保健室勝負〜忍足編〜



 爽やかな光に照らされて私は目を覚ました。むくりと起き上がる。
今の私はキャミソールにタイトスカートと言う出で立ちだ。傍にたたんで置いたブラウスを着、その上から白衣を羽織る。
私は童顔なため老けて見える伊達眼鏡をしている。
なので、眼鏡も付ける。髪もアップにまとめる。そう、私の職業は養護教諭。
 つまり氷帝学園の保健室の先生だ。休養用のベッドから降りて個室のドアを開ける。
この学校は一つ一つのベッドが個室になっているから嬉しい。いつでも仕事をサボれるからだ。
個室を出て空気清浄機と換気扇のスイッチを入れる。作動したのを確かめてからタバコを銜え火を点ける。
一服し、コーヒーを淹れることにする。コーヒーが入ったところで勝手にベッドで寝ている侵入者を叩き起こす。
「芥川!起きろ!勝手に寝るなって散々言ったでしょうが!」
 侵入者、芥川慈郎は眠たそうに目をこすってのそりと言った感じで起き上がる。
「先生だってサボってんじゃん。何で俺はダメなの?」
「私は大人だから良いんだよ。今ならコーヒーがあるけど、飲む?」
 少し考えた様子で芥川はのそのそと脱いでいたブレザーを羽織る。これならもう放っといても起きてくるだろう。
 コーヒーカップを二つ用意してコーヒーを淹れる。コーヒーのいい匂いが部屋の中に広がる。コーヒーを注ぎ終わった時に
丁度芥川が個室から出てきた。
「はい。砂糖とミルクは?」
「いる。」
 芥川に砂糖とミルクを渡す。自分も適当に両方入れる。
冷ましながら半分ほど飲んだところで保健室のドアがコンコンとノックされた。中から返事をする。
ドアを開けたのはテニス部の樺地だった。
「あ、芥川?」
「ウス。」
 私はこの子がウス以外の単語を喋ってるのを見た事が無い。
何気に他の単語も喋るらしいが未だに見ていない。最近は樺地が何を言いたいかだいぶ分かるようになった。
「芥川、お迎え。さっさと行って来い。」
 芥川はコーヒーを飲み終わっていたらしくカップを置いた。
「ごっそさん。」
 それだけ言うと二人は保健室を出て行った。部屋を静寂が支配する。もう一度寝ようかなんて考えていたらまたしてもノックの音が
聞こえた。
「先生!長太郎が怪我したんだけどよ、見てくれねえか。」
 テニス部の宍戸だった。今日はテニス部サービスデイかなんかだろうか。
鳳が怪我をしたらしい。とりあえず救急箱を取り出して中身を確認する。消毒液を足した。
「じゃあ、行こうか。鳳が怪我したのは何処?」
「今は部室にいる。」
 救急箱を持って保健室を出る。宍戸は小走りになっている。って言うか、小走りの宍戸に置いていかれた。とりあえず目的地は
一緒なのでのんびり歩く事にする。



 部室に鳳はいた。まあ、宍戸がいると言ったから当たり前なのだが。
イスに座ってどうしたら良いか分からないと言った感じだった。
きっと怪我をし慣れてないのだろう。
「鳳、怪我したの何処?」
 ごく当たり前な問いかけをする。鳳は申し訳無さそうに答える。
「わざわざすいません、先生。膝なんですけど…。」
 表面上は礼儀正しいからこの子は好きだ。跡部なんかより全然かわいい。膝を怪我したと言うので膝を見る。
「あらら…。痛そうだね、これは。今手当てするから。痛かったら言って。」
 おもむろに鳳の前に跪く。鳳は一瞬緊張した様子だったがそんな事に構っていられない。
「おー、鳳ええ眺めやな。」
 後ろを振り向くと忍足がニヤニヤしながら立っていた。不思議だ。
どうして何の気配もさせずに後ろに居られるんだろう。
「羨ましいなら忍足も怪我したら?」
 適当に返事をして鳳の手当てにかかる。まず消毒液に浸したコットンで傷口を拭く。これで傷口が見やすくなった。
次は塗り薬を塗る。が、染みるかもしれないので鳳に前置きをする。
「鳳、染みるかもだけど、これはどうしようも無いから我慢して。」
「あ、はい。」
 チューブからクスリを少量出して傷口に塗る。鳳が少しだけ眉を顰める。クスリがなじんだ所でガーゼを当て、その上から包帯を巻く。
「明日には包帯とガーゼは外して。んで、なるべく傷口を乾燥させるようにしといて。はい、治療終わり。」
 すっくと立ち上がる。後片付けもする。
「忍足、榊先生か跡部呼んできて。」
「アーン?」
 いた。しかし、テニス部は忍者の集団か何かだろうか。何故気配も無く人の背後に立つのだろう。今度榊先生に聞いてみようか。
「鳳、もう家に帰して。もしくは見学。今日はドクターストップね。部活には痛みが引いたら出て良いから。無理はしないように。」
「ああ。鳳、どうすんだよ?」
 鳳は少し考えて答えを出した。
「じゃあ、帰ります。お疲れ様でした。先生も有り難うございました。」
 挨拶だけして鳳は帰っていった。本当に可愛いやつだ。
「じゃあ、私も保健室に帰るから。」
 すたすたと保健室に向けて歩き出す。しかし私は気付いていなかった。忍足の企みを…。



