Kiss on the bed.








「おい。」



さっきから呼ぶ声がする。



愛しい、あたしの大好きな声。





「ほら、起きなさい。」
ベッドに腰掛けてあたしのほっぺをつねる。
「いたたた、秀ちゃん、いひゃい・・・。」
あたしはその手を逃れて秀ちゃんが座ってる反対方向にもぞもぞと動いてまた枕を抱えてうつぶせになる。
「ダメでしょ?今日は俺出かけなきゃいけないんだから。」
早く起きて、と半ば懇願するように。秀ちゃんは弱ったなあと呟いた。



秀ちゃんと会うのは久々で、昨日は本当に幸せだった。
この秀ちゃんの部屋で、ご飯食べたり、ビデオ観たり、愛し合ったり。
久々に恋人らしいことをした気がした。
でも「一日しかなくてゴメンな」と申し訳なさそうに秀ちゃんは言った。
ううん、なんて言ったけど、やっぱり淋しい。久々に会えたのに。



昨日は、朝が永遠来なきゃいいのに、なんて思ったりもした。
だけど、どんなに望んでも朝は来るし。
そして秀ちゃんは今日も出かける。





「いい加減起きないと僕怒りますよ。」



そんなことを言ってる秀ちゃんを困らせたくて、
いつも子供で、素直に従ってるばかりじゃ何だか嫌で。
隣で秀ちゃんが起きた後も、あたしはベッドでぐずぐずしていた。




「キスして、そしたら起きるから。」




この前一緒に見た漫画に出てくる主人公の台詞を吐いてみた。
もっと困らせてやろうと思って。
「バカじゃないの」と言う秀ちゃんを容易に想像できた。
そんなことしてくれる人じゃないって分かってたから、吐いた台詞。



「・・・・・・・・・・」



ふふ、困ってる困ってる。
あたしはニヤリとして背を向けていた秀ちゃんの方を向いて薄めを開けようとした。



そしたら、



肩を引かれて仰向けにされた。





ちゅ。





・・・・可愛い音をたてて唇に温かい感触。
あたしが目を開けて呆然としていると、秀ちゃんは「早く起きろよ」ってベッドから降りた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
あたしが口を押さえて赤くなっている頬を感じると、秀ちゃんが振り向いてニヤッと笑った。





「早く起きないと、これ、やんないぞ。」
ぶらさげているのは、銀色に光る鍵・・・。
「それって・・・」
「合鍵というものですかね。」
「いる!起きます!!」
あたしががばっと起き上がると秀ちゃんが声を上げて、笑った。



やっぱり、あなたには、敵わない。




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「漫画の主人公」とは「っポイ!」の万ちゃんです。




2005/02/02  裕美




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