「ハロウィンが終わったと思ったらすぐにクリスマスなのねぇ・・」
近くの商店街に買い物に来ていた蘭世は思わずそう呟いた。
かぼちゃ模様があっという間に赤と緑に早変わり。
「そうしてすぐにお正月なのよね。」
そう小さく続けるといつものスーパーへと足を向けた。
「さて・・っと」
荷物を抱えて帰宅した蘭世は夕食の準備に取り掛かった。
「え〜っと・・・・」
必要な分以外を冷蔵庫に片付けると手際よく料理を進めて行く。
流れるような動きでてきぱきと、そしてゆっくりとよい香りが家中に広がっていく。
がちゃんと鍵が開く音がして俊がリビングへと入ってきた。
「ただいま。・・・・いいにおいだな。」
「お帰りなさい!!!今日はおなべなの、ちょっと寒かったでしょ?」
「ああ、いいな。じゃ先に風呂入ってくるよ。」
「うん、ちょうどいいくらいじゃないかな、あ、洗濯物だしておいてね。」
「わかった。」
何気ない日常。
二人でいる幸せ。
やっと二人で手に入れたそれは穏やかに過ぎていく・・・
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