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せめてもの抵抗。
耳元でそう呟いた蘭世の言葉を介さず俊は蘭世の腰を抱き寄せる。
「・・・や・・だぁ・・・ね・・・ねぇ・・・・・・」
俊の手が乳房を鷲掴みにすると思わず蘭世の頤がのけぞる。
「んん!!!」
その開いた首筋の白い肌に唇を当てると、強く吸い上げる。
「や・・ぁぁ・・・」
花びらがー1つ、咲く。
舌先がつぅっと耳元へと嘗め上げると小さく震える蘭世。
「・・は・・ぁ・・・」
耳たぶを甘噛みする。
「・・ん・・んん・・・や・・ぁ・・そこ・・・だめぇ・・・」
拗ねるような、甘えるような声をあげて抵抗をする蘭世の耳を舌でチロチロと嬲るとぴくんと身体を震わせた。
「・・や・・ぁぁ・・・・」
舐るように執拗にそこを責め立てる俊の耳に切なく届く喘ぎ。
「・・・あ・・ぁぁ・・ん・・・ん・・・」
手に感じる乳房の先端は固くしこり、見えないまでもおそらく色づいてもいるだろう。
俊は蘭世のニットを胸元までずりあげると乳房を露出させる。
「・・や・・やだぁ・・ね・・・ね・・おねがい・・・」
体感が変わることで気がついた蘭世の声が細く抗う。
思っていたとおり、そこは固くどうぞと言わんばかりに存在を主張していた。
俊はその先端を口に含み、舌で転がす。
「・・!!あ・・ん・・・んん・・・・」
吸い上げ、唇で挟むとさらに甘い。
大きく抵抗したくても動けば背後のテーブルが蘭世の邪魔をする。
「・・あ・・ぁぁ・・・・」
俊の手がスカートの裾から忍び込む。
「やっ!!!やだ!!!」
そんな声すらも俊の劣情を煽るだけ。
滑らかな太腿をたどるとすぐに小さな布地に行きつく。
布越しにざらついた茂みを感じ、その指先をさらに深遠へと潜り込ませる。
「・・・や・・・・・」
蘭世の声が変わる。
そこは指先でわかるほど湿り気を帯びていた。
「・・・・・やだぁ・・・お願・・い・・」
きつく閉じられた足を俊の手が開くように導く。
「・・や・・ぁ・・・」
耳に深く舌が差し込まれ嘗めまわされ、芯から湧き上がってくる快楽に蘭世の力が緩む。
俊はうまく膝を使って蘭世の片足を自分の足にかけさせると指先を下着越しに滑らせた。
「あ!!・・ぁぁ・・・」
直接ではないもどかしさ。
自身のぬめりと布と俊の指先の感覚。
耳元でぴちゃぴちゃと響く音。
「あああ!・・・」
捕らえそうで捕えられない敏感な芽が左右に振られるたび蘭世の身体が打ち震える。
「・・や・・やぁぁ・・・あ・・あああ!!!」
直接触るまでもなく蘭世は一度目の絶頂に達する。
ぐったりと俊の肩口に倒れこむようにすると荒い息遣いが俊の耳元を駆け上がる。
そんな蘭世を横抱きに抱きあげると俊はリビングのソファへと移動し座り込むと蘭世のショーツをはぎ取った。
「・・ゃ・・・・」
抵抗したくとも絶頂の余韻のままではその力は弱い。
自身もまたジャージの腰を少しずらして昂った雄の印を掴みだす。
「・・入れるぞ・・」
「・・や・・こ・・んな・・・んん・・・・」
唇を奪いながら俊は蘭世の足をあげると左右に開かせその中心にそれを埋め込んだ。
「!!!!んん!!!!」
一気に下から貫かれる熱さに蘭世の胎内は満たされる。
明るいリビング。
半分だけ脱がされたニット。
穿いたままめくりあげられただけのスカート。
俊に至ってはほとんど服を着たまま。
そんないつもと違う状況に蘭世の快楽は翻弄される。
「や・・ぁ・・ぁ!!!・・あ・・」
