その日、俺はえらいモンを見つけてしもうた。

「何で、こないな所に子供がおるねん。」

俺は、その日試合があって、気晴らしにその辺を散歩しようと思って、
スタジアムの近くの林の中を歩いていたら、こいつがいた。

「そっちこそ子供でしょ〜?」
大きめの半そでの上着に、半ズボン。
そして、土で汚れた肌は随分と傷、打撲の後、火傷の跡があった。

「それはそうやけど・・・。お前よりかは大人や!!」

「そうだけど、子供は子供、大人は大人。

ていうか、ここ何処?いきなり、が俺を置いてくしさ。で、どこ?」

そいつの眼は、酷く真っ直ぐで、俺の心の仲までも、見ているようだった。

「えっと、大阪ドームの近くやな。ついでに言うと、
もうすぐで俺らの試合が始まるねんけど。どないする?」

「どないする?て言われても、俺は、ここら辺の人じゃないし。
とか迎えに来ねーし、多分捨てられたな。」

酷く、あっさりと、当たり前のように言った。

何で、こうもこの子供は子供らしくないんだろうか?
俺は不思議に思った。

「とりあえず、兄ちゃん、俺疲れた。おんぶして。」

「はぁ〜?」

そして、コレが我が子との出会いである。



ツインズ



春が来た・・・。日本の四季の一つの春だ。

「・・・。こんの、二日酔い親父がっ・・・。」

小さなアパートの、小さな部屋の主、稲本は居間を独占して、
布団で寝ている義理父の稲本潤一に言った。

「うぅ〜ん・・・。つい、飲んでしもうた・・・。」

「飲めんくせにして、飲むからや。ド阿呆。」

は文句を言いながらも、コップに水を汲んで渡した。

「流石、俺の息子や。」

潤一はそう言って、一気に飲み干して布団の中に潜った。

は、潤一からコップを受け取って、

「練習が今日やったらどないしっとたん?阿呆親父?」

と言った。

「阿呆は余計や。馬鹿息子。」

「馬鹿も余計や。」

「新しい学校は明日から行くん?」

「うん。そやな、明日、前の学校の制服着て行く。」

は、潤一が飲み干したコップを台所で洗った。

静かな、部屋の中、水の音だけがした。

小さな部屋は一応それなりの部屋で家賃は一ヶ月3万5千円とお買い得。

引っ越して来たばかりか、段ボール箱があちこちに散らばっていた。
封を空けてある物もあれば、空けてない物もあった。

「そっかぁ。ほんで、お前の片割れは見つかりそうなんか?」

「分からん。でも、将は絶対に見つけたる。
何たって、俺の大事な双子のお兄ちゃんなんやからな。」

静かな部屋の中、聞こえるのは、
が今朝の朝食の食器を洗っている音だけだ。

ただ、ただ、水の音だけが二人を包んだ―――。










後書き。

ふっ。短っ!!!!!!!!!!

もう、驚きよ!!!!!!!

緋色さんもびっくり!!!

さたさて、さんは稲本さんと親子で、しかも、風祭さんと兄弟ですか・・・。

何て羨ましい(爆)!!!!!!!!!!!!!!!!

ていうか、両手に花!?(違)

ちなみに、私が笛!で一番好きなキャラは功刀一さんです。

可愛くて可愛くて可愛すぎ!!(意味不明)

笛!最高!!

緋色隼樹でした。


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