わいわい、がやがや。
今日はあちこちから商人がやってくる豊穣を敬う日らしい・・・。
「待って!」
金髪の豊かな髪が人ごみのなかをすり抜けて進む。
彼はこの国の国王に招かれて遠方の国からやってきた王子だ。
本当はこんな格好で市井にまぎれていちゃいけないんだろうけど。
ぼくのためにここの城から抜け出してくれたんだ。
「これなに?」
ぼくは、女の人が売ってるなかにある赤い宝箱に眼を奪われた。
「アランどうした」
アランがぼくの隣にすわり赤い宝箱をみた。
「なんだそれは、女見せろ」
女の人は箱を開けてくれた。
「……」
「驚いたでしょう。これは去るところから手に入れたルビーの指輪よ」
ぼくらはお互いの顔を見合わせた。
これって明らかに偽物だよね。
「おぃすげーないくらだ」
上から男の人が覗き込んできて声をかけてきた。
「500万コインよ」
「たっけぇ」
ぼくらは女の人にばれないように抜け出す。
「ねぇヘレシアあれって…」
「あぁ」
ぼくらはまた店を巡った。
「こらまちやがれぇ」
「べーっだ。」
親子だろうか楽しそうに戯れている。
ふとヘレシアをみたら薄く笑っていた。
「思い出すな」
「何を?」
ぼくはじっとヘレシアの顔を見た。
「お前と会ったときだ。追いかけられていたろ」
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会話ばっかりです。