『パンドラの箱:カルロ様聖誕祭 後夜祭』


3)


カルロは その花びらの蜜を味わい尽くすべく 舌でねっとりと愛撫を始めていた。
中心の蜜壺は 上を通るだけで入っては行かない。
なぞるように巡り、敏感な芽を探し当てて歯でついばみ始めた。
「ひああああっ」
体の自由が利く上半身が びくん、びくんと跳ね上がる。
動き悶えるランゼの両足を 背後の男はしっかと押さえている。
跳ね上がる反動で、二人の座っている揺り椅子が 擦れあった木の音と共に 船をこぐように
ちいさくスイングする・・・。
もう ランゼは背後の男に気を取られていられなくなりつつあった。
しかも カルロとは違う男の視線に 余計卑わいな心を一層刺激されている気がしている・・
(も・・うすぐ い・・・いっちゃうぅぅ・・)
そう思い始めたとき。

「あぁぁ・・」
カルロが スッ・・と舌先をそこから引いて 離れていってしまったのだ。
ランゼは思わず 物足りなさげな声をたててしまう。

口をしどけなく開けたまま 部下Zの肩に頭を預けて ランゼは はあ はあと息を弾ませている。
その頬はピンクに染まって。
他の男の膝の上で 自分に弄ばれ あられもない痴態を見せる彼女。 
(・・・滅多に見られる物ではないな 実にいい眺めだ・・・)
カルロの欲望にも いっそう火がついていく。
背後の男は 実に下僕のように じっ・・と動かず ランゼの両足を抱え上げ続けている。
ランゼが少し落ち着いた・・と 見計らったとき
カルロが目配せをすると 彼は膝を抱えていた右手を離し カルロへ差し出した。
ランゼの右膝は 人形の足のように 膝を立てた状態で そのまま揺り椅子の手すりに寄りかかる。
カルロは差し出された手を取り彼女の目の前で・・中指を立てさせて・・
(なにを・・するの)
まさか。
そう、そのまさかだった。
それを ぐっ と ランゼの蜜壺へ突き入れさせたのだ。
「ああっ・・」
だめぇぇ・・
「そんなぁ・・はぁぁぁんっ・・!!」
今までの刺激で 十分ひくついていたそこは 再びの刺激に きゅうう・・と収縮を始める。
知らない指を排除したいのに。
「奥まで 埋まったよ ランゼ」
「そんなぁ・・いやぁぁ・・」
その卑わいな台詞にも 花びらはぴくぴくと反応してしまう。
確かに、その”異物”が 身体の奥深くまで到達している感じがする。
そしてその指は・・注射針のピストンのように その中で進退を繰り返し始めた。
「うっ・・ああっ・・あああっ・・」
奥まで指を入れ込もうと 背後の男が身をかがめる・・
すると、彼女の耳元に 興奮した男の荒い息づかいが再び聞こえ始める・・
そして、カルロはニッ と笑うと 自らの中指も 彼のそれと一緒に蜜壺へ
深く深く 埋め込み・・抜き差しを始めたのだった。
「やああっ・!」
その途端、一層高く ランゼの身体が跳ね上がる。

「おねがい 許してぇっ・・・!」
膝を押さえているのは どちらの手なのか そして
敏感な部分に触れる指先が どちらの男の物なのかも もう考える余裕が無くなるくらい
意志に反して体中を甘い嵐が駆け抜けていく。
一本、また一本と 指は増えていく。
カルロの3本の指と 部下Zの3本の 指。
複数の指がランゼの中心を何度も貫いてはばらばらに蠢き引き抜かれていく。
「ああっ アアアアッ・・!」
 上半身が弓なりに伸び上がり・・
ひくん、ひくんと体の奥が痙攣し収縮し やがて 蠢く指達を締め付ける。
それは 指達に ランゼが達したことを教えていた。
「はあ・・はあ・・・」

もう・・だめぇ・・・
やがて 全ての指が抜き取られる。
再びくったりと ランゼは脱力し 部下Zに身体を預ける。
だが。
「ひあっ・・!」
熟れきった紅い果実を ナイフで割り開くようにして
カルロが固く そして熱くなった自身でランゼを貫いたのだ。
「きゃあああっ やあああっ もううっ・・だめぇぇぇぇっ」
突き入られるたびに ランゼは悲鳴のような声を上げて悶える。
「おねがいっ 勘弁してぇぇっ・・!」
もう いつがピークなのかも わからない。
ずっと ずっと 高みのままひきずられていくように身体は痙攣を繰り返す。
どちらかの男の手が ずっと 膝を割り開き 繋がった部分を俯いた
ランゼの視界にさらけ出し続けている・・

やがて、カルロはいちどその身を 引き抜いた。
でも。
その途端。

朦朧とした意識の中でランゼは 次の”こと”が 一体何か に思い当たり 
あっという間に意識が目覚め・・戦慄する。

違う男に 指は許してしまったけど 最後まで行くのは 絶対に いや・・・

「ダーク・・お願い もう・・これ以上は 許して・・・」
ランゼは涙を一筋零し、すがる瞳でカルロに訴える。。

「こんなのはいや!私には ダークしかいやなの!他の誰も 要らないのに!!」
(どうしてわかってくれないの・・・!)

