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・・・・ストン。
私の中で音がする。
普通の会話の中の何気ない言葉。
一つ・・・また一つと。
何が、堕ちていく音。
・・・・・・
必死で自分を立て直しても。
心臓の音が響くのを自分が一番よくわかっている。
彼が立ち上がって、私の頬を優しく撫で。
指先が顎を持ち上げて、瞳を射抜く。
やさしい・・・・
本当にやさしい、声で。
一言だけ。
「・・・・は誰のなんだ?」
決して、その瞳をそらすことなく。
私の言葉をただ、じっと待つ。
答えるまで。
「・・・・いや・・・」
答えたくない、
答えられない。
答えたら、止まらない。
彼の瞳は、優しいまま、強く。
「もう一度、聞くよ?・・・・誰のなぁに?」
逃げを許さない、声。
その声に、私は屈する。
そう、私は、彼に、調教を施されているから。
「・・は・・・さんの・・・・奴隷・・・です・・」
「・・・・・・・・」
正しく答えなくては、許してはもらえない。
ただ、見つめられる。
その、瞳で。
ーきっかけは、何だったのかすら、もう忘れた。
2人だけの螺旋階段、下へ下へと、降りていく。
そう、
堕ちていく・・・・・・。
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