くまさん。後編戻る 幻水
「子供?」
ファオは不思議そうにいった。
子供といえるようなものが周りにいたっけな?
そういえば、ビクトールはルックに会うの初めてなんだ。
「でもしかたないよ。彼の魔力毒舌とともに城内で一番なんだし」
ファオは納得すると軽く笑っていった。
「そんな感じには見えないぜ?」
ビクトールが不服そうにするとファオはまた笑っていった。
「細いし、力がなさそうだけどな本当に魔力はあるんだ我慢してくれ」
「いや。そっちはまだいい。毒舌の方だ」
「彼はまだあの恩恵を授かってないのか?」
ファオはにやりと笑うと回りのものに聞いていた。
「いや。あってたぜ。くまさんだってさ」
「なんだビクトールって鈍いのか。ルックもいいがいがないだろう」
ファオは軽く笑った。
「ビクトールをからかった覚えはありませんよ。
それより無駄口叩く暇あったら行きません?」
ルックはビクトールと対峙していたとき比べずいぶん冷たくすまして言った。
道を歩いているときビクトールはルックに相当甘かった。
驚いたのはルックがそれにのって甘えているのだ。
信じられない。
ビクトールに甘やかされているときのルックは年相応だった。
普通に笑い、怒り、疲れたと甘える。
俺が話しかけるとすぐいつもの毒舌にもどるっている。
なんとも不思議な光景だった。
「ねぇ、ビクトール右腕見せて」
ルックはビクトールを見ながら唐突に言った。
「いいぜ見せても。でも見るようなもんじゃないぞ?」
ビクトールは腕をぶんぶんと振って見せた。
「いいから、すぐ見せて!」
周りにはルックのわがままとしか見えなかった。
しぶしぶとビクトールは腕を見せる。
すごい出血だった。肉はえぐれ、白い肉が見え出している。
近くに白い布がきつく巻いてあった。
「どうして言わなかったんだ?」
ファオはビクトールをにらむ。
「坊ちゃん。ビクトールにもそれなりの理由があるんですよ。
あんまり問い詰めたりしないでくださいね」
そういったのはグレミオだった。
「ファオ。彼の腕癒してもいいですか?」
「そうだな。いざとなったとき役に立たなかったら困る」
返事は軍主として当然の対応だった。
「癒やしの風」
ルックがそう唱えると傷がたちまち消えていく。
「すげぇな」
ビクトールは感心した様子だったがクレオは眉をひそめた。
「ルックくんそんなに魔力を使って大丈夫なんですか?」
「きついです」
声は平気そうだが顔は青かった。
「背中に乗れ」
ビクトールの言葉にルックはすぐに返事をした。
「うん」
「逆に迷惑かけたみたいだな。すまない。
今回は俺の判断ミスだ」
ビクトールが自分のほうを向いていったのに気づきルックは弁解した。
「僕のことなら気にしないでよ。勝手にやったんだから」
その言葉を聞いたとき、メンバーはあてつけられてるとおもった。
なにやってるんだこんなところで。はぁ
いまいちわかんないなだれ込みの話です。
終われないのは自分の性(さが)みたいです。
何処で話が終わるのか踏ん切りがつかないんですよね。
とりあえず無理やり終わりです。