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「旨かった、ごちそうさま。」
「よかった!」
蘭世は後片付けを手早く始めると俊がその横に立ちあがった。
「なぁ、これ手伝うから残っている準備してしまえよ。」
「え?・・あ、ケーキ。」
「そうそう、どうやって作ってんだよ。」
「あ、うん。じゃぁ・・・」
食器をシンクに二人で運び込むと俊が手早く洗いはじめる。
「あら、意外と上手ね。」
「おま・・・一人暮らし長かっただろうが、俺は。」
「それもそうね。」
ふふっとほほ笑むと蘭世がケーキの準備を始めた。
スポンジケーキを型から外し、台の上に乗せ、半分に切る。
作っておいたシロップを刷毛で切り口の上下に塗る。
生クリームを乗せ、その上に刻んだいちごを散らした。
薄く生クリームを重ね、スポンジも乗せる。
洗い物を終えた俊が面白そうに眺めている。
元のスポンジの形に戻ったケーキの上から生クリームを表面に均していくと見たことがあるケーキへと近づいていく。
「やっぱりこの季節はいちごなんだよねぇ・・・」
そう言いながら絞り袋に入れたクリームで最後の飾り付け。
バランスよくいちごを配置すると小さめながらかわいいガトーフレーズが出来上がった。
「よし!」
してやったりという表情で蘭世が最後のクリームを絞り出した。
「おいしそう?」
「ああ、甘そうだな。」
「そんなに甘くしてないよ、俊が得意じゃないの知っているし。」
「そうか?」
「カロリーも控え目なんだよ、バターとか少なくしているし。少し冷やして落ち着かせたら・・・お風呂入ってからにしようかなぁ・・」
そういうとケーキフードを被せ冷蔵庫にケーキをしまう。
ドアを閉めて振り返った蘭世の眼前に俊が顔を出した。
「な・・・何?」
「・・・・ん〜〜〜?」
ぺろっと蘭世の鼻の頭を舐める。
「え!!!!」
狼狽して後ずさろうとするも冷蔵庫に阻まれた。
「飛んだんだろ、ついてたぜクリーム、うん、そうだな確かにそんなに甘くねぇな。」
「そ・・そ・・そ・・・そう・・そうでしょ・・・・う・・うん・・・」
困ったように蘭世は答える。
「こうしたら甘くなるか?」
俊はどう動いてよいかわからなくなっている蘭世の唇の前に指で掬い取った生クリームを差し出す。
「え・・え・・??」
「ほら。」
唇に白く乗せると、舌先で嘗めとる。
「・・!!・・」
俊の意外な行動に蘭世は混乱しながら逃げ道を探す。
そうして指先に残ったクリームを少し開いた蘭世の唇の隙間に指ごと差し込んだ。
「旨いぜ。」
そう言ってー
入口近くの指先が歯列をなぞる。
甘さが口に広がっていく。
ひとしきり感触を確かめると俊は反対の腕で蘭世の腰を抱き寄せた。
「・・・や・・」
今度は深く口づける。
キスとクリーム。
どちらの甘さかわからないけど蘭世の脳を蕩けさせる。
俊の手が蘭世のワンピースの前ボタンを開いていくのも気がつかないほど。
すとんと軽い音がしてキッチンの床に布が広がった。
「・・・きゃっ・・・・やぁ・・・」
ランジェリーだけの姿でキッチンにいる様は何とも淫靡な風情。
隠そうと動きたくても巧みにその動きを封じ込める俊の手に阻まれる。
ブラのホックも外され乳房が零れる。
「だめ・・・やめて・・・・」
声だけの抵抗。
俊はシンクにもたれかかり蘭世の両足の間に自身の膝を割りいれ、座らせる。
「・・・や・・・だ・・・」
繰り返されるキスに、触れられるその手に蘭世は抵抗のすべはあまり持たなかった。
俊の手がシンクの上のボールに当たる。
その残り少ない中身を指先で掬うと蘭世の乳房にそっと塗りつけた。
「やぁぁ!!」
少し冷たいぬるりとした感触。
熱くなり始めた体温で上がる甘いクリームの香り。
俊は流れ出す前にと塗りつけたそれをちろちろと舐めとっていく。
「や・・やぁ・・ぁ・・・」
綺麗になるとはまた別の部分と蘭世の乳房はあちこちに甘い香りだけが残っていく。
「は・・ぁ・・ぁ・・」
頂点を覆い隠すように乗せるとちゅるりと吸い上げるように味わっていく。
「ああ!!や・・ぁ・・・」
ビクンと身体を震わせながら蘭世は俊の肩に指先を食い込ませる。
一歩間違うと崩れ落ちてしまいそうなほど身体が快楽に蕩けてきていた。
「や・・ぁぁ・・・しゅ・・だめぇ・・・ね・・・ね・・・」
いつも、てきぱきと動いているキッチンで。
今はショーツだけの姿で俊の膝の上で小さく声を上げている。
「・・ぁ・・・」
「甘いな・・・さすがに・・・」
俊はそれでも最後に残ったクリームをこそげとると蘭世の唇に乗せ二人で味わった。
「・・ん・・・んん・・・」
あたりに立ちこめる甘さに酔いながら俊は蘭世のショーツの上から秘部を確かめる。
そこはすでに湿り気を帯び、外からでもわかるほど。
