eternal  love












シャンクスの寝室に、小窓から朝陽が差し込む。


白い寝具と対照的な赤い髪。
無駄無く均整の取れた腕は、愛しい女の身体を抱いたまま微動もしない。


温かい寝具に包まった二人の身体は隙間無く寄り添い、は呼吸すら一つに感じた。
シャンクスの安らかな寝顔を見つめたは、天女の様に微笑んだ。


「シャンクス・・・・」


は、手を伸ばしてゆっくりと赤い髪を生え際から梳いてみる。
指に絡まるシャンクスの髪は、思ったよりもずっと柔らかく、まるで子供の様だった。


此れまで否定し続けてきた 「愛情」 と向き合ったは、蜜愛の夜を思い返す。



自分の全てを求めてくれる魂に、全て捧げるという事

身体を重ねるという事の、 "真実の意味" 

愛する者と身体を繋ぐ事が出来る、唯一の行為



は、此れまでの幼かった自分を想う。王の愛妾に対して、狂人如く怒鳴り散らすフレイヤを想う。
其の姿を疎ましく軽蔑する自分を、優しく見護ってくれていたバルドーを想う。


「・・・?」

薄く眼を開いたシャンクスが、静かに呟いた。


「母上は・・・・淋しかっただけ。父上を愛しているから、許せなかったのね・・・・。
 私は子供だったのよ。母上の気持ちも考えず、嫌ってばかりで」


毎晩隠れて酒を呷り、震えていた母の背中を想い浮かべた。
愛する王の心を他人に奪われたフレイヤの為に、の瞳から零れた涙がシーツを濡らす。


ラーズ王の愛を独占したいばかりに、腹を傷めて産んだ娘まで "駒" として扱う憐れな母親。



「シャンクスに抱かれてね・・・・初めて解ったの。色んな事が・・・」


涙を零し続けるの金髪を、優しく撫でるシャンクス。


「ごめんなさい、シャンクス・・・・私は、貴方と一緒には行けない・・・・」


黙って瞳を瞑ったシャンクスは、の華奢な身体を思い切り抱き締める。


「私はずっと流されて生きて来たの・・・特に自分で決める事も無く、只、生かされて来た。
 海賊になる事が恐いんじゃない。貴方と一緒に生きたい・・・・でも・・・・」


微かに震えるシャンクスの睫毛を見つめて、は言葉を区切る。


「愛を知ってしまった以上・・・・此のアンダルシア王国を・・・母上を・・・捨てれない。
 私は貴方だけを想い、此の国と一緒に生きてゆきます」

・・・・」


は零れ落ちる涙を其のままに、シャンクスにキスをした。


「もう、私は一生分の愛を貴方に捧げたの・・・・・もう、シャンクスの他に、誰も要らないわ。
 初めて愛を教えてくれた人だけを愛して生きるの。とても素敵な事でしょう」


シーツを握り締めたの手を、シャンクスの手が包む。


「でもね、でも・・・自分がもしも只の普通の娘だったらって考えたら・・・・苦しいの。
 此の背中に、自由に飛べる翼があったらと考えると、堪らないの・・・矛盾してるわ」


