赤ずきん〜人を愛した狼の話し〜



貴方の逢えて幸せだった

だから後悔はしていない







「赤ずきん、これをお婆さんの所へ届けておくれ。」



赤ずきんの本当の名はよし子

でも、赤いかわいらしいずきんをかぶっていたので

みんなから「赤ずきん」と呼ばれていた



赤ずきんはとても素直で

特によー子お母さんの言うことをよくきいていた



今日も病気のレオお婆さんの所へ

葡萄酒とお菓子とレアチーズを持って行くところだった



「赤ずきん、私のかわいい赤ずきん。

 お婆さんの所へ行く途中、狼には気をつけるんだよ。」



いつも、いつもよー子お母さんは注意してくれる



今日も言いつけを守って

お婆さんの所へ行くはずだった





「赤ずきん、赤ずきん。

 そんなに急いで何処へ行くんだい?」





声をかけたのは最も恐れていた加納狼だった



「レオお婆さんの所へ葡萄酒とお菓子とレアチーズを持っていくの。

 だから、急がなくちゃ。」



少し怯えたような声で赤ずきんは返事をした



「何も怯えなくても良いんだよ。

 ただ、そのお婆さんのために花を摘んでいってはどうかな?」



「でも、急がなくちゃ」



「少しぐらい平気だよ。

 それにきっとお婆さんは喜ぶよ。」



「...」





赤ずきんは迷った

お婆さんには喜んでもらいたい

しかし、寄り道をしている時間がない



「でも...」



「...そうか。

 じゃあ私が花を摘んでおこう。明日またここへ来なさい。

 そうすれば摘んでおいた花を明日、お婆さんに渡せるだろう?」



こうして赤ずきんは明日またここへ来るという約束で

お婆さんに葡萄酒とお菓子とレアチーズを渡しに行った



あとがき

初!連載もの。
多分私のことだからおちを強引に済ましてしまいそう。
ま、出来る限り尽くしたいとは思います。

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