|
一瞬声が止まると、俊は言った。
(胸、揉んで見ろよ・・・強くだぜ・・)
蘭世が一瞬息を呑む。おずおずと空いた手が自身の胸に添えられる。
「・・・・・・」
声にならない。
自分の手なのに自分ではないような感触に襲われる。
(どうだ・・・・?)
「・・し・・らない・・・!」
(どうした・・・・?声に力ないぜ?)
抑えた笑いを含ませる俊。
(指先で乳首、摘んでみな・・・・)
俊の甘い誘惑に蘭世は思わず指先で頂点を摘んだ。
「っ!・・・・・」
押し殺した声があがる。
(今の声は?)
「・・・・・」
(答えがないぞ?)
心底楽しそうに、俊は小さく笑う。
(さ・・続けようか?)
「や・・・だ・・・・」
(じゃ、切ろうか?)
「・・・・・」
蘭世は自分の身体に沸き起こる何かに、翻弄される。
(・・・今度は手を下のほうに伸ばしてみろよ。)
「下の方って・・・?」
(・・わかってんだろ?)
俊は続けた。
(指先でふれてみな、どうなってる?)
蘭世は俊の言うがままに指先を自分の見えない部分へと伸ばす。
「・・・・・・」
(黙っていたらわかんねぇだろ?)
俊は蘭世がおそらく真っ赤になっている姿を思い描く。
(ほら・・・言ってみな・・・)
「・・・・熱い・・よ・・」
(熱いだけか?)
「・・・ん・・・・」
蘭世の声に甘い響きが少し混じる。
(もっと奥まで伸ばしてみな・・・どうだ・・・?)
俊の声にも興奮が多くなっている。
蘭世の指が熱く潤むその奥へと伸ばされていく。
「んん・・・・」
蘭世の押し殺したような声に、俊のボルテージが上がる。飛んで行きたいのを堪えるだけで必死だ。
(・・指先・・・・埋めてみな・・・)
「え・・?」
(いつも、俺がするように・・・な・・・?)
濡れた花園に自身の指先が吸い込まれる。
「ぁぁああ・・・・」
蘭世は俊に触れられている錯覚に陥る。
(・・・根元まで・・・入れてみろよ・・)
「んん!!・・ん・・・・」
(そしたら、指先だけ曲げるんだ・・・・)
「ひ・・あ・・・ああん・・・・・」
もう、蘭世は俊の言葉どおりに操られている。
携帯越しなのか、直接耳に吹き込まれているのかもわからない。
俊の声が蘭世の脳天をつきぬけ、その甘美なまでの快楽に心奪われる。
(ゆっくり・・そのまま・・出し入れするんだ・・・・)
荒い息の中、俊もまた自分で蘭世を嬲っている感覚に襲われている。
下半身は痛いほど張り詰めてきていた。
蘭世は言われるがまま、自身の指を前後に動かしはじめる。
「ふぁ・・・ああん・・・・んん・・・ま・・・かべ・・・くぅ・・・ん・・・・」
(・・もう・・・一本・・指を・・入れるんだよ・・・・入るだろう?・・・)
「んんん!!・・・あ・・・」
蘭世の胎内に中指だけでなく、人差し指までが埋まる。
(・・いい・・・・格好だ・・・)
想像の中にいる蘭世の姿は、あまりにも淫らだ。
自身の指で自身をえぐっているその姿。出し入れするさま。
俊は思わず空いた手で自分の分身を握り締める。
(あ・・・ああ・・・・)
携帯から蘭世の喘ぎ声が聞こえる。
俊はさらに蘭世を煽る。
「・・・・横向きになって、携帯を耳に押し当てておけよ・・・指は抜くなよ?」
衣擦れの音がかすかにする。
「手が、空いたな?その手で胸を揉んでみろよ・・・」
少しだけ声が上ずるのも、蘭世には聞こえない。
(・・・ふ・・・・ああん・・・・んん・・・・・)
いつも耳にしている声も電話を通すと、違う声に、聞こえる。
蘭世の声がいつも以上に興奮を促す。
俊もまた、自身の分身に力をみなぎらせる。
(・・ん・・・・ふぅ・・あ・・・・)
混乱しながらも快楽に抗えなく、蘭世が徐々に身体を高ぶらせていくのを俊は知っていた・・・。 |