adult toy
私は今、大人の玩具屋の前にいる。
「初めて大人の玩具屋に来た感想はどうですか?」
この男は私の彼氏で観月はじめと言う。はじめは聖ルドルフの
テニス部でマネージャー兼選手をやっている。私達は同じ学校の違う
クラスで、ある日いきなりはじめに告白されたのだ。そして私はOKを出して
付き合うことになった。最初は何となくだったけど気付いたらはじめに夢中に
なっていた。今日は大人の玩具屋でデートだ。
正直、どんなデートやねんと思わなくも無いが、はじめと一緒なら何処でも楽しい。
「エロイね。当たり前だけど。」
わりかし広い店内にざっと見ただけでもいろいろな物がある。
「んふっ。では、しばらくは別行動にしませんか?」
「は?え、私一人?」
うら若き乙女を大人の玩具屋に放置するなんてどうかしている。
「ええ。少しだけ一人で吟味したいので。」
余り良い予感はしないがまあ一人で廻るのも良いかもしれない。
「分かった。じゃあ、適当に迎えに来て。もしくは迎えに行くね。」
そう言って私達は別れた。
さて、最初にコスチューム類を見る。チャイナドレス、メイド服、レースクイーン、
ボンテージレザー、ナース、バニーガール、アンミラ、セーラー服。まあざっとこんなもんだ。
チャイナドレスはロングとミニ、両サイドカットと片方のみ、前で止めるタイプか
斜めに流すタイプか。チャイナドレスだけでもたくさんある。色も豊富だ。他の衣装の違いも
細かく見てみたいところだが、それだけで日が暮れてしまいそうなので辞めた。
移動してAVやDVDのコーナーに移る。これも膨大な量がある。痴漢、女子高生、OL、
SM、コスプレ、熟女、ロリータ、巨乳、微乳といった感じだ。しかしなぜ男の人は嫌がる
女の子を無理矢理と言うシチュエーションに燃えるのであろうか。後ではじめに聞いてみよう。
男優はやはりチョコボール○井か加○鷹が人気らしい。私はどちらかと言えば
加○鷹かなー何て思いつつ移動した。
次は男の人の玩具のコーナーだ。いわゆるダッチワイフなどが置いてある。
ナマコのような物がたくさんあるが、興味が無いのでココはパス。
こっちはSMのコーナーらしい。鞭一つ取ってもたくさんある。先がバラバラに
分かれているやつ、先っぽが平たいやつ、ノーマル(?)な一本のやつ。
他にもある。首輪に手錠、おそらく緊縛用の縄。ギャグボールと言う物も
見つけた。口に突っ込む物らしい。見るだけで怖いような物もいくつかあった。
いよいよと言うか、何と言うか…。バイブ類のコーナーに来た。
防水加工でお風呂の中でも使えるやつ、リモコン式のやつ、ローターと呼ばれるもの。
これは一回だけはじめに使われた事があるから間違いない。泣いて嫌がったので
それ以来は使わないが、まだおそらく持っているはずだ。アレはどうしたんだろう。
「。」
いきなり名前を呼ばれて驚いた。
「なっ、何、はじめ?」
ドギマギしながら答えたのできっと声が上ずっていただろう。
「行きましょうか。」
「あ、うん。何も買わないの?」
するとはじめがんふっと笑った。
「買いましたよ。プレゼントもあります。はい、あげます。」
嫌な予感がした。とてつもなく嫌な予感が…。
「い、いやーっ!何よコレ!!」
はじめのくれた包みは透明の箱にピンクのリボンが掛けられていて、
箱は透明だから当然中身が透けていて…。
それは巨大な大根ほどもある薄ピンクのバイブレーターだった。
「さて、ここで質問です。今日これからこのバイブを使ってSEXするのと、
こないだ使ったローターを使ってするの、どっちがいいですか?」
どっちも嫌に決まっている。
「拒否権は?」
「無いです。ちなみに、拘束具も買いましたから、抵抗は無駄です。」
かなり勝手だ。でも私ははじめに従うだろう。
だって私ははじめの恋の奴隷だから…。