○はるか・イルファ戦
『入場』
由綺 「はるか、はるか、出番だよ」
はるか「由綺、代わりにやっといて」
由綺 「そういうわけにはいかないよー」
はるか「そこをなんとか」
由綺 「だめだよ。ほらほら、一緒に二回戦に行こう」
はるか「そういえば」
由綺 「え?」
はるか「由綺は前回、一回戦負けして楽をしたよね」
由綺 「……好きで負けたわけじゃなかったけど」
はるか「でも今回由綺は勝ったから、私が代わりに一回戦負けするのはどうだろう。
代わりに由綺も、三回戦で負けていいから」
由綺 「あの、三回戦負けは決定なの?」
はるか「由綺がどうしてもって言うなら、頑張るのは止めないけど」
由綺 「じゃあ私も頑張るから、はるかも頑張ろう。とにかく、この試合だけは出ないと」
はるか「寝ててもいいかな?」
由綺 「ダメだってば。せっかくの晴れ舞台なんだから。ほら、いくよー」
ずるずるずるずる
はるか、由綺に引きずられながら入場。
『裏工作をしよう』
335 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/01/18(水) 05:14:30 ID:hArUKaMt0
イルファさんって日本一凄いメイドロボ
だと思います。
マルチちゃんの頃からすごいなぁと思っていたけど、イルファさんは
断然高性能になっているし、とても可愛らしいですね。
藤田君のお隣の家の、旧型メイドロボとは大違いです。
336 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/01/18(水) 05:14:35 ID:sERIo13x0
春木さんちのと比べんなや……
はるか「他社製品が相手だと、セリオちゃんは辛辣」
冬弥 「なにやってんだ、はるか。自分の支援画像でも張ってるのか?」
はるか「……ネガキャン?」
冬弥 「なんの!?」
はるか「私の。あはは……」
冬弥 「なんで!?」
はるか「勝ったら色々と面倒だから、すっぱり確実に負けるように裏工作を」
冬弥 「そんな裏支援やるのはここくらいだろうな……」
はるか「冬弥も手伝って」
冬弥 「手伝うか、バカ。少しは前向きに頑張れ」
はるか「人には見せられない画像を貼ったり、SSを書いたり?」
冬弥 「そんな極端に走るなっ」
はるか「最萌的には一般的」
冬弥 「いや、そうかもしれないけどさぁ」
はるか「恥ずかしいからやっぱり支援しない」
冬弥 「……くそぅ。なんだか意地でも勝たせたくなってきた」
はるか「やっぱり18きn」
冬弥 「なんでそう極端に走りたがるんだ」
『悪い評判を立てよう』
はるか「そうだ、多重しよう」
冬弥 「イルファさんの票を倍増させる気か。しかしいくらなんでもルール違反だぞ」
はるか「自分に」
冬弥 「え? いや、やる気になったのはいいけど、それは……」
はるか「同一ID、同一コード、手抜き萌え文で一斉連続投下開始」
冬弥 「自分で『はるかちゃんはかわいい』とか書いてるの、恥ずかしくないか?」
はるか「痛い人を装ってみたけど、かなり恥ずかしい」
冬弥 「……犯人は美咲さん説が流れ始めた」
はるか「私を『はるかちゃん』って呼ぶの、美咲さんくらいだからね」
冬弥 「こら、美咲さんを巻き込むな」
はるか「<く川嶋>>、<くばるか>>、などの偽ネーミングで水増しもしてみる」
冬弥 「集計人さんの迷惑になるからやめろ」
はるか「ここで本人降臨」
冬弥 「はるかキタ━━(゚∀゚)━━!! が連発されてる……? いや、よく見たら『ばるか』だ……」
ばるか『さまよえる子羊たちよ、うだうだ言わずに私に十票入れなさい』
冬弥 「ほんとに十票入れ始めてるぞ。同一ID、同一コードで」
はるか「これではるか陣営の評判はがた落ちに」
冬弥 「なんでそんなことだけ手際がいいんだ(;´Д`)」
はるか「冬弥、冬弥」
冬弥 「今度は何だ」
はるか「神様っぽく答えてたら新興宗教が始まっちゃって、ばるか神社スレとかも建立してるんだけど、どうしよう」
冬弥 「しるかっ」
,__ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ./\ | <くばるか様>>が最萌で優勝しますように
/ ./´ ̄ ヽ \_______________
