秋の夜長
「・・そう・・・そうよ・・お願い・・・・これを・・」
「・・もっと?」
俊はあえて蘭世の言葉じりを逆に続けると服のボタンに手をかける。
「ちが・・・っ!!・・・」
あっという間に前ボタンすべてをはずすと胸元をはだけさせ、可憐な純白レースの下着が見える。
「・・やだ・・・だめ・・・」
ふくらみの先端をレース越しに俊の指先がつまむ。
「ああ!!・・・ん・・んん・・」
体を丸めて逃げようにも俊に押さえつけられ体の自由は効かない。
「・・・すげぇ・・・感じてんだな?ここもこんなに硬くなってる・・・。」
微妙な布越しの愛撫は蘭世の体内の火を燃え上がらせる。
「・・やぁん・・・ああ・・・んん・・・・」
・・・いいぜ・・その顔・・・たまんねぇ・・・・
恥じらいを含んだ快感を受け止めている蘭世の反応は俊をいつも燃え立たせる。
俊は指先を蘭世の唇をすべらせ、口腔内へ吸い込ませる。
「・・くふぅ・・・う・・ん・・・ん・・・」
無意識に蘭世の体は俊の愛撫に応じる、そう、肢体に叩き込まれたその愛情。
それに気をよくした俊はさらに愛撫を加える。
零れ落ちる黒髪の隙間に見えるピンクに染めあがった首筋に唇を這わせ舌先を耳へ向けて舐めあげる。
「・・あうぅ・・ん・・・ん・・・」
くぐもった声が蘭世の唇のはじからもれる。
耳たぶを甘噛みすると、蘭世の体がぴくんと震える。
「どうして欲しい?」
もう一度聞いた。強情な蘭世は真っ赤になりながらも答えるようとしない。
・・・・まあ、言っても言わなくてもやることは決めてんだが・・・・
俊はポケットからスイッチを取り出すと、蘭世から少し遠く、届かない距離のところへおいた。瞬間蘭世は必死で起き上がろうとしたが、そこで俊は蘭世の両手を押さえる。
「だめだ、わかっているだろう?」
やわらかい笑いを含んだ視線で蘭世を見下ろすと、そのまま甘く口付けを降り注ぐ。
蘭世の抗議の声を飲み込むかのごとく。
深く差し込まれた舌が蘭世のそれを絡めとる。強く弱く蘭世の抵抗を奪い去っていく。
ずっと中心部に埋め込まれたあれは動きつづけている。
その甘やかな疼きは少しづつ確実に蘭世の理性を奪っていくかのよう、
俊が両手を解放してももはや蘭世にはもう一度起き上がることなど出来なかった。
・・・このまま・・・もう・・・どうなっても・・・・いや・・だめ・・・こんなに・・
なったら・・・・わたし・・・・わたし・・・
明かりのついた部屋で続けられる濃密な愛の時間。蘭世はとうとう観念した。
「・・・お・・ねがい・・・・」
小さく消えそうな声でそれでも蘭世は俊に訴える。
「・・・ここじゃ・・・・いや・・・・・」
「どこならいい?」
手を休めることなく俊は尋ねる。
「・・連れて行って・・・・」
「どこへ?」
あくまでも蘭世の口から言わせたいらしい。
「・・寝・・・・室・・・・」
そこまでつぶやくと蘭世は俊の首に腕を回した。顔を見られたくないのだ。
俊はくすりと笑うと片手でスイッチをオフにしポケットにしまいこむと蘭世を抱き上げた。
蘭世の体はすでにもう自分の力では動けないほどであった。

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