― 彼女と彼 ―





 誰も何も言わない。

 今まで話していたも。


 保健室には思い沈黙が下りた。


 それぞれ思う事も態度も違ったけれど。


 そんな中動きを見せたのはだった。

 静かに目を開いて起き上がってベットから下りて。


 何一つ無駄の無い動きのよう。


 それはまるで台本のあるような動きで。



 誰も何も言えない中保健室を出て行った。





 「っ!まてよ!!」




 時がずれてるような反応でを追いかけた。




 保健室にとジローを残して。























 ねぇ・・・・・

 助けてよ、凛。


 悲しくてわからないの。



 その思いに答えるように私の手をとった人がいた。

 それは凛じゃ無くて。

 レギュラーたちだったけど。

 凄くほっとしたら涙が止まらなかったよ。





 「・・・・」

 「先輩・・」


 涙を止めれない私に名前を呼んでくれて感じたぬくもり。

 
 「・・・嫌・・だよ・・・・」


 「?」


 「わかってる・・よ、・・もう・・・・・会え・・・な・・い事・・・」


 「・・・・」



 「だ・・・けど、納得・・・・っなんて・・・できない・・・よぉ


  ずっと・・・一緒で・・・・一緒に・・・中学だってい・・行くって・・・」




 彼らの手の力が少し強くなった気がしたのは気のせいじゃないよね。


 
 
 「っ楽しく・・・な、んか無理なん・・・だよ・・・・凛が・・・・いないのに・・・・」



 ねぇ、凛お願いがあるの。



 私のことを恨んで。

 憎んで。



 私を許さないで。








 「なぁ


 侑士が私の前に来て覗き込んできた。

 その目は優しくだけど真面目で。

 安易に目はそらせなかった。




 「それは・・・えぇ事なん?」

 「・・・・」


 「確かにな思う事はあるやろうけど・・・やけど楽しんだらあかんなんていわれてへんやろ」

 
 「・・・・」


 「さんは・・・楽しんでほしい思うてるんやろ」




 私はその瞳から目をそらした。

 そう・・・それだって分かってる事だから。

 がどれだけ私を気にかけてくれてるのか。

 


 「それに俺がそいつだったら悲しんで欲しいなんて思わないぜ」

 
 「俺も・・・そう思います」


 
 とまる事を知らない涙は流れ続けて。

 誰かが口を開くたびにそれは本当に止まらなくて。


 だけどこれはいままで私がためていた物。


 






















 はほんとに良い子で。

 それは昔からの事で昔は普通に偉いなって思えてた。

 凛と私は兄妹でも含めて兄姉妹のように育ったけどやっぱり違って。

 いつの頃か・・・凛が私との扱い、思いが違う事に気付いた。


 それはあの頃は分からなかったけど「恋」だったのじゃないかと思う。

 凛はに恋してたんじゃないだろうか・・・。

 私は少しだけ疎外感を感じてた。


 どんどん凛が取られていくような・・・そんな感じ。


 否、私がどんどん置いていかれるようだった。



 あの事故があったときも凛は常にの事しか考えてなくて。

 親もと凛の事ばかりで。

 は何時も通り良い子で。

 独りぼっちになった。



 そんな中いなくなってしまった凛。

 ねぇ、あなたはだけを思っていなくなった。

 私のことなんか何も考えてなかった。




 だから。


 さっきのの話。



 嘘でしょう?




 【も同じだけ愛してるよ】




 ねぇ、嘘だよね?




 【だからを守ってあげて】









 そうなんだ。




 凛も。




 と同じぐらい。






 良い子だったんだ―――――――――――――。


























 私は・・・今何をすればいいのか分からなくて。

 だから涙も止まらなくて。

 

 疲れてしまったんだ――――――――――。

















―・あとがき・―
暗い暗い暗い暗い・・・・。
まぁまた従姉妹視点です。
サブタイトルの「彼女と彼」はヒロインと凛のことです。
従姉妹から見た二人って事で。
もうオリジナル度90%ですね(笑)
一応この話ではいろんな事をこっそり書いたつもりなんですけど・・・。
伝わりますかね(苦笑)



04.06.17





 

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