/ ./i iliノハ从リ\ o〇 ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ ヽリ´ ー`ノ. \ .∧∧ |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ ¢..|| ̄ (,, ) ナモナモ |;;;;::iii|
|| || || ||. /,,, |ゝ iii~ ⊂ ヾwwwjjrjww!;;;;::iii|jwjjrjww〃
| ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 ( ,,)〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr
冬弥「いや、これ、神社じゃなくってお地蔵様……」
『似合わない画像を貼ろう』
信者A「ばるか様、彼女にXRATEDが見つかってしまったのですが、どうすればいいですか!?」
ばるか「じゃあ私に頂戴」
信者B「リトルバスターズが今年中に出るように、ばるか様のお力添えをお願いします」
ばるか「残念ながら、それは私の力を大きく超えているようだ」
信者C「ばるか様、最萌ではるかがイルファさんに押されています、このままでいいのですか!?」
ばるか「了承」
はるか「そろそろ神様を演じるのも面倒になってきた」
冬弥 「適当にうち切れ」
はるか「ちょっとハーデスが十二宮に攻め込んできたから、今日はここまで、っと」
冬弥 「いいかげんな返答を……」
はるか「冬弥が適当にって」
冬弥 「はいはい、おれが悪かったよ」
はるか「次はどうしよう」
冬弥 「そうだなぁ、萌えポイントを強く押してみるとか。属性って奴だな」
はるか「イルファさんの属性は?」
冬弥 「えーと、奉仕とかかな。メイドロボだし」
はるか「そういえば、美咲さんとマナちゃんがメイドの恰好をしている画像あったね」
冬弥 「あったなぁ。あれってエコーズの女性用制服だったりするのかな」
はるか「美咲さんがエコーズの手伝いをしているらしき画像では、普通にエプロンだったよ」
冬弥 「そうか……」
はるか「残念?」
冬弥 「あ、い、いや、そういうわけじゃ」
はるか「やっぱりメイド服は効果的みたいだから、その画像で美咲さん票とマナちゃん票を、イルファ層に取り込もう」
冬弥 「それはむしろ、ホワルバ陣営支援になりかねないぞ」
はるか「なるほど」
冬弥 「はるかは着てみないのか」
はるか「私の場合、制服姿が思い出せないって誰かさんが言うくらい、スカートが似合ってなかったらしいから」
冬弥 「すみません……」
はるか「でもネガキャンとしてはありかもしれないので、
ホワルバ画像を隅まで漁ってみても、一枚しかなかったスカート姿を特別公開してみる」
冬弥 「……稀少だ」
『陰謀を巡らそう』
はるか「ここで一つ時事ネタでも」
冬弥 「なんだ、ライブドアネタでもするのか?」
はるか「私達、成人式のイベントってなかったなぁ……って不意に気づいて」
冬弥 「ああ、そういえば」
はるか「会場で大騒ぎして注意されたり、お酒を飲んで暴れてタイ━━||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ||━━ホされたり、
ぼったくり価格の晴れ着屋を冷やかしたりとかしてみたかった」
冬弥 「本当にそんなことがしたかったのか」
はるか「したくないけど」
冬弥 「でもみんなの晴れ着姿ってのは、ちょっと見たかったな」
はるか「由綺とか理奈ちゃんとか彰とか?」
冬弥 「そうそう、由綺とか理奈ちゃんとか彰の……って、違うだろ」
はるか「え、着たかった?」
冬弥 「もっと違う。俺じゃなくてお前はどうなんだ」
はるか「普段通りでいいよ」
冬弥 「そう言わずに、せっかくだから着てみなよ」
はるか「彰の方が似合うから」
冬弥 「そんなの着てみないと分からないだろ」
はるか「――というわけで」
彰 「え、あの、どういうこと?」
はるか「誰が晴れ着が似合うかコンテストを開催することになりました」
彰 「だからなんで僕もなのっ!?」
はるか「巻き添え?」
彰 「本当に女装は勘弁してよ、トラウマだから……」←(なんか姉に色々されたらしい)
