で、今日はなんの用なんです?
へ〜しばらく食事はさっぱりしたもんが食べたいって。
ほ〜珍しいですね。さんがさっぱりしたもんなんて。
はい、了解。わかりました。善処いたしますよ。
最近、さんは体調が悪ィ。フラフラ青白い顔をしてんな〜と思うと必ず気絶。床に激突する間もなく、マリモが受け止めて……そりゃいいんだがな。
最近どうよ? って聞いたら、あのむっつりったらよ。
「んあ? ああ、やっと口使ってもいい許可がおりた」
ああ、海の藻屑にしてやった。きっちり今までの恨みも込めて、蹴り飛ばしてやった。あ〜気分爽快。
色ボケもたいがいにしろってんだ。こちとら彼女いない暦、チェリー暦更新中だっつ〜〜〜の。
むっつりのバカは、おれがチェリーだと知ってんのか、知らねェのか。いちいち、のろけんだよな〜。そりゃ〜〜〜まぁクソ嬉しそうによ。蹴っても無理ねェだろ? 散々、さんのために我慢してんだから。
それにな、だ〜〜〜れもおれに同情してくんねェの。かえって、おれはエロコックだから、根掘り葉掘りあいつにおれから聞いてると思い込んでいる始末。
……だれが聞きてェ? んなクソむかつく話を。聞きたいわけねェだろっ。全て、さんのためだ。むっつりの暴走を、おれが止めてやんなきゃ、誰も止めれんだろ〜〜が。
で、そのむっつりの彼女のさんも、何かとナミさんに相談してるわけだが、わざとだろうな〜わざとしか思えねェタイミングで、相談に持ち込んで、おれを巻き込む始末。
……いいかげん、フラストレーションたまりまくり。いったい何度、昼間っからオナったか、しれねェっつの! マイハニーに使う前に、手垢で黒光りしちまいそ。初々しいピンクなのによ。
それによ、昼間っからだとな、やれる場所少ねェんだぞ! ナミさんにいつ見つかるかとひやひやしちまう。
これまではなんとも思わなかったレディたちのお美しいお姿に、そこらの小僧みてェに、四六時中、ナニが反応しちまう。異常事態だ。マジこのままじゃまずい。絶対、そのうちおれは盛大な恥をかく羽目になる。
おお、やっと戻ってきたか。ずいぶん遠くまで飛んだみてェだな〜。さすがおれ、快調だな。
斬りかかってくるかと余裕にみせかけながら、間合い計ってんのに、エロだるまのやろ〜不敵に笑いやがった。
「エロコック、悔しいか」
ムッキーーーーーーーーーーーーッ!!!!! いかん、ムキになったら相手の思う壺だ。おちつけ〜〜〜〜落ち着け。
「ったく、てめェはクサレ外道の海草まみれのナニは絶倫ちゃんだって、いちいちうるせェんだよ。それよか、さん大丈夫か? てめェ盛りすぎなんじゃねェ? てめェのバケモン並みの体力と彼女は違うんだからよ」
「んあ? 」
「んあ? じゃねェ〜〜〜っつの! 昨日何回やった! 」
「四回」
バケモンめ!
「一昨日は? 」
「あ〜〜〜っ三回、いや三回半だったな」
「その前は? 」
「三回」
てめェはサルか!?
「まさか、毎日、三回から四回じゃねェよな」
「だいたいそんなもんだ」
「やり過ぎだーーーーーーーーーーっ!!!!! 」
ちくしょう、てめェばっかいい思いしやがって! うらやましい……。
「そっか? おれ五回はいけんだけどよ、あいつが持たねェからな。三回目の途中で白目むくしな」
ビキビキビキッ!!! 血管切れそうだ。もう勘弁ならねェ。
「エロダルマ、お前、今日から精進料理な。肉禁止」
「なんでだよ!!! んなメシじゃ力でねェだろっが!!!! 」
「てめェの体力なんざ、ちった落ちたほうが、世間のためだ! さんと一緒にさっぱりメニューで当分過ごせ!!! 」
「ふっ! エロコック、妬いてんだろ」
「……オロスぞ。さんのために決まってんだろっが! なんで白目むいちまうか、考えりゃわかるだろ。毎度毎度、そんな無茶な要求に耐えられるわけねェだろ。てめェが腎虚になるのは勝手だが、さんを殺す気か!? 」
「腎虚ってなんだ? 」
「くそっ! それも知らねェわけ? 脳みそまで筋肉かぁ!? 腎虚ってのはな、男の精液の量は決まってんの。一生分使い果たしたら死ぬんだよ。つか、もうてめェやりすぎで死ね!!! 」
「ほぉ〜腹上死か。そりゃ困る」
「だろっ? って……どこまでバカ」
死なねェよ。決まってるわきゃねェだろっ! んな俗説、素直に信じんなよ。なんで、おれはこんなヤツに熱弁ふるってんだ。
