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「や・・」
「ん・・・そうか・・?」
俊の手が浴衣の中をゆっくりと滑っていく。
その感触は蘭世の身体を芯から蕩けさせていく。
いつもとは違う場所で。
いつもとは違う格好で。
いつもとは違う。
その夢見心地。
蘭世は身体を俊に預ける、俊の手が蘭世の身体をなれた手つきで弄っていく・・・。
「ぁぁ・・・・」
・・こんなところで・・・
「誰もみてやいないさ・・・」
いつになく俊も饒舌に、蘭世の耳元で囁く。
「や・・ぁぁんん・・・」
「嘘つけ・・・」
俊の指が蘭世の頂点を捏ねると、ぴくんと身体が反り返る。
まとめた黒髪が俊の肩口に押しつけられる。その香りが俊の鼻腔をくすぐる。
石鹸の香りと・・・蘭世自身から立ち上る芳香。
ふと視線をまわりにめぐらせると、おあつらえ向きの大きな座れそうな岩が目に入った。
俊はその岩に腰掛けると膝の上に蘭世を抱える。
もちろん、その間も蘭世の身体を弄ったまま。
「ね・・・だめ・・・俊・・てば・・・」
俊は蘭世の首筋に顔を寄せながら、今度は浴衣のすそを割る。
「だめっ・・!!」
そんな抗議の声など意に介さず、俊の手が太ももをずり上がっていく。
暮れなずむ、夕景の中、蘭世のあらわになった肌が白く浮かび上がる。
「だれか・・来たら・・・」
「誰も・・こない・・」
俊はそういって、さらに指先を奥へと伸ばしていく。
温泉に温められたのとは別の、熱さを感じる。
「は・・・」
吐息のような、ため息をひとつ。蘭世の唇から漏れる。
その声を聞いて俊は、蘭世の身体から手を離す。
「さ・・てと・・そろそろ夕食だな・・」
緩やかに蘭世の身体を抱き寄せながらそう、囁いた。
「う・・ん・・・」
頬を赤らめたまま、蘭世は俊の腕の中でほっとしたように息をついた。
「歩けるか?」
「だ・・・大丈夫よ。」
少しだけ危なっかしい足取りで遊歩道へと足を下ろす。
ゆっくりと歩き始める蘭世の後ろから俊はついていった。
その、後姿はなんとも俊をそそってならないのだが・・・
・・まぁ、今のところはこのくらいにしておこうか・・・
なんて不埒なことを考えていたのは内緒にしておこう。
部屋に戻るとすぐに夕食の膳が運ばれてきた。
熱いものは熱く、冷たいものは冷たくと、懐石のセオリーどおりの食事。
内容も期待以上のものであった。
二人はほんの少しの日本酒とともに、食事を楽しんだのだ。
「おいしかったぁ〜〜」
「そうだな。」
「おなかいっぱい。もう食べられないね?」
「そういいながら、夜食あそこにおいてもらったの誰だよ?」
「それはそれ!」
「さぁってっと、私お風呂もう一回行ってくるね。このままじゃおなか苦しくて。」
蘭世はそういって準備しようとするが、俊は
「部屋の風呂も準備できているぜ?」
「え?」
目に見えて真っ赤になる蘭世。 |