ここは薄暗い城砦の最奥部。
巨大な鉄塊のような剣を手にした若い剣士と、
その剣士の半分くらいしか背丈のない歳の頃十二、三の少女が向かい合っていた。
剣士は萌えるような赤い髪と意志の強い碧の瞳をしていた。
いまその顔は憎悪に歪んで少女を見下ろしている。剣士の全身の筋肉に力が張り詰めていた。
一方少女のほうは、胸がわずかにふくらんだ幼い体形に不似合いな胸の開いた碧のドレスを身に纏っていた。
流れる黄金のような髪は少女の腰まで届いていた。
そのあどけない微笑みにはただ一箇所、決定的な違和感があった。
──微小にほころびた唇のあいだから、鋭い牙がこぼれていたのだ。
「魔女カーミラ! 貴様に滅ぼされた〈水の都〉の人々の無念をいま俺が晴らす!」
「ふうん。お兄ちゃん、あのときの生き残りなんだ? もう、一〇年も昔になるかなあ」
「貴様に復讐することだけを考えて俺は修羅の道を歩んできた。この命と引き換えてでも、貴様を殺す!」
「うふふ……。生き残りがいるとは思わなかった。お兄ちゃん、一〇年前はまだ子供だよね。
じゃあ、目の前で家族や友達が体を腐らせ、心を狂わされて互いに互いを貪りあう様子を目の当たりにしたんだ。
あははは、子供心にそれはトラウマよねえ」
「貴様……!」
剣士アドルは己の身長ほどもある大剣を目の高さに構えた。
魔の者と戦うため、禁断の塔でアドルが手に入れた魔剣“グリムドリュング”である。
アドルはもはや言葉を交わそうとせず、全身全霊を剣に集中した。
目の前にいるあどけない顔の少女が、一国の騎士団を難なく消滅させるほどの魔力の持ち主だということをアドルは知っていた。
だが、剣の届く距離まで近づけた今、アドルには勝機があった。
いかなる町ひとつを吹き飛ばすような魔法もこの距離ではつかえまい。
そして、邪悪な魔法であるほど、それを行使するさなかは術に魂を注ぐ魔法使いの肉体は無防備となる。
少女──カーミラは、アドルが剣を構えても平然としていた。
呪文ひとつ唱えるでもない。
カーミラがドレスの裾についた埃に気付いて、それを払おうと屈んだとき。
アドルが床を蹴った。
音の速さも凌駕して剣が振り下ろされる。その先にはカーミラの白くたおやかな首筋があった。
どんな魔法の詠唱すら間に合うはずがない一瞬の斬撃だった。床に転がる少女の生首の幻影をアドルは見た。
ガキッ!
異様な手応えに、アドルは目を見張った。
渾身の斬撃が受け止められていた。それも──少女の小指一本で。
「クスクス」
邪気のない清らかな少女そのものの笑い声。
「あなた、とっても強いわ。定命の人間がここまで強くなるのは、血を吐くほど大変だったでしょうね」
アドルが剣を引こうとしたとき、カーミラが鋼の刃を指で挟んだ。
パキッ!
有り得ないことが起きた。魔を滅ぼすための魔剣が、いともたやすく折られたのだ。か細い少女の指によって。
「魔法を使う時間などなかったはずだ!」
「あら。剣士さんは頭が固いのね。
魔女と呼ばれてるあたしが、剣の道に生きてきたお兄ちゃんより、単純な肉体の力で上回ってるとは考えなかったの?」
「バカな……!」
「あははは。お兄ちゃん、お疲れ様。復讐に捧げてきたこれまでの人生、水の泡だね」
アドルは途中で折れた剣を逆手に持ち、カーミラの頸部にそれを突き立てようとした。
「うん、まだ心が折れないんだ。そういう人、あたし大好き! 決めたわ。お兄ちゃんをあたしのペットにしてあげる」
少女のうなじに触れる寸前で折れた剣がぴたりと静止した。
カーミラが繊手を伸ばして頭上にかざされたアドルの腕を掴んだのだった。
「ぐあっ!」
カラン、と剣が床に落ちた。カーミラが優雅に指で撫でただけでアドルの手首の関節が砕かれたのだ。
さらにトンと防具を突いただけで、アドルの肉体を守っていた防具はいくつもの鋼の板に分解して崩れ去った。
同時にアドルは血を吐いて体を二つに折った。
「おのれ……せめて一矢を……」
「すごい。まだ闘志を失わないんだ。それだけあたしが憎いんだ? 嬉しい!」
カーミラはやおら屈むと、アドルの唇におのれのそれを重ねた。