はぁ〜〜〜〜〜〜〜。もう知らん。
「とにかく、さんの体調が戻るまで、てめェもさんと同じメシ同じ量だ。彼女に悪いと思うなら、黙っていうとおりにしろっ! 」
「……了解」
ひとつ返事が気味悪ィ〜〜〜〜〜〜〜。
「あっ、セックスも当分自粛しとけよ」
「はいぃい!? 」
「さんが体調崩してんのは、誰のせいだ」
「……おれ」
「で、ひとりで寝るか」
「わかった。ひとりで寝る」
素直すぎて気味悪ィ……こいつなりに真剣なんだろうがな〜ちょっと、面白くねェ。
ジタバタしてくれねェと虐め甲斐がねェじゃねェか。
しばらく、そんな調子でさっぱりメニューにセックス禁止で過ごさせたのに、さんの体調は戻らねェ。
チョッパーの診たてもなにも、てっきり「やりすぎの疲労」だと、みんな思っていたもんだから、ついに、さんが吐き気をうったえて、トイレにかけこんだときには、みんな真っ青だ。
ああ、マリモは
「なんか、喰いもんにあたったか? 」
と、のん気なもんだ。
おれが蹴る前に、ドコーーーーーーーーンっとナミさんの拳骨が落ちた。
「ふざけるな。ゾロ、あんた避妊してた!!! 」
「ああ、してるに決まってんだろっ!!! 」
「チョッパー。どう思う」
「どうって、診てもいないから、なんとも言えないけど、頻繁な気絶とさっぱりメニューで吐き気だから、問診だけで推測すると妊娠かなぁ」
「だよな〜〜〜。マリモがきっちり避妊してねェとはな〜〜〜」
「したっ!!! って言ってんだろっ!!! しつけーーーーーーーーっぞ!!! 」
「方法は。避妊の方法」
「そりゃ、外だしに決まってんだろっ! 」
「はぁ〜〜〜〜〜〜」
ナミさん、おれ、チョッパーの口から盛大なため息がでた。
ああ、バカは嫌だ。筋肉ダルマは伊達じゃないわけだ。
「あのね、ゾロ。それは避妊といわないよ」
かくかくしかじか、チョッパーの説明を神妙に聞く、色ボケマリモ。すっかり、お父さんモードになっちまった。
やっと、長いトイレタイムからちゃんがお出ましだ。
「、可愛い女の子を産んでくれ! 結婚しよう! 」
かぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!! なんで、この場で言うかね?
「はっ? 何いきなり言ってるの? 」
「できたんだろ? 子ども。おれ失敗しちまったみてェだが、まぁいい。ああ、いつ失敗したんだろうな。あのときか? 」
オオボケ野郎、くそ丁寧にいつできたか、口にだすんじゃねェよ。
何が、お前がおれのくわえたときかな、だぁ!!!
あっ! それともお前があんましめつけっからでちまいそうになったときか、だぁ?
シネよ。今すぐここで。クソマリモ。
あっ! マリモ終わった。今日、てめェの命日になるらしいぜ。
さんの顔、みるみるゆでタコになったかと思ったら、どんどん青くなってしまいにゃどす黒くなってきた。
マリモは気がついてねェ。
くるか、くるか! と思ってたら、キタ!
「ふざけんなーーーーーーーーーーーーっ!!! 妊娠なんてしてません! もうゾロの顔見たくない!!! あっちいけ、このくされチンコ野郎!!!!!! 」
ぶわッはっはっははっははっはっは!!!
ざま〜〜〜〜〜ミロ!!!
ドゴ〜〜〜〜〜〜ン、と落ち込むくされチンコ野郎を残して、ラウンジでティータイムだ。
さっ、さん。絞りたてのグレープフルーツジュースどうぞ。
あっ、ナミさんはカシスジュースね。はいはいお待ちどうさま。
「もう、あったまくるわ! 何が『失敗しちまったみてェ』なのよ。ただの夏バテだっつ〜〜の」
「、それほんと? 」
「ええ、ちゃんと生理あったもの」
「そうならいいけど。でも外だしはダメでしょ? 今度、ゴム買いに行こう? 」
「それがさぁ〜、既製品であうのないのよね」
「あっはは、でかすぎってこと? 」
「そうみたい。祖チンも困るけど、でかチンも勘弁して欲しいわ」
「気持ちいいくせに」
「まぁ、それなりにいいけど……」
だからさ、なんでここで、んな会話をするんですか?
話をふられねェうちに、とっとと逃げ出そうとしたが、遅かった。
「サンジくんは、あうサイズある? 」
ナミさん、容赦ねェ。ヒクヒクしちまう情けねェおれ。
どう答えりゃ良いっていうのか、誰か助けてくれ。
2010/2/4