「じゃ、そういうことで…まずはくすぐりから」 
千佳は両手を麻美の細い腰に回したまま右手を左脇腹、左手を右脇腹に、それぞれ指先を食い込ませた。 
「あふっっ!」 
麻美は甲高い声をあげ、ビクン!と大袈裟とも思える程に反応した。 
「あれー?麻美…もしかして、くすぐられるの苦手なのかなぁ?」 
由美は体育座りの麻美に更に近づき、裸足の足の裏を軽くひっかく。 
「んぁっ!だ…だって麻美、いつもくすぐる方だったから…」 
「そっか。じゃあ、たまにはやられてみるのもいいんじゃない?」 
千佳の手が脇腹から離れ、お腹や背中までを舐めるように撫でまわす。 
由美は左手で麻美の右足を掴み、右手の中指を足首から膝まで走らせた。 
麻美の体にぞわっと、産毛が逆立つような感覚が広がる。 
「…っく……きゃはっ!やだっ…ぁ……はぁっ!」 
「くすぐったい?でも、私がやられたのはこんなもんじゃないよ…」 
由美は麻美の足の裏を、爪を立ててカリカリとひっかいた。 
「くぁっ!きゃはぁ!!」 
「千佳もちゃんとやってる?」 
「やってるよー」 
千佳は麻美が由美にやっていたのを真似るように、 
「麻美ちゃんの弱い所はどこかな〜」と、体の隅々までを探る。 
「あはっ…はははは!っは……んぅっ……きゃはははっ!」 
二人がかりでくすぐられ、麻美は既に笑いが止まらなくなっていた。 
腰を動かすこともままならず、せめて弱点を晒すまいと必死に身をよじる。 
「ん…麻美ちゃん、もしかして腋の下弱い?」 
「えっ…!?」 
麻美は笑い声をあげつつも、腋だけはしっかりと閉じていたのだ。 
何とかごまかそうとしたが、麻美の表情には動揺がはっきり出てしまっていた。 
「やっぱり。ほらほら、腕上げてー」 
千佳は指をねじこもうとするが、麻美は全力でそれを阻止する。 


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