secretary



机の上の電話がいきなり鳴る。そのコール音に反応して私は仕事の手を休め電話に出る。
電話の主と二言三言会話をして「少々お待ち下さい」と言ってから内線電話を取る。内線電話は少し鳴ってから相手が出た。
「アーン?何だよ?」
「社長、忍足様からお電話です。」
 用件のみを告げると電話を外線にする。何か言いたそうに社長は電話に出た。
この隙にお昼を食べに出ることにする。机の上に『食事に行ってきます』と書置きを残す。財布と携帯電話を持って部屋を後にした。



 外は暑い。普段秘書室はエアコンが完備なので余計に辛く感じる。今日は何を食べようかと思った所で携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると社長だった。このタイミングで電話が鳴ると言う事は、私のお昼は当分お預けだろう。とにかく電話に出る。
「はい、です。社長、どうか致しましたか?」
「今日の飯は高級料亭の弁当を出前させるから帰って来い。お前の分も取ってあるからさっさとしろ。忍足が来るかも知れねえけど、気にすんな。」
気にするな、何て無理だろうと思いながらハイ、と返事をする。帰りがけにデパートの有名らしい洋菓子屋のクッキーを買って帰る。
もちろん、忍足様に出すためだ。社長の跡部景吾とその元同級生の忍足侑士は28の私の2つ年下だ。が、社長は私の仕事の雇い主で、忍足様はそのお友達だ。
なので様を付けて呼ぶのも必然となる。社長は若くて顔も綺麗なので社長の専属秘書になった時は相当いじめられた。
しかしいじめに関わった者は全員リストラにあった。私はそんなに価値のある社員なのだろうか。この事を考えるとキリが無い。
会社に辿り着く。エレベーターで最上階に上がり、秘書室の奥にある社長室の扉をノックした。
「失礼します。です。只今戻りました。」
「入れ。」
 かちゃりとドアを開く。中には案の定、忍足様が来ていた。
「おかえり。ちゃんは今日も綺麗やな。」
「お久しぶりです、忍足様。相変わらず忍足様は口がお上手ですね。」
 ニッコリと笑ってお世辞を流す。何故か社長が不機嫌な顔になる。
「遅い。帰って来いと言ったらさっさと帰って来りゃいいんだよ。俺様よりも先に忍足なんかに挨拶しやがって。」
「申し訳ありません。只今お茶の用意を致しますので、先にお食事をなさっていて下さい。」
 非礼を詫びて給湯室に向かう。この階には社長室と社長専属の秘書室と給湯室とトイレ位しかない。
秘書課と言う部屋もあるにはあるが、私には関係の無い部屋となっていた。専属秘書は朝一番にこの階の秘書室に入って社長にモーニングコールを入れる。
そこからはずっとこの部屋で仕事をしているからだ。社長と忍足様の好みのお茶を入れ、クッキーをお皿に盛って部屋に戻る。何故か二人ともご飯を食べずにいた。待ってくれていたらしい。
「お待たせ致しました。お茶請けも宜しかったら召し上がってください。」
「おおきに。ほな、頂きます。」
「ありがとよ。」
 二人が食事を始めたのを見届けてから自分も食事を始める。どれもこれも美味しいものばかりだ。
あっという間に食べ終わる。そのあと少し社長と話してから忍足様は帰っていった。午後の仕事に取り掛かる。内線電話が鳴る。取ると社長からで、社長室に来いとの事だった。
「失礼します。」
 ドアを開ける。社長がいつも通りにイスに座っている。
「ペンを机の下に落としたから取れ。」
 随分と下らない事で呼ばれたな、何て考えながら社長の机に近づき、机の下に屈み込む。
ペン、と言うより万年筆はあっさりと見つかった。それを拾って出ようと思ったが、いつの間にやら社長がイスに座ったままで出口を塞いでいる。一体何の冗談だろうか。
「社長、この状態は一体何ですか?」
「そのまま俺様のモノを舐めろ。」
 一瞬思考が止まった。舐める?社長のモノを?何故こんな事になっているのか理解できない。確かに私は社長の秘書だが、性欲処理をする義務は無い。
「お断りします。仕事内容にそのような行為は含まれていませんから。」
「だったらずっとこのままだ。俺様を満足させるまでココから出られないと思えよ?」
 何だその理不尽な言動は。いずれにしても私はどうするべきだろう?大人しく従うか、社長と我慢くらべをするか…。答えは一つだ。私はいつまでも窮屈な机の下にいる気はない。