冬弥 「彰はまだいいだろ、俺までつき合わされるんだぞ……」
はるか「冬弥は自業自得」
由綺 「あはは、冬弥くんも彰君もかわいい」
はるか「それでは特別審査員の英二さん、優勝者は誰ですか?」
英二 「うーん、意外性を評価して、青年かな」
冬弥 「なんでっ!?」
はるか「ありがとうございました。なお優勝した藤井冬弥くんには、その格好で市内を優勝パレードしてもらいます」
冬弥 「陰謀だっ(´Д`,,)」
『お店を冷やかそう』
イビル「なー、ねーちゃん……」
はるか「……ん」
イビル「確かに見るだけなら減らねぇからって言ったけどよ、ただ見られてるだけってのもこまるんだが」
はるか「そうなの?」
イビル「露天のアクセサリーくらい、ずばっと買ってくれよ。金がねぇなら彼氏にねだるとかさ」
はるか「彼氏?」
イビル「いねぇのかよ」
はるか「あなたは?」
イビル「あたいはいいんだよ、男なんか」
はるか「あはは、ちょっと分かる」
イビル「んだよ、それ……ん?」
(イメージ画像)
はるか「ん?」
冬弥 「なにこんなところで店を冷やかしているんだ」
はるか「あ、冬弥だ」
イビル「なんだ、いるんじゃねーか、彼氏」
はるか「そうなの?」
冬弥 「……俺に聞くなよ」
イビル「けっ。ほらほら、優しい彼氏とどっかへとっとと消えちまえ。商売の邪魔だ」
はるか「ん、ありがと、またね」
冬弥 「ほら、いくぞ」
はるか「ん」
冬弥 「……ああいうの、興味あるのか?」
はるか「ああいうの?」
冬弥 「だから、アクセサリーとか」
はるか「んー、別に」
冬弥 「でも、結構熱心に見ていたじゃない」
はるか「綺麗だから、見てただけ」
冬弥 「そういうの、興味あるっていうんだろ」
はるか「そうなのかな?」
イビル「っくしょい! ったく、からかいやがって。……しまった、彼氏きたんなら、そいつに買わせりゃ良かった」
『メイドロボになろう』
,ィ^i^!1、
,'{レ'´ ` }
i_ iliノハ从リ||
ヽ0) ゚ ‐゚ノ || ご主人様、何も仕事はありませんよね?
⊂)はつ||
<[l|〉 ||
し'ノ 爪
冬弥 「あるよ。レポート手伝ってくれ」
はるか「それは自分でやらないと、ご主人様のためになりません」
冬弥 「それじゃ食事作ってくれ」
はるか「ゆで卵、ボール一杯大盛りお待ち」
冬弥 「掃除とか」
はるか「……ボケが浮かばない」
冬弥 「普通に掃除してくれ」
はるか「あはは、やっぱり私にメイドロボは向いてないみたい」
冬弥 「そんなことは最初から分かってたよ」
はるか「でもこんな時のために、イルファさんからピンチになったら、
この袋を開けて策を実行せよとのアドバイスが」
冬弥 「三国志みたいだな。なに書いてあるんだ?」
はるか「……『夜のご奉仕』」
冬弥 「……イルファさん(;´Д`)」
『メイドさんに来てもらおう』
はるか 「というわけで、イルファさんに来てもらいました」
イルファ「よろしくお願いします。はるか様」
はるか 「なんだか様付けされると、自分がえらい人になった気分」
イルファ「そうですか? ふふっ。それでは、食事の用意でもいたしましょうか?」
はるか 「お願いします」ごろごろ
イルファ「はい……(三十分後)おまたせしました」
はるか 「すごいすごい」ぱちぱち
イルファ「それではお食事の間に、洗濯をすませておきますね」
はるか 「んー……至れり尽くせり」もぐもぐ
イルファ「終わりました。ほかになにかすることは?」
はるか 「みかん取って」
イルファ「はい、(剥き剥き)どうぞ」
はるか 「こうまで完璧に環境を整えてくれると危険だね」
イルファ「危険……ですか?」
はるか 「もしかしたら二十二世紀あたりに人類は滅びるんじゃないかと思った」
イルファ「はぁ」
はるか 「そうならないために、イルファさんもごろごろしよう」
イルファ「え、あの?」
はるか 「はい、コタツに下半身をだらしなく突っ込んで、適当な座布団を枕にして、
出来るだけ楽な恰好で、窓からの日差しを浴びながら、こうごろごろと」
イルファ「あ……あの、こういうの、あまりしたことないんですけど」
はるか 「ん?」
イルファ「なんだか、いいですね」
はるか 「おまけに人類も救われるなんて、素晴らしいね」