ソファの揺れと俊の腕が巻かれ揺らされる腰、感じる熱さ。
「ん・・ぁ・・・ぁ!!・・・や・・やだぁ!!あ・・や・・」
薄く開く瞳に映る天井の明り。
「やぁ・・・・・ああ!!・・」
非日常に蘭世の意識は甘く混濁していく。
「しゅ・・ん・・・あ・・・・ああ・・・」
「・・・・っく・・・・」
俊もまたいつもと違う快楽に酔いしれていた。
すべてが見えないその視点に欲望をそそられる。
「・・・ほら・・イけよ・・・」
「や・・・やぁ・・・・ぁ・・あああ!!!」
耳元で低く俊が囁くと蘭世の中の何かがはじけた・・・・
「あ・・・はぁ・・・あ・・ああ・・・」
「・・・もっと・・・だろ・・・」
「・・あ・・・ん・・は・・ぁ・・・も・・っとぉ・・・」
俊の求めに応じるように蘭世が言葉を繰り返す。
唇を重ね、身体を繋ぎ、二人が一つになるように互いがもっと近くに。
もっと・・・
もっと・・・
二度と離れないようにー
いつしか蘭世のニットがリビングに投げ出され、俊のトレーナーも一緒にソファの隅に丸まっている。
「や・・やぁ・・も・・もぉ・・・もぉ・・・」
「・・・俺・・も・・・・だ・・・逝くぞ・・・・」
「・・あ・・・しゅ・・ん・・しゅ・・・」
蘭世がもうすでに幾度目かの絶頂を感じる頃、俊もまた自身を蘭世の胎内に解き放った。
完全に気を失って俊にしな垂れかかっている蘭世の背中をやさしく撫でながら俊もソファにもたれる。
・・・・え〜っと・・・
思考を巡らし俊は力を使って一つの荷物を手元に引き寄せた。
・・・・こういう予定ではなかったんだがなぁ・・・
と少々後悔しきり。
・・・もうちょっとその・・普通に・・・とか・・だよなぁ・・・本当は・・・
とか悶々と考えつつ、どうやって渡そうかと思っているうちについ・・・というわけで。
ソファの上に小さなチョコレート。
「・・・・ん・・・」
落ち着いたのか蘭世がゆるゆると意識を戻してくる。
「動けるか?」
「・・・ん・・・・・も・・ちょ・・と・・・」
「ほら。」
片手で俊は蘭世の目の前にそのチョコレートの箱を見せる。
「え?・・・」
「やる。」
「え????」
蘭世がその小さな箱を開けるとチョコレートは美しい薔薇の花の形をしていた。
「まぁ、あ〜・・」
ぽりぽりと頭をかきながら俊はそっぽを向いて
「男性から女性ってのもアリらしいぜ、最近は。」
「え??・・・・・」
戸惑って、そして輝くばかりの笑顔を蘭世は俊に向けた・・・・
「お客様ぁ!日本では女性から男性ですけど、海外では男性から女性に贈るものなんですよぉ〜」
甲高いそんな声に一瞬引っかかった。
ジムが早く終わって少し時間つぶしに入った紳士物の路面店でそんな声がかかるとは思いもしなかった。
そこには小さいが趣味のよいチョコレートがいくつか並べられ他にも男性が数名買い物をしていた。
「こちらなんか上質のカカオを使用しておりまして・・・」
試食で小さなかけらを押し付けられると思わず手に取りそして一口。
・・・・あいつが好みそうな味だなぁ・・・
と思ったのを見透かされたのか
「薔薇の形を模った限定品なんですよ、きっと彼女さんとか喜ばれると思われますよ。」
「・・じゃひとつ・・」
「ありがとうございました!!!」
うっかり買ってしまったというのは蘭世には内緒である・・・・・・
実は結構蘭世に対してのものについては押しに弱い俊でありました。
終わり
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