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舌で彼の指を舐めまわしているのを頭の隅で感じている。
鏡に映る、自分が自分で無いかのように。
「きれいになった?・・・・・・じゃ・・お礼に・・・」
彼は私の唇から指を抜くと今度は私の蜜源へと埋め込んだ。
「くぅ・・・!・・・」
1本・・・2本・・・と。
私を埋め尽くしてくる。
胎内で蠢く彼の指は、節ばったようで、繊細で。
私を狂わせて行く・・・・・。
3本ほど見えなくなったところで,彼はもう片方の指で乳房を揉みしだく。
指先で快楽を呼び覚ます個所を探りながら。
「・・ぁ・・・ぁぁああ・・・はぁ・・・んんん・・・」
私の唇から、喘ぎが漏れている。
「・・・眼を閉じたら・・だめだよ・・ちゃんと・・みてごらん・・・」
彼が私の耳元で囁く。
あけた眼に、見せ付けられる私の身体・・・・。
明るい太陽に似つかわしくないほどの淫猥な姿。
「・・・イイ顔・・しているね・・・・」
彼が笑みを含んだ声で言う。
「・・・見せてあげたいよ・・・貴女を知っている人に・・・」
「・・やっ・・・」
私は身体がカッと燃えるのを感じた。
ふるふると頭を左右に振る。
「・・・・感じた・・?」
彼が続ける。
「・・・俺の指を・・・・すごい締め付けてきたよ・・」
彼の言葉が私の身体を跳ね上げさせる。
狂うと思ったその刹那、指が抜かれる。
「ぁぁ・・・・・」
ため息にも吐息にも似た、声が私の口からこぼれた。
「ふふ・・・・」
彼が小さく笑う。
「もっと・・・・?・・」
鏡越しに私を射抜く、視線。
私は、何も答えられなかった。
「まだ・・・だめさ・・・」
彼はそういうと私をベッドに下ろす。
ちょうど鏡の真正面に正座のような格好で座らせられる。
私はまだ、肩で息を押さえ込んでいる。
彼はいつの間にか手にタオルを持ってくると、私に後ろから目隠しを施した。
「や・・やめて・・・」
「いいから・・・・・・」
私の視界はかろうじて明るさがわかるだけ、白い世界に変えられてしまう。
彼はどこにいるのかわからない。
手も動かせない、安定しないベッドの上で私は不安に襲われる。
”ここにいるときは、いつもの貴女じゃないんでしょう?”
”・・・・そうね・・・”
”じゃ、本当の貴女なのかな?”
”うん、近いと思う”
”へぇ〜彼にも見せないの?”
”・・・・知らないと・・・思うよ・・・”
・・・見てる・・・
私は全身に彼の視線を感じた。
何故・・わかるか・・そんなことを考える余裕すらなかった。
彼の視線が、私の素肌を舐めるように、這っている。
私は思わず、ベッドに突っ伏そうとする。
その肩を彼の腕が起こす。
「・・いけないな・・・せっかく見ているのに・・・・」
「で・・・でも・・」
必死に彼の声の方向に顔を向ける。
「俺がいいというまで、そうやってなさい・・・」
そう言って彼は私を立てひざにさせ、足を少しだけ開かせた。
「や・・・・」
「出来るよね・・・・・貴女は・・?・・」
彼の言葉。
彼の手の感触。
すべてが私を、言うとおりにさせる魔力を持っているかのよう。
私の姿勢が安定するのを見て、彼の手が離れた。
・・・代わりに私の背中に何かささやかなやわらかい何かが触れた。
「・・・・!ぁ・・・」
思わず背筋を仰け反らせる。
何かわからない、でも、それは次に、私の首筋を撫でる。
「・・はっ・・・・・」
見えないので、どこから、それが来るかわからない。
全身に緊張を迸らせながら、私はそれに耐えようと、唇をかみ締める。
さわさわとその感触が今度は背中から腰にかけて流される。
「んん!・・・・」
的確に、弱点をついて、それは動かされてくる。
”くすぐったいほうが多いの?”
”うん・・そうだねぇ・・・”
”あとはどこ?”
”背中とか腰とか・・普通そんなとこ多いじゃないの?”
”そうだね。・・・ほかは?”
”ん〜〜いろいろ(笑)”
「・・な・・・なに・・・やめ・・・・」
「・・・なんだと思う?・・」
くっくっと笑いながら彼は、さらにそれを動かす。
「身を捩りながら言っても、あんまり抑制力はないよ・・・変なものじゃないから・・・」
触れるか触れないかの微妙なタッチで、何度か責められる。
「・・・は・・ね・・・・?・・」
私はある一つの結論をおぼろげな意識の中で紡ぐ。
「・・・そう・・・」
彼は返事をくれた。そうして、それで私の乳房の頂点をなで上げた。
「・・・やぁぁ・・・・」
そういいながら、私は太ももに何が流れ落ちるのを感じた。
「・・ぁ・・・・」
「・・うそつきは・・・いけないな・・・」
彼の視線が私の腿に落ちているのがわかる。
「身体のほうが・・・正直だね・・・貴女は。」 |