シャンクスの瞳を見ていたの片眉が上がり、自分の手を見つめた。


「此れ・・・・シャンクス?」

「お前に似合うと思ってな」


の指に、美しく装飾され金色の輝きを放つ指輪がはめられていた。
華奢なカーブを描く指輪には、真っ赤に輝く大きなルビーが乗っている。


「お前の金色の髪と、俺の赤髪・・・ピッタリじゃねェか?」


ニッと笑ったシャンクスは、起き上がって麦わら帽子に伸ばした。


「此れも、欲しいか?」


は、暫く麦わら帽子を見つめて頭を振る。


「其れは・・・・また、シャンクスと私を繋いでくれる気がするの・・・・説明は出来無いけれど。
 きっと、貴方が持っていてくれた方がいいわ。ありがとう、シャンクス」


苦笑したシャンクスは、を抱き寄せてベッドに倒れ込む。
身体を絡み合わせた二人は、何度もキスを交わす。白いシーツに、涙がいくつも歪な染みを作った。


「俺だって、一生分・・・・の事を愛しちまってる。もう、お前の他には愛せねェよ・・・」


そんな言葉を聞きながら、はシャンクスのキスに溺れた。


愛してる、と何度も呟く声を聞き。愛してるわ、と何度も囁いて。







赤髪海賊船の甲板に、優しい風が吹き抜ける。


「シャンクス。其の長剣、貸してくださる?」

不審な顔をしながら、シャンクスは右腰に収まる長剣を引き抜く。
にっこりと笑ったは、豊かな金髪を左手で束ねて、握った長剣を静かに当てた。


「お、おい!!」


慌てたシャンクスの目の前で、の長い髪は肩からバッサリと斬り落された。


「私には、シャンクスに捧げれるモノは愛しか無いの。せめて、此の髪を貴方に・・・・」


呆気にとられるシャンクスの手に、美しい金髪が乗せられる。


「憶えておいてくれるか? 。俺の此れからの人生は、お前と共にあるって事をな・・・」





を力の限り抱き締めて、唇を噛み締めるシャンクス。


シャンクスの温かい腕の中で、瞳を閉じて睫毛を震わす








               貴方の元へ、飛んで行けるなら・・・・



               お前を浚って行けるモンなら





               ――― 神だって・・・・信じるのに







互いの身体に魂を刻み付け合った二人は、部屋を後にした。


「綺麗な海ね・・・」

「お前と見るといつもより、ずっと綺麗に見えちまうな・・・」

甲板で寄り添ってグランドラインの海原を眺めるシャンクスと
港から聞こえた馬の嘶きに顔を見あわす。


「バルドー!!」

「お守役・・・・」


黙って船を見上げるバルドーは、馬を静止させた。


「バルドー、どうして?」

「何となく・・・呼ばれた気がしただけです。貴方達二人にね・・・」


シャンクスはを肩に担いで、縄梯子を降りる。


「・・・・俺達はグランドラインから出る予定だ。東の海辺りを、暫く航海しようと思ってる。
 またグランドラインに入っても、此処に来れるかは、正直解らねェ。ラフテルを目指す以上・・・」

赤い髪が、海風に揺れた。ニッとシャンクスが笑う。


「お守り役。を・・・・頼む」

「・・・・貴方に代わり、命に代えてもお護り致します、シャンクス殿」


シャンクスはを馬上に乗せて笑った。強い瞳が、を包み込む。


「じゃあな!!!しっかり此の国を愛せ!!」


の頬を伝う涙が、ポタポタと落下した。拳を握り締めるシャンクス。


!笑え!!笑ってさよならだ!!」

「シャンクス・・・・うん・・・・」


麦わら帽子の下で輝く、シャンクスの瞳を見つめる


「俺達は、ずっと一緒だ。此の空と此の海は、いつだって俺達を繋いでる!!」


「シャンクス・・・・ありがとう!!」


の微笑んだ薄紫の瞳が、シャンクスの脳裏に焼き付く。シャンクスは、笑って左手を上げる。



バルドーは、シャンクスに一礼して馬に鞭を打った。


ヒヒィ――――――――・・・ン・・





「元気でな・・・・・・」

小さくなるを見つめて、シャンクスは優しく微笑む。黒いマントが風をはらむ。



「こりゃ、今夜の宴は大荒れだな・・・・」

船縁に立っていたベックマンはグランドラインに煙を流し、美しいアンダルシア島を眺めた。











其れから、数ヶ月が過ぎた。


真っ青な顔をしたバルドーが、の部屋をノックする。中から、小さな返事が聞こえた。


!倒れたと聞きました!大丈夫ですか?!」

「あら、情報が早いのね・・・」

「茶化さないで下さい!!」


バルドーの勢いに肩を竦めたは、ベッドから半身を起こした。


「バルドーだって大変でしょう?母上から責められる毎日ですものね・・・」

「私の事よりも、です!一体どうしたと・・・」


あまり丈夫では無いを心配して、バルドーの拳が震えた。


「・・・あの人の・・・子供が居るみたい・・・」


優しく笑うの前で、硬直するバルドー。其の姿を見て、はクスクスと笑う。


「・・・シャンクス殿の・・・お児が・・・」


他に誰が居るの?とは楽しげに呟いて、下腹に手を乗せた。
暫く立ち尽くしていたバルドーは、力が抜けた様にのベッドに腰を降ろした。


・・・・此れより私は、フレイヤ様の御前に伺候いたします・・・」

「・・・え?」

「貴女との婚約、お受け致します」

「バ・・・バルドーッ!?」


静かに立ち上がったバルドーは、優しく微笑んだ。


「私はシャンクス殿と約束を交わしたのです。必ず貴女をお護りすると・・・今が其の時なのです。
 お二人のお児も、私が護ります・・・・私の児とフレイヤ様に思わせておけば、赤子の無事は保証出来る」


