Take Out Sex 2
その日、出勤した私を待っていたのはたとえ様もない焦燥感と身体の疼き。
彼が私を知っているのかも知れないということ。
中途半端に燃え上がらされた女の身体のつらさ。
私は我慢がならず、結局午後は早退させてもらったのだ。
自分の部屋に戻り、疲労感の残る身体をベッドに横たえ、うとうととした。
夢を見た。
夢の中での私は相変わらず一糸まとわぬ素肌で今度は誰かを探していた。
満たされぬ思いを埋める誰かを。
いつまでたっても来ぬその相手を待つ。
でなければ誰でもいいから、この身体の疼きを止めて欲しい・・・・・。

電子音で眼が覚める。
携帯電話だった。昨夜の約束していた相手から
「もしもし・・・・」
(よぉ、どうした?・・・・つらそうな声だな?)
「ううん、ちょっとうたた寝していただけ。なぁに?」
(ああ、昨日無事帰れたか?だいぶ酔っていたからな。心配になって。)
「う・・・うん、大丈夫よ。」
(そっか、ならいいんだ。)
「有難う・・・そうだ、昨日最後に行った店ってどこ?だっけ・・・」
(覚えてないのか・・・?ってこっちもあんまり正確に覚えてないけどね・・・え〜っとな・・・)
「うん・・ああ、あの角の・・うん・・・ありがと・・・ううん、ちょっと忘れ物したみたいだから。」
時計を見ると夜の9時。もういるはずない、いない、きっといない。
私はそう言い聞かせながら身支度をしている。

―ホントウハキタイシテイル―

取っておきの靴を履いて、私は部屋を出た。

昨夜の店は灯りの押さえた、小さなショットバー。入口までついて、ドアに手をかけ躊躇う。
・・なぜ私は来てしまったのか?・・・
・・・でも、いるわけがない、だから・・・
そう、いないことを、からかわれたことを確認したいから、そう自分に大義名分をつけてドアを開ける。
ぎぃっと低くドアが鳴る。
薄暗い店の中は、静かなジャズが流れ、何人かがカウンターに座って飲んでいた。
「いらっしゃいませ。」
私はあたりを見渡す。
「こちらへどうぞ。」
「い・・・いえ・・・失礼・・・します・・」
彼がいないことを確認して、ドアを閉めた。
・・・いない・・・・
よかったのかどうか分からない。でも、いないことである種の安堵感を得たのは事実だ。
そしてあらためて自分の格好を街のショーウィンドウに映して自嘲気味に思う。
・・・馬鹿ね・・・私・・・・
おしゃれをして出かけている自分に。

会いたかったのか、会いたくなかったのか。
分からなかった。
ただ、自分の中に認めたくなくとも残る埋み火がそうさせた。
そう思うことで自分を押さえ込んだ。

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