 ズボンのチャックを下げ、下着の隙間から社長のモノを取り出す。
「観念したか?まあ、頭の良いお前の事だからこうするだろうとは思ったけどな。」
 そのまま爪の先で裏側をツウッと撫でる。柔らかかったモノが次第に体積を増してくる。これ以上は無理なくらいに大きくなったところで口に含む。
まずは先っぽと裏側を集中的に攻める事にする。すると社長がどこかに電話を掛け始めた。
「俺だ。仕事を頼みたいから一人こっちによこせ。を使いに出しちまったから、手が足りねえんだよ。」
 誰か来る?!何がしたいのかこの男は。
「ククッ。これから一人来るけど、手抜いたら俺様が満足しても30分は追加するからな。」
 少しして一人の人が入ってくる。何か仕事の事を喋っているらしいが、それどころでは無い。
舌で全体的に舐め回したり袋の方まで遠征して口に含んだりする。そんな事をしているうちに訪問者は居なくなったらしい。
これで気を使わずに済む。さっさとイって欲しいので社長を追い立てる。時々妙な味を感じるまでになった。あと一息だ。これが終わったら絶対に辞めてやる。
決心を固めながら激しく口を上下させる。社長のソレがビクビクと動くのが分かる。
「チッ。おい、口に出すから飲め。」
 どうせ断ったら時間が追加されるだけなので素直に頷く。間も無くして社長の熱い飛沫が私の口の中を侵す。一気に飲み干す。何となく甘い感じがするが、飲みやすい物では無い。
「…っ!ゲホッ…!」
 吐き出したくなる衝動に駆られる。最後に元気が無くなったソレをきつく吸い上げる。
社長がモノをしまいながらイスごと後ろに退く。机の下から這い出て立ち上がり、涙目になりながら社長を睨みつける。
「短い間でしたがお世話になりました。本日限りで辞めさせていただきます。」
 踵を返して帰ろうとした。何かが私の手首を掴んだ。社長の手がしっかりと私の手首を掴んでいる。そのまま座っている社長の膝の上に座らされる。
「このまま帰れると思ってんのかよ、アーン?」
「帰ります。手を離して下さい。」
 社長は無言で私の体を持ち上げ、机の上に乗せる。もちろん手は抑えつけたままで。足だけがブラリと宙に浮く。手首に力を入れてもびくともしない。
片手は私を抑えたまま足を開かせてストッキングを一気に破られる。足の間に社長の体が入り込んでるため足が閉じられない。手首に必死で力を込める。犯される気などさらさら無い。
「私を犯すんですか?」
「お前が俺様の女になるなら放してやるよ。」
 ………。犯されるなら一回きりだけど、社長の女になると数なんて数え切れないほどヤられるだろう。いや、いっそ付き合って速攻でフると言う手もある。どれが最良なんだろう。とりあえず、ヤらなくても済みそうな方法を取る。
「分かりました。ですから放して下さい。」
「俺様を好きだって言うなら放してやる。
「嫌です。話が違うじゃないですか。それに、私は貴方の女になりますが、貴方の事は嫌いです。本日、さっき嫌いになりました。自分の女が自分を好きでなければ気が済まないと言うのなら、私は貴方を絶対に好きになりませんし、好きだとも言いません。」
 向こうが呆気に取られている間に手首に力を込めて拘束を振り切る。
「なら俺様を好きだって絶対に言わせてやるよ。仕事は辞めさせねえ。俺様が許可を出さない限りお前は会社を辞められない。そうだろ?」
 どうやら辞めさせてくれないらしい。けれど、絶対に犯されたくは無い。別れたい私と惚れさせたい社長の恋愛ゲームは始まったばかりだ。手首についてしまった社長の手の跡を眺めながら何としても絶対にヤる前に別れてやると決心を固めた私であった。



後書き
 ハイ!やっちまいました!続き物です。こんな微妙なネタで引っ張るつもりじゃありませんでした。計画性の無い自分を反省。
 あ、アレの味は人それぞれらしいですよ?無味無臭の人もいるらしいです。では、secretary2でお会いいたしましょう。さよーならー…。

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