そうランゼが 心から叫んだ途端。

ランゼの背後に 突然空間が生まれ・・ランゼは背中から揺り椅子へと身体が沈みこんだ。
すとん と・・・
「・・えっ?」
霧のように 背後の男が 消えたのだ。

ランゼは慌てて自分の後ろを確認する。
彼が居なくなったと同時に、ランゼの四肢にかかっていた呪縛も切れていた。
「いなくなった・・・何故・・?」
あっ!
ランゼはあることに思い当たりカルロをもう一度見返す。

その手には マジックミラー。
あの部下Zは・・・
「あれは・・ Zさんのコピー だったのね!?」
ランゼは驚き 声高に叫ぶ。
「もう・・!ダーク、どういうことなの!!」
怒り出すランゼとは裏腹に、カルロの方は しれっとした顔だ。
「お前に怒る権利はないよ 私だってお前のコピーに騙されたんだ。
 私だってあやうくコピーを抱くところだったのに」
「・・・!」
「おあいこだよ ランゼ」
「あ・・・女子寮に、行った・・のね?」
カルロが笑顔で頷くと ランゼは力無くうなだれた。
彼の言い分は ごもっともだと 思ったのだ。
でも。
コピーでも、十分 ショックだ。
「もう・・こんなの・・お互いやめようね・・・お願いよ ダーク」
ランゼは そう言うが
カルロの方はニコニコしたまま返事をしなかった。

突然、ランゼはあることが気になり・・彼へ再び問いかけた。


「ねえ、ダーク。貴方は 本物なの?」




「!!」

その若者は がばっ と身を起こし 目を覚ました。
(あ・・・)
暗い 無機質な天井。固い簡易ベッド。
そこはNATOの仮眠室。
彼は・・部下Z。

(今のは 夢・・・)

それに気が付き ほっ と胸をなで下ろす。
冬だというのに 体中、じっとりと脂汗をかいていた。
夢にうなされ はあはあと 息を弾ませる。

なんて、とんでもない夢だ。

僕の膝の上で ランゼ夫人がカルロ氏と交わってる夢だなんて・・・
そして僕は下僕みたいにカルロ氏の命令で ランゼ夫人の足が開くように押さえつけてた・・・
ありえないことだ。
(いくら記憶を残して置いて貰う為の条件だと言っても・・・僕はあんなに従順にはならないよ)

なのに やけにリアルで 生々しかった。
彼女の泣き声や息づかい 肌の匂い シャンプーの香りまで 感じる夢だなんて・・
この両手に 彼女の柔らかな胸の肌触りと・・あまつさえ
この指先に胸の蕾の固い感触まで残っている気すらする。

(疲れてるんだ きっと だから変な妄想抱いてしまうんだ 僕は)
そりゃ僕だって 健全な男だから 彼女と逃げ隠れした時のことを思い出して
更に妄想しておかずにしたりするさ、白状すればね。
そう思いながら すっかり元気になっている 自分の持ち物を見てため息を付いた。

だけど・・・

部下Zは再び大きくため息を付き 両手で頭を抱え込み 簡易ベッドの上にうずくまる。
僕は あんな夢は要らない。
(彼女は魅力的だが 人妻なんだ・・・)
でも しばらく その麻薬のような魅力をもつ夢が忘れられずに うなされてしまいそうだ・・・


コピーと オリジナルの意識が 何故シンクロしてしまったのかは 誰にもわからない・・・


end


◇あとがき(という名の言い訳)◇


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表の『ルーマニアレポ3』に寄せて 地下話です・・・

このお話を書くに当たってのキーワードは

1・いぢめっ子カルロ様(こっそりリクにお答えv)
2・Z君とランゼちゃん仲良し逃避行(爆)へのカルロ様のお仕置き
3・記憶を取り戻したZ君へのご沙汰
4・マジックミラー

この4つでございました。

とはいえ、Z君はまるで別人ですし カルロ様も本人説が
危ぶまれるくらいぺらぺら喋っていますよね(爆・・・

捏造率のひときわ高い内容となりました・・・
各キャラクターに対するイメージを壊してしまったら 
本当に ごめんなさい・・・






































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