|
持っていた鍵。
その鍵で開けた箱は、もう二度と使えなかった。
新たな鍵。
その鍵は最初から二人で見つけ、二人で使った。
全て、自分のためにしたこと。
後悔もした、涙も流した、こうしたらよかったのかと考えもした。
でもそのときはそれが精一杯だったから。
だからこそ、新しい鍵を見つけて、今度は間違えずに使った。
人は後悔と反省を繰り返して、自分にとってふさわしい道を探し進んでいく。
後戻りしてもいい、先走ってみてもいい。
全てが、自分の大切な宝物。
『正しい』ものなんて、誰かが誰かのためになんて決められないから。
自分で決めて、自分で選ぶ。
幸せも、罪も、罰も、不安も。
一瞬のタイミングの違いで、全てが変わっていくのだから。
昨日の罪も。
今日の不安も。
未来の幸福へとつながる道なのかもしれないから。
『貴方と出会えて幸せを知りました、私は私自身で幸せになりたいと願えるようになりました』
いつか、どこかで見かけたら知ってください。
見つけた新しい鍵で、私は。
罪も罰も全て、私の中で昇華している。
未来だけ見て、過ごしています。
貴方がくれた、realize。
私自身で。
そうして、愛し、愛してくれる人と共に−。
Fin |