イルファ「ふふっ、でも、たまにですよ。こんなことをするのは」
はるか 「んー……たまにやる気を出す、って配分じゃダメかな?」
イルファ「クーリングオフされてしまいますから」
はるか 「残念だね……お休み」
イルファ「お休みなさいませ……」
この後イルファさんにスイッチが入ってはるかが大変なことになったりならなかったりとか
『ちょっとうたわれてみよう』
その日トウカが、いつもの釣り場所に足を伸ばすと、すでに先客がそこにいた。
「ここ、よろしいでしょうか?」
「ん?」
見慣れぬ恰好をした少女は、不思議そうにトウカを見上げる。トウカも不思議そうに見返す。
ここらでは見かけない相手だが、敵意は感じない。
しばらく互いの恰好を観察する時間が過ぎたが、やがて少女は横にずれて、場所を半分貸してくれた。
「かたじけない」
腰を下ろし、餌をつけて、竿を振る。ちゃぽんという音が跳ねた後は、静かな川と風の流れだけが通り過ぎてゆく。
が、静かに座ったままの隣人が気になる。さて、どのように声をかけたものか。
「お姉さん、格好いい耳だね」
「そ、そうでしょうか?」
と、機先を制された。しかもいきなり褒められて、悪い気はしないが動揺は走る。しかも、
「ちょっとさわってみていい?」
「は? あ、いや、それは」
答える前に、触られた。優しく掠めるような指先に、竿の先まで震えが走る。
「は、わ、にゃ」
「あ、ちょっと気持ちいい」
耳の内側の、わさわさした部分を触られる。
そこはその、あれだ、ほら、竿の震えが大きくなって、水面に波紋が立ってしまうではありませぬか。
「す、すみませぬが、もう勘弁して頂けぬかっ!?」
「残念」
水面も心も千々に乱れ、しばらくして、トウカはようやく呼吸を整えることに成功した。
「ところで、ここいらでは見かけぬ顔ですが、どちらから参られたので?」
なぜか少女は首を傾げる。
「……どこから来たんだろう?」
「いや、某に聞かれても」
こっちが首を傾げたいくらいだ。
「あ」
「どうなされた?」
「引いてる」
あんな騒ぎがあったのに、よく食いつく魚がいたものだ。
反射的に勢いよく引いてみれば、見事な魚が銀鱗をきらめかせて跳ね上がった。
「ぬっ……これは、なかなか」
「がんばれー」
無責任な声援を片耳に受けながら、悪戦苦闘することしばし。
見事にトウカは釣り上げて、ここ最近では一番の大物に、相好を崩す。控え目な拍手が響いた。
「お見事」
「いやいや、そんな大したものでは」
「私もやっていいかな?」
「は。それではもう一式あるので、どうぞ」
「ありがとう」
そして、二人で仲良く竿を傾ける。ところが今度は全然釣れない。
騒いでいた方が釣れるのだろうか、と釣り業界の常識を覆す発想が、頭をよぎる。
「なかなか釣れないね」
「そうですね」
「いい天気だね」
「確かに」
その隣人は、飽きたのか、竿を固定すると、ぱたりと後ろに倒れ込んだ。ほどなくして、寝息が聞こえ始める。
確かに、眠くなるような暖かさと静けさだ。
それに例え釣れずとも、のんびりと糸を垂れ、風景や風や思索を楽しむのも、また釣りの楽しみの一つ。
その中に、眠るという行為が加わってもいいだろう。
「くぁ……」
いつの間にか、トウカもつられて、眠りの世界に引き込まれていく。
「――はっ、某としたことがっ!」
目覚めたときにはすっかり夕暮れだった。
はて隣人は、と見回すが、片付けられた竿があるばかりで、姿が見えない。
ただ一つ、薄い紙切れが一枚残されていた……が、はて、見たこともないような文字だ。
「ウルト殿か、ベナウィ殿なら読めるであろうか?」
一人ごちると、じぶんも竿を片付ける。すっかり一日を、寝て過ごしてしまった。
気を引き締めなければならぬと思うが、さりとて、悪い気分でもない。
「不思議な御仁であったな……」
また、会えるだろうか。いや、案外帰ってみたら、当然のように城の中に居座っているかもしれない。
そんな期待が胸に浮かび、急いで帰りたい気分になる。
――と、引き上げたタモがずっしりと重い。
「……まさか?」
見てみれば、トウカが今朝釣り上げたものより、二周りは大きい魚が、そこにあった。
「果てさて、釣りの仙人殿であったのだろうか」
トウカは苦笑し、二倍に増えた土産と、土産話とを持って、暗くなりつつある帰り路を急いだ。
戻ります