言葉を失い、バルドーを見つめる
バルドーは強い光を瞳に浮かべて、静かに部屋を後にした。


「シャンクス・・・私は、一人じゃないわ・・・」

呟いたは、深くバルドーに感謝して下腹を撫でた。






時は優しく、緩やかに流れた。大海の様に、大きな波をたたえて。




慌しく何人もの医者が、の部屋に出入りする。


「ええい、まだ産まれぬのか!!」

「王妃様。そんなに歩き回られますと、お疲れになります」


苦笑したバルドーは、フレイヤに椅子に座る様に勧める。


「バルドー。わらわは日が晴れたら盛大な式を挙げるつもりじゃ。よいな?
 全く・・・王は何を考えて結婚を先延ばしにしたのか。わらわには見当もつかぬ!!」

「仕方ありません、フレイヤ様。私の昇進が遅れました故・・・・」

「そんなモノ、何とでもなろう!!」

巧妙なバルドーの手口と、の強い反発により、二人の結婚は延々と先送りされている。
今のバルドーには、結婚の意志は皆無。ただ、の幸せを願う日々だった。

ガァ――――――・・・ンと大きな音がして、王室の扉が開いた。驚く王妃とバルドー。


「大変です、様が!!!!」


「大声を出すでない!!もしも・・・赤子が男児では無い時の手筈は言っておろう!!」

フレイヤに怒鳴られた医師は、平伏して謝罪する。バルドーの顔色が変わった。

「王妃様・・・・今・・・・何と・・・・」

「なんじゃ?バルドー、其れ位も理解出来ぬか? わらわが欲しいのは男児じゃ!!
 もしも女児が産まれたなら、闇に葬れと告げてある。当たり前であろう?
 何の為に高い金を積んで、口の堅い医者を呼んだと思っておるのじゃ。甘いのう、バルドー・・・」


唇を噛み締めたバルドーが、の部屋へと走る。不安で、走る足元がおぼつかない。
の部屋の前には、異常な程の門兵が並ぶ。
フレイヤの言葉を思い出し、舌打ちしたバルドーは兵士を掻き分けて走り込んだ。

「どうした!!詳しく説明をしろ!!!!」


息を切らせたバルドーに、真っ青になった医師達が駆け寄る。


様のお身体が・・・出産に持ちそうにありません・・・・」

「何だと・・・・?」


声を震わすバルドー。部屋の扉を静かに開いた助産婦が、バルドーに頭を下げる。


「バルドー様・・・様が・・・・お呼びです」

!!」

広い部屋に、の荒い呼吸が聞こえる。バルドーはベッドの脇に駆け寄って手を握り締めた。


!私だ、バルドーだ!!聞こえるか?」

「・・・・ハァ・・・・・フフッ・・・聞こえてるわ・・・・バルドー」


は大量の汗を全身から流して、細く瞳を開けた。


「持ちそうに・・・・無い・・・んでしょう?・・・ハァ・・・フッ・・目がね、霞むのよ・・・」

「何を言ってるんだ!シャンクス殿に・・・また逢うのでしょう?」


シャンクス・・・と呟いたは、幸せそうに笑った。


「・・・ッ!!」


酷く顔を顰めたに、医師達が慌てる。


「私は・・どうなってもいい・・・・この子を・・・ハァ・・・産みたいの・・・バルドー・・ッッ!・・
 貴方なら・・・解ってくれるわよね・・・・バルドー・・ハァ・・・ッ!・・・愛の・・証だもの・・・・」

