かった ]

 [ しょうがないよ、元はといえば私の行動のせいだし(っていうか発言?)もう気にしないで! ]

 

 そう書いた私に忍足君はそれ以上何も書いてこなかった。




 

 次にレギュラーと関わったのは宍戸君だった。

 それは4時間目の調理実習が終わったとき。

 私のクラスはサンドイッチを作った。(あれは作ったというよりはさんだだけのような・・・)

 ただ膨大の量ができてクラスの女子だけでは食べれなくて各自持ち帰っていいことになった。

 私も調子に乗って色々食べていてかなり満腹だったのに手渡されたサンドイッチの量は私が食べたの以上あった・・・。

 
 (・・・このサンドイッチどうしろっていうのよ・・・)



 とりあえず部室の冷蔵庫にでも入れさせてもらおうと思ってサンドイッチを入れた容器もってテニスコートに向かった。




 パーン パーン





 と昼休みも始まったところだというのに誰かが練習している音がしてきた。

 気になってそのコートまで行くとそこにいたのが宍戸君だった。

 彼が練習熱心なのは知ってた。けどいくらなんでも早すぎる・・・。

 声をかけようか悩んでいたら彼の方から私に気付いてくれた。







 「・・?」

 「あ・・・ご、ごめん、邪魔するつもりは無いんだけど・・・」


 「・・・・・」

 「・・・・・」



 昨日の事もあるし・・その前だって色々あったしなんとなく気まずい雰囲気が漂った。

 だけどいつまでも黙ってるわけにもいかないので少し明るめの声で話し掛けてみた。



 「相変わらず練習熱心だね。ほんと尊敬するー」

 「・・・サンキュ」


 宍戸君は少し驚いたような表情をして下を向いて言った。

 
 「でも・・・もうお昼食べたの?」

 「あ・・今日早弁して、でも金忘れたんだよ」

 「誰かに借りれば?」

 「借りる奴が居ない」

 「レギュラーの人なら貸してくれるんじゃないの?」


 一応いつも一緒にいるし信頼してないわけが無い。

 それにペアを組んでる鳳君なら絶対かしてくれそうなのに。


 「あいつら利子つけさせるんだよ」

 
 そう不機嫌そうに言った宍戸くんがちょっと拗ねてるようで面白かった。

 
 「あ、ならさこれ食べない?」


 それまで忘れていたけど私の手の中には行く当ての無いサンドイッチがある。

 どうせなら彼に食べて欲しい。


 「なにそれ?」

 「サンドイッチー調理実習だったの、さっき」

 「貰って良いのか?」

 「全然いいよ〜っていうか貰って!作りすぎて困ってたの〜」


 宍戸君は少し警戒してるみたいだったけど貰ってくれた。

 そのままコートのそばの木陰に行って食べてくれて私はその横に座ってその様子を見ていた。



 「なんか不思議だな」

 
 突然宍戸君が言い出して私は?を浮かべた。


 「とこんなとこで昼飯食うなんて思ってなかった」

 
 あ〜確かに。


 「まるで恋人同士みたい?」


 冗談で私が言ったら馬鹿かって少し赤くなって答えられた。



 「あ・・昨日はごめんねー」

 「あぁ気にするな。俺こそ悪かったな」

 「ううん」



 もともと口数が少ない彼だからそこで会話は終わってしまったけどちょっとだけ不思議な達成感があった。

 その後宍戸君は全部食べてくれて昼休みが終わりそうだったからそこで別れた。

  











 風が少し強くなった気がした。


 空っぽになった容器をもって私はその風を受けた。





                   その風は私から笑顔をさらってくれた―――――――――――――――――――。

 

















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―・あとがき・―
前の話との明暗の差が激しいです。。
他の正レギュラーとも仲良くなりつつありますねー。
ただここまでは一応従姉妹に合わせて書きました。
まだヒロインのことが完結してないのであとは最終段階です。



2004.6.26




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