03、危機に丁度良く現れる
 
ガタン
いきなり車輪でも外れたような振動が車内を揺るがす。
「なんだ。なにがあった」
プレアは何とかひどい揺れの中、壁にもたれる形で立ち上がった。
窓から馬の手綱を握っている男を見るが、意識を失ったように馬に寄りかかっていた。
しかし、馬は何かに怯えたように激しく暴れまわっていて、
その男が落ちるのは時間の問題のように思われた。
この状況はさすがに危ない、運良く森の方には突っ込んではいないがこの先にあの町がある。
やるしかないか。
プレアは周りを見渡し、窓の縁に足をかけた。
足場としては不安定で何時落ちてもおかしくない。
「プレア、危ない」
一瞬セレスの声に振り向きそうになる自分を諌め、天井に乗り出す。
近くに生えている木々が身体を叩き付ける。
上の木を避けるようにしゃがみ前を確認すると、子供がいた……。
「子ども、そこをどけ」
いくら俺でも出会い頭の子供を見殺しにすることは躊躇いを覚える。
あの子どもどこかで見覚えがあるような……こんなときに考えることではないだろう。
軽く被りを振るう。
そのときだった、馬の鋭い鳴き声があたりを制した。
ふわっと浮き上がったような感覚が湧き上がり、地面に叩きつけられる。
はぁはぁはぁ
「プレア大丈夫!!」
セレスはまだ平衡感覚をつかめていない足取りで駆け寄ってきた。
体の節々が痛む、どうやら投げ落とされたみたいだ。
「背骨をやられている。ちょっと動かすよ」
ソードの細い腕が身体を抱き上げた。
「ここを重点に治癒して。そう」
セレスは必死になって治癒に励んでいた。
姉の魔法を使う姿が珍しく、重いまぶたをそっと開いた。
「俺も協力する」
オレンジ色の長い髪、やんちゃそうで頼りにしていた。
黒い手袋が正面から怪我を癒やしていく。
 
 
「ディサイア。貴方が止めてくれたんだ」
「あぁ大きな魔術の動いた形跡が見つかったから慌ててきたよ」
にこりと微笑む。
昔に比べそこら辺はやはり成長したようだ。
「変わっていないな。ディサイア。」
「いやなことをいうね。まぁ精霊がこっちの姿を気に入ってるからいいか」
ディサイアは腕に何かを絡ませて遊んでいるように目を細める。
「かわいい、それも精霊なの?」
「炎の精霊僕と一番相性のいいやつだ」
目を細め不思議そうにみた。
「プレア、君には精霊魔法の才能がないから無理だよ」
ソードはここにいるんだよと指を指した。
覗き込んでもプレアにはその存在が分からなかった。
手を伸ばしても見るが透き通る。
「プレアほんとうにないのね。触れもしないのは少ないって聞いたわ。ねぇディサイア」
「あれ?プレア君小さい頃触れたんじゃ」
いやなことを覚えている。確かに昔は触れた。
「覚えてない」
プレアは薄く冷笑した。 
  
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お題って結構難しい…ペースの配分がわからない。
それにしてもソードとプレアの剣の腕いいのかわるいかもさっぱりわからない。
 
 
 
 
 

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