「ええ、解ります。貴方達は、真剣に愛し合った・・・。この赤子は誰よりも望まれて産まれてきます」


何度も頷いたバルドーは、握り返すの手の弱々しさに涙を浮かべた。


様!お気を確かに!!・・・もう少しでございます!!」

「・・・シャ・・・シャンクス・・・・!!」


広い部屋に、可愛らしい元気な声が響き渡る。安堵したは、瞳を閉じて気を失った。


!」

浅く上下するの胸を確認したバルドーは、額の汗を拭う。


「バルドー様・・・・・女児で・・・・ございます・・・」


真っ青になった医師の呟きに、部屋の空気が重くなる。
頷いて立ち上がったバルドーは、部屋の隅に医師を呼びつけた。一つ深呼吸して、赤子を見つめるバルドー。




シャンクス譲りの燃える様な赤い髪。赤子は、白い肌を紅潮させて元気に泣く。
と同じ薄紫の大きな瞳から、大粒の涙が零れた。




「暫く、女児である事は伏せておいてくれるか。私から王妃様に伝える」

「心得ました、バルドー様・・・・」


医師が呟いた途端に、フレイヤが荒々しく扉を押し開けた。


「・・・産まれたか!!男児であろうな?何処じゃ、赤子は!!」

「こ、こちらでございます・・・」

「此れは・・・・・・・」


赤子を凝視したフレイヤは薄い唇を震わす。全員が息を呑む陰湿な瞳で、赤子を抱く医師に歩み寄るフレイヤ。


「・・・何じゃ・・・・其の髪の色は・・・・説明せぬかッ、ッッ!!!!」

「王妃様!は命懸けで出産し、気を失っております!!・・・其れよりも、温かいお言葉を孫君に!!」

「ええい、鬱陶しい!!に冷水を掛けて叩き起こせ!!!!」

バルドーは絶望の表情を浮かべて、フレイヤを見つめる。

「こんな赤い髪の人間が、この王室の何処におるというのじゃ!!!答えよ、バルドー!!」

悲鳴とも、罵りとも区別出来ない声を上げたフレイヤは、懐から短剣を取り出した。

「王妃!!!!御気は確かッッ!!!!」

バルドーは赤子を抱いた医師に駆け寄って、泣いている小さな命を抱き締める。


「皆の者!王妃様を部屋から遠ざけろ!ぐずぐずするな!男児がお産まれになったと、皆に伝えろ!!!
 やがてアンダルシアを背負う、立派な男児がお産まれになったと・・・国中に公表しろ!!」


絶叫するバルドー。事の重大さを知った門兵達が、狂った様に喚くフレイヤを取り押さえ連れ出す。


全員が退室した部屋で、バルドーは深呼吸をして腕の中の赤子を見つめた。

壊れそうな小さい両手でバルドーを求める赤子。
微笑んだバルドーは、静かにの隣に寝かせた。薄っすらと薄紫の瞳を開く



・・・見えますか?可愛らしい女児です・・・よく似ていますね・・・お二人に・・・」

「フフッ・・・シャンクスの髪と・・私の瞳を・・見てるみたい・・・・本当に・・・・可愛いわ・・・」


浅い呼吸をしながらは笑い、赤子の頬に指で触れた。


「・・・・産まれてきてくれて、ありがとう・・・・・・・・この子の名前よ、バルドー・・・・」


?」


「えぇ。ずっと前から決めてたの・・・バルドー・・・・私・・・この子に一目でも逢えて幸せだわ・・・。
 私はもうダメ・・・・解るわ、其れ位・・・・・・・・あのね、バルドー・・・此れを・・・いつかに・・・・」


はシャンクスから貰った指輪を、困惑するバルドーに渡す。指輪の赤いルビーが光った。


「この子が・・・が大きくなったら・・・此の指輪と・・・・机に入ってる手紙を・・・」


苦しそうに顔を顰める。医師を呼びに行こうとしたバルドーを、止める


「・・・・貴方には、言い尽くせない程感謝してる。私の・・最後の願いを・・・・叶えてね・・・」

! そんな弱気な事を!」


が元気な声で泣き出した。優しく微笑んだは微かに頭を振り、ゆっくりと起き上がる。



「いいの・・・私・・・シャンクスを愛して幸せだった・・・この子を産んで・・・・また一つ幸せを貰って・・・。
 ・・・此の国の為には何も・・・・出来なかったけど・・一つだけ、命を残せた・・・其れだけで・・・」

・・・・貴女を愛せた・・・シャンクス殿と私は・・・この上無き、幸せ者です・・・」


バルドーは、零れる涙を拭いもせずに、に抱かせる。


聖母の様な微笑みで我が子を抱き締めるを、無言で見護るバルドー。
十月という月日の流れは、子供の様に拗ねていた少女を母に変え、新しい命を与えてくれた。

シャンクスの隣で笑っていた、華やかなを懐かしく想い、涙を落とすバルドーは無理に微笑む。


「神様は・・・居るのよ・・・バルドー・・・やっと解ったわ・・・こんな可愛い子を・・・私に。
 ・・・・・私は幸せだったの・・・貴女の父上・・シャン・・クス・・に・・・出逢え・・・・て・・・」