「ん……む……!」
とろり、と甘い液がアドルの喉に流し込まれた。
「お兄ちゃん。いままで剣の修行ばかりで人間の女の子とエッチなことする時間もなかったでしょ。
かわいそうだから、最後にあたしがお兄ちゃんに男としての快楽を味あわせてあげるね」
「なに……を……ぐうっ!」
肩の付け根をトンと押されただけで腕が痺れて使い物にならなくなった。
続いて両脚も同じように自由を奪われた。
床の上に大の字に仰向けにされたアドルの服をカーミラの爪がいともたやすく切り裂いていった。
「ふふ。男らしく鍛えられた素敵な体」
少女の手で裸身を撫で回されると、途端に体が熱くなった。
「ねえ、お兄ちゃん。カーミラのお願い。オチン●ンを立ててちょうだい」
「ぐうっ……」
絹のように滑らかな手で下腹部を撫でられると、アドルの心と関係なく男根がそそり立っていった。
「フフ。男の人の体って、とっても素直だから大好き」
「こ、殺してやる……くっ!」
乳首に爪を立てられ、アドルは顔を歪めた。そこへもう一度、カーミラの唇が重ねられた。
またあの甘い液体が送り込まれてきた。
「どう、美味しい? その蜜はお兄ちゃんを違うモノに変えるためのもの」
「な……?」
「でも、まだ足りないわ」
今度はカーミラは固くなって上向いたアドルのペニスの先端に尖った爪を突き立てた。ビクンッとアドルの体が跳ねる。
爪をつたって黄金色の蜜が尿道口に注がれていった。
アドルの体の中で何かがゾロリと蠢いたようだった。
「う……」
「どう気持ちいい?」
カーミラの手が、唇が、アドルのむき出しの肉体を愛撫していった。
その技は否応もなく男の体をとろかし、情欲を高める、まさしく魔女の技だった。
「感じてるのる、お兄ちゃん? 感じれば感じるほど、あたしが流し込んだ蜜の作用で、お兄ちゃんの体は変わっていくわ」
「汚らわしい魔女の手でなにをされても……うぐあっ!」
「あはっ。ちょっとオチ●チンを撫で撫でしてあげただけなのに、情けない声。
ほら……感じちゃったから、変化が出てきたよ」
カーミラの指が、アドルの乳首に触れた。
両の乳首は心なしか固く大きくなっているようだった。乳首の裏側に固いしこりが感じられる。
アドルがそこに目をやったとき、さらにもうひとまわり、乳首を中心にうっすらとその周囲がふくらんだ。
まるで……思春期を迎えた少女のそこのように。
「お兄ちゃん自分じゃ見えないだろうけど、顔なんかもうとっくに変化始まってるよ。ほら、この耳なんて。先端が尖ってきた」
「くうう……絶対にお前を殺してやる、カーミラ!」
「それはできないよ。だってお兄ちゃんはもうすぐ、あたしの可愛い使い魔に変わっちゃうんだもん。
ホラホラ、あたしの手で快楽を味わうたびに、体が変わっていくよ。見て、腰もこんなにくびれてきた。
もう男の子の体形じゃないよねえ」
「あ……うああ……」
うっすらとふくらんだ胸をねっとりと舌で舐められてアドルは身震いした。
いままでの人生で、決して感じたことのない快感だった。
うわずった声がいつしか、少年のように中性的なものになっていた。
カーミラがぱちりと指を鳴らすと頭上に大きな鏡が現れた。
その鏡に映る己の姿にアドルは息を呑んだ。
「どう? ずいぶんと可愛らしくなったでしょう?」
「ば、馬鹿な……これがオレの姿だなんて……」
「フフ。こんな華奢になっちゃって、もう剣なんて持てないね。
でもまだ序の口なんだから。まだまだ変わるよ。あたしが変えてあげる。ね、お兄ちゃん」
アドルにそれを拒否する自由はなかった。
やがて、カーミラの愛撫が下半身に集中してきた。
下腹部や会陰、内腿を撫で回し、じらしながら快楽を高みへと持ち上げていく。
全身がオンナらしく変わりつつあるのに、股間にそそりたつ男の象徴だけは隆々とたくましくそびえていた。
「嬉しい。あたしに可愛がられて、お兄ちゃんこんなに感じてくれたんだね」


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