膝から蘭世を下ろすとシンクに手をかけさせる。
「・・あ・・・・」
考える間もなく後ろに回り込んだ俊にショーツを膝まで引き下ろされ、その濡れそぼった中心部に熱い塊が押し付けられる。
「いやぁ!・・・・」
抵抗の言葉とほぼ同時に奥まで埋め込まれた。
「ああ!!!!」
蜜に溢れたそこは難なく受け入れ、それどころか俊の雄に絡みつくように蠢く。
くちゅくちゅと俊が腰を動かすたびに水音がいつもより響くように。
打ちつけられるそれの動きに合わせて蘭世の身体がシンクに当たる。
縁に当たり変形する乳房を俊の手が背後から包みこみ、やさしくそして激しく揉みしだく。
「・・あ!・・は・・・ぁぁ・・・ん!・・・!!!・・」
包まれる感触が更なる快楽を作り出す。
「や・・ぁぁ・・ん・・・・は・・っ・・・ぁ・・」
奥を突かれるたび仰け反り頤を天井へと向け細く高い喘ぎが上がる。
俊はしばらくそうした後腰を今度は廻し始める。
「・・やぁぁ・・ぁ・・ぁ・・・や・・ん・・やだ・・・な・・に・・・あ・・・」
いつもと違うくねる動きに蘭世の身体が鋭敏に反応する。
「・・・も・・っと・・だ・・」
「や・・ぁぁ!・・変・・・おか・・・しく・・なっちゃ・・・う・・」
「・・・なれば・・いい・・・」
もっと欲しがるお前が見たい。
俺以外何もわからなくなればいい。
ほかはいらない。
俺だけを求めて欲しい。
俺だけの、ものでー
「や・・・ぁ・・ぁ・・ぁぁっ!!しゅ・・・ん・・・」
追い詰められたような声を上げながら蘭世は腰をくねらせ俊のそれを刺激する。
意識しないまま。
俊は蘭世の腰を支えながら白くつややかに光る背中にいくつも口付けを降らす。
薄く花びらのような痕が残る。
まるで空を舞う桜のように。
「ぁ!!・・・・は・・っ・・・あん・・・んん・・」
切なく甘やかな声。
今までに聞いたことが無いほどの快楽を湛えたその声に俊はキタ。
一度分身を蘭世から抜き去ると床に広がった服の上に座り蘭世を自分の上に乗せて下から貫く。
「ああ!!!!!」
突き上げられる雄が蘭世の乳房を揺らす。
甘く香るその頂点を軽く噛むと全身を震わせて嬌声を上げる。
「ん!!!・・・あ・・ん・・しゅ・・ん・・・しゅ・・ん・・」
浮かされたように名前を呼ぶ蘭世の首を引き寄せ噛み付くようにその唇を貪る。
舌を絡ませ唾液を交換し互いの存在を確かめ合う。
その間も腰を揺らし快楽を与え合う。
呼吸をする間も惜しむほどひと時も離れたくない。
すべてで繋がっていたい。
出来ることなら溶け合って一つになりたいー
「ぁ!!・・・ああああ!!!!や・・ぁ・・ぁぁぁ!!」
「・・・・くっ・・・・・」
一瞬高い声を上げると蘭世がぐったりと俊にもたれかかる。
そんな蘭世を支えながら俊は更に腰を揺らした。
「・・・・は・・ぁ・・・」
ゆるゆると意識が戻りながらも秘部の律動が蘭世の意識をまたも白く塗りかえていく。
・・・一つ・・・なの・・・・
朦朧とした意識の中で蘭世はそれだけを思っていた。
・・・しゅ・・ん・・・と・・・私・・・
互いがいなければ生きていけない。
「あ!!・・ぁぁ・・・ん・・は・・・ぁ・・・っ・・・あ・・」
・・・おし・・えて・・・・
・・どう・・して・・・
「もっとだ・・・もっと・・・」
・・・・そう・・・も・・っと・・・
「ぁぁ!!!しゅ・・ん・・・は・・あ・・・」
・・・ひとつ・・・に・・・
俊のそれに蘭世の胎内が甘く熱く絡みつき強い快感を走らせる。
・・・・・なり・・・たい・・・・
「・・・俺・・・も・・だ・・・」
「あああ!!!!!」
蘭世が俊に抱きついて強い絶頂を迎えると同時に俊もまた蘭世の蜜壷奥深くへ自身の欲望の樹液を放った・・・・・
俊は冷蔵庫を背もたれに蘭世を抱きかかえたままゆっくりとその背中を撫でる。
心地よい感触に蘭世も少しずつ意識を戻してくる。
「・・・ん・・・・」
「大丈夫か・・・?」
「・・・・・ん・・・・・」
と身動きして一瞬で身体が止まり、顔を真っ赤にする。
「・・・?・・・ああ。」
俊がこともなげに身体をずらすとつぅっと蘭世の太ももを筋が落ちた。
「!!・・・・もうっ!!!」
どういう顔をして良いか判らないといった風情で蘭世は俊を軽く睨んだ。
唇の端で笑うと
「風呂入って、そのあとケーキでも貰うかな?」
そう言ってまだ動けない蘭世と二人バスルームへとテレポートした・・・・・・
入浴後、紅茶とケーキを並べたリビングのテーブルで蘭世が真っ赤になったのは言うまでも無い。
なぜって・・・・
「コレよりもさっきのほうが甘かったな。」
などとふざけたセリフを吐いた人がいたからだー
しばらく蘭世がお菓子つくりをやめたのは、言うまでも無いことでありました。
おあとがよろしいようで。 |