               ねぇ、シャンクス。


               神様は居たわ。

               私は貴方の元へ、飛んで行ける・・・


                また、あの広い海を二人で眺めたいの。


               心から・・・・愛してるわ・・・シャンクス・・・





母にあやされて、笑い出した。優しく見つめるの頬に、涙が一粒零れた。


「・・・あり・・・がとう・・・・」




の小さな背中を、ゆっくりと撫でるの手が止まった。




「・・・・?・・・」


バルドーは、小さなを抱き寄せる。


幸せそうな顔をしたは、バルドーの腕に抱かれて小さく項垂れた。


「・・・・・・・・・――――――――・・・・ッ!!」




どれ位の時間が過ぎたのか、バルドーには解らない。大きな夕陽が、部屋を真っ赤に染めていた。
バルドーは微笑んだままで眠るを、そっと寝かせた。止め処ない涙が、夕陽に染まる頬に落ちる。


「安心しなさい、・・・・・」

呟いたバルドーは、すやすやと眠るを抱き上げた。の赤い髪が、熱い目に染みる。



「お二人の愛の証・・・様は・・・・此のバルドーが・・・命に懸けて、お護りします・・・・必ず・・・必ず・・・」


瞳を開けたは、無邪気な顔でバルドーの腕の中で笑った。







髑髏に3本の線が入るジョリーロジャーが風に靡く。
心地良い海風は、甲板に立つ男のマントを揺らした。美しい夕陽が、男の赤い髪を更に彩る。

今夜も催されている宴の歌声が、グランドラインの海を渡る。


「・・・お頭?どうしたんですか?」

「あ?・・・・何がだ?」


シャンクスを不思議な顔で覗き込むクルー。


「だって・・・・お頭・・・・」

クルーの視線を辿って、自分の頬に手を当てるシャンクス。呆然として、手を濡らしたモノを凝視した。
大勢の男達が、甲板に立ちつくすシャンクスに注目する。


「何で・・・・俺ァ泣いてんだ?」

「アンタ、また呑み過ぎたんじゃねェか〜??ぎゃはははッ!!程々にしとけ、お頭ッ!!」

「うるせっ!!」


ラッキー・ルウの頭にチョップを入れるシャンクスを眺め、ベックマンが苦笑する。

「また、の事でも考えてたんだろうよ・・・」


「だっはっはっはっ!! ばれたかっ。俺ァ、一途なんだよッ!!
 俺のに乾杯だあああああッ!!今夜も呑むぞ !!! みんな、呑むぞ!!」

「「「「「「「 おおおおおお!!!! 」」」」」」」



シャンクスはポケットの中にある金髪を握り締めた。麦わら帽子の下から、広い海を見つめて一人の女を想う。


永遠に愛し続けるたった一人の女、を・・・・・。









The end












 シャオ 「初めて、悲恋っぽいモノを書かせて頂きました (滝汗)
      多分、二度と書けないだろうなぁ、悲恋モノ。あひゃひゃひゃ。

      此の作品は、ティオちゃんが書いてる長編の、序章でございます。(ちゃん付け許して)
      ええ、序章!

      元々は、17777のリクだったんですが・・・(笑)
      登場人物の性格やあらすじは、ティオちゃんが細かく設定したモノでございます。
      楽しく、のびのびと書かせて頂きましたでつ。

      此の場をお借りして。ティオちゃん、楽しい刺激、ありがとう!!

      それでは、ティオちゃんノベルをお待ちください。うへへ」



このシャンクス編は、何度もメールで「あ〜だ、こうだ」と、打ち合わせして、それこそチャットなみの速さメールで、
凄く楽しかった思い出がございます。
出来上がったシャオシャンクスの素晴らしい事、私はもうオチ知ってるのに、ぼろぼろ泣きました。
あらすじを知ってる私を泣かすシャオちゃんの腕前に鳥肌、あひゃ〜序章なんて言ってないで、
単独で行ったほうが…と、何度、進めた事か(笑)
またオリキャラの「バルドー」を、とてつもなく良い漢に仕上げて頂き、コレもまた、ツボ直撃でした。
勿体ないくらいのモノ、シャオちゃんからたくさん頂いたような気が致します。


シャオちゃん、どうもありがとうございました。


 



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