 次の日。またしても個室でサボってタバコを吸っていたらノックの音がした。返事をする前にタバコを揉み消す。消えたのを
確認したらはーい、と返事をした。ドアが開く。体操服姿の忍足が立っていた。
「先生、膝怪我したんやけど。」
「鳳を羨ましいとか言うからじゃない?」
 皮肉を言いながら中に通す。忍足はソファーに座った。昨日の様に跪いて手当てをする。胸に視線を感じたような気がした。
 視線どころの話じゃ無かった。ちょっと気を抜いた瞬間に忍足の手が上から私の胸元に潜り込んで来た。不幸にも今日は
胸が開いた服を着ていたのだ。手は調子に乗って胸の頂をこねくり回す。触られた部分が反応するのが分かる。
「何で抵抗しないん?俺がガキやからか?」
「別に。動じるような事じゃないから。それに大声出されて困るのは忍足じゃない?」
 本音を語る。生徒とセックスをするのは嫌じゃなかった。ばれなければの話だが。
「ガキやからって嘗めすぎやろ。その余裕崩したる。」
 別にガキ扱いをした気は無いのだが。手当ても終わってたから別に良いか、何て考えていた。忍足は私が嫌がらないのを
確認してから私の体を持ち上げた。お姫様抱っこと言うやつだ。そのまま私のサボリ専用の個室に入る。ベッドの上に降ろされた。
 眼鏡を外され髪をほどかれる。
「先生、ガキっぽい顔やなあ…。」
 感心したように忍足が喋る。仮にもこれからヤると言うのにムードの無い会話をしてて良いのだろうか。私くらいの歳になると
ムードなんてどうでも良くなるものだが。ちなみに私は今年で25歳だ。会話をするのがメンドクサイので自分から顔を寄せて
キスをした。そのまま忍足の口をこじ開けて舌を滑り込ませる。次第に忍足が主導権を握りだした。忍足が私の服を脱がせに
かかる。と言っても学校なのでせいぜいはだける程度だが。
「んっ…。」
 忍足の手が胸を捉える。しばらく胸を触り続けて忍足が口を開く。
「俺としてはもっと先生を楽しみたいんやけど、時間が無いから入れるわ。」
 人の返事を聞かずにコンドームをつけ始めた。忍足からコンドームをひったくると唇と舌を使って器用に付けてあげた。
「うん、来て。あ、あとヤってる最中は先生って呼ばないで。」
 忍足がニヤリと笑うと下着とスカートとストッキングを捲り上げて私の中に入ってきた。私は気持ちよくて忍足を柔らかく
締め付ける。
「うわ、キッツ…。動くで、さん。」
 そのまま正常位で忍足が動き出す。
「あっあっあ!気持ち良いよ忍足ぃ。」
さんは可愛いなあ。25とは思えへんわ。」
 ニコニコしながらも動きは止めない。見ていろ、大人の底力を見せてやる。
「なんてね。」
 ニヤッと笑って上下を交代する。完全に私が忍足を見下ろす形になった。いい眺めだ。
「え…。いきなり何やねん?」
「大人しくしててね。」
 そのまま激しく上下と前後左右に動き出す。もちろん抜けないように気を使いながら。動くたびにベッドがギシギシ鳴るのが
卑猥で面白い。あっという間に忍足は限界へ来た様だった。
さん、出るっ…!」
 直後に忍足がぐったりとなった。どうやらイッたらしい。忍足のものを抜いて服の乱れを正す。
「大人の本気を侮っちゃダメだよ。お茶淹れてあげるから適当に起きといで。」
 クスリと笑って私は個室を後にした。



保健室勝負結果
勝者  (養護教諭)
決まり手  騎上位
備考
 中学生ながらもテクニックとスタミナはなかなかの物。今後に期待。


おまけ
「あ、忍足怪我は平気なの?」
「そんなもん先生に会いに来るための口実に決まってるやん。昨日の鳳見て思いついたんやけどな。」


後書き。
 半端。こんな物で浸れるかなあ…?シリーズなので、当然ほかのキャラも出します。目指せ氷帝コンプリート!

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