「裏切りの抱擁」


「うるさいんだよあんたは!どっか行きな!」

ラフェールが振り向くと舞がヴァロンに対して怒声を張り上げるのが見えた。
いつものことだった。肩を落とすヴァロンを見、懲りないなとラフェールは苦笑した。
踵を返し、足音も高く舞がこちらに向かってくる。
その表情を窺うとかすかに眉間に皺を寄せており不愉快そうな顔をしていた。
それもいつものことだった。

ラフェールは舞を相当な気分屋だと思っている。
気に入ると口の端をあげ、大層魅惑的に微笑みかけられ
下手なことを言うと冷たい一瞥をくれて、撥ねつけられる。
そんな彼女の反応にヴァロンはいつも一喜一憂している。
ヴァロンにとっては舞は好意を向ける対象であるらしいが
従順な女を好むラフェールにとって、舞という女は扱いづらい以外の何者でもなかった。
ヴァロンがこの女にどうして執着するのか分からなかった。
はねっかえりで素直じゃなく、気が強い。
口も達者だったが、それだけの実力はある。

その女がヒールを鳴らし、近づいてくる。
歩く度に艶やかな髪が揺れ、豊満な胸が揺れている。
ラフェールに一瞥をくれて横を通り過ぎると、微かに香水か何かの匂いがした。
肩越しに振り返ると、足を動かす度に揺れる尻と白い膝裏が見える。
肉体だけ見れば確かにいい女だ。


舞の後ろ姿をぼんやり見つめていると舞が振り返った。
「………何か用?」
どうやら気づかれていたらしい。
「……いや」
こちらを少し見つめ、舞はラフェールの側へ近づいてきた。
ラフェールのすぐ側で足を止めると、また先ほどの香りがした。
「言いたいことがあったらはっきり言ったらどうなの?」
舞がきつい目をして見上げてくるが、別に言いたいことなどなかった。
だが、それを言っても多分この女は納得しないだろう。
故に、興味があることを一応訊いてみることにした。

「ヴァロンのことをどう思っている?」
「……余計なこと言うんじゃないよ」
尖った声でそう一蹴し、舞はラフェールを睨みつけた。
やはり予想通りの反応をされた。
やはりこの女の気に入ることなど言えそうもないと会話を続けることを諦め
ラフェールが黙り込んだ、その時。
「あたしは………」
消え入りそうな声を発して舞が俯いた。
舞の様子がいつもと違うように感じ、ラフェールは俯く舞を見つめた。
「ああいう子たちとは違うんだ………」

今、たち、と言ったか。
それはヴァロンの他に誰を指すのだ。
それを問おうとしたとき、舞は顔をあげ挑発的な顔を作り、言った。
「あたしは、ああいうガキよりあんたみたいな男の方がいいね」
そう言うと、舞は身体を押し付けてきた。
「ね……あんたは?」
舞はその細く白い指でラフェールの胸板をなぞる。
誘っているのか。
いつもははねつけられそうな雰囲気を纏っている女が、ラフェールにしなだれかかる。
吐息が触れ合うほどに間近で見る舞の顔は美しかった。
普段はきつい印象のある目がかすかに潤んでいた。
舞の豊かな胸がラフェールの胸と重なり、形を変える。

いつもの態度と明らかに違う舞にラフェールは強い興味を抱いた。
いつもははねつけられそうな雰囲気を纏っている女の肉体。
ヴァロンより先にそれを検分してみるのも面白い。

ラフェールはそう思い、舞の唇を貪った。


舞の腰に手を回し更に身体を密着させると、合わせた唇の間からくぐもった声がした。
ラフェールは舞の口内に舌を滑り込ませ、奥の舌を絡めとり、吸った。
そうすると同時に、腕の中の肉体を服の上から思う存分まさぐる。
「んぅ………」
ラフェールがその大きい体躯をかがめると、抱かれている舞の身体は逆に反っていく。
舞の白いうなじを軽く吸いたてながらその太股を撫でると、滑らかな感触がラフェールの手を楽しませた。
女の唇から漏れる吐息が湿り気を帯び始めた。
太股の裏からゆっくりと上へ手を滑らせる。
すると、その手に舞の手が重なった。
「待って……ここじゃ………」

ラフェールは舞の身体を抱え、階段下の適当な物陰へと入る。
ここならば大声でも出さない限り早々見つかることもあるまい。


ラフェールは、舞を壁を背にして立たせ愛撫を再開した。
舞のビスチェの紐を緩め、豊かな胸を露出させる。
たわわな白い乳房は、張りがあるためか、その大きさの割りに形がよい。
興奮のためか乳首が少し勃っていた。
じっと見られるのが恥ずかしいのか、舞はラフェールの首元に額を擦りつけるようにして
身体を密着させてきた。
ラフェールは包み込むように、舞の乳房に触れ弾力を楽しむ。
その身体と同じようにラフェールの手も大きかったが、その手に舞の乳房はあつらえたように
ぴたりと収まった。
力を込めないよう、絶妙な力加減で乳房全体を揺さぶるように揉む。
すると、乳首が硬度を増し、上を向いた。
ラフェールはその乳首を口に含んでやり吸い転がした。
口の中で乳首が固くなるのが分かり、ラフェールは少し愉快な気分になる。
すぐ目の前の舞の肌がうっすら汗ばんでいる。
目線を少し上げ、舞の表情を窺うと舞は目を瞑っており、陶酔したような顔をしている。
少し意地悪い気分になり、口内の乳首を甘く噛んでやると
舞は「ンあっ……!!」と甘い声をあげ、背をしならせた。

片方の手で胸を弄びつつ、片方で乳房、背中、腰の曲線をゆるゆるとなぞる。
一度太股まで手をやり、しばらくするすると撫で滑らかな感触を楽しんでから
内腿に手を滑らせると、舞が微かに震えた。
じわじわと上方に手を滑らせていくと、耳元の舞の吐息が荒くなる。
ミニスカートの中の肌が汗ばみ、触れる手から舞の興奮と期待を伝えてくる。
焦らすように、ゆっくりと、そこに触れた。


下着の上から秘裂に沿って軽く指で撫でると湿り気を感じた。
ラフェールはにやりと笑い、下着の上から少し強く押しそこへ指を割り込ませると
下着の湿り気がじわりと増す。
「………っくぅ」
舞のこらえ切れないような声。
タイトなミニスカートを尻の上まで捲りあげ、下着をずり下げて尻全体を露出させて
両手で吸い付くような肌の感触をひとしきり楽しんだ。
焦れているのか、舞の腰が揺れる。
尻の方から手をゆっくりと差し入れ、濡れたそこへ触れさせる。
その滑りを利用して秘裂全体を何度も何度も撫でた。
「んぁ……あっ………ああ………」
しがみつく舞がその手でラフェールの服ををぎゅっと握る。
掠めるように陰核に触れると、舞の身体が大きく揺れた。
ぬるぬるとぬめる陰核を少々強めに擦り上げ、蕾の入り口で指を浅く早く出入りさせる。
その度にぬちゅぬちゅと恥ずかしい音がしている。
「あぁ……ぁ……」
指を深く差し入れ、早く前後させていると舞の足が震えているのが分かった。
立っていられないらしい。
「そんなにいいのか…?」
ラフェールが笑い混じりに訊くと
「う、るさいよ…!……くっ、ん……焦らしてないでさっさと…ん…!」
舞は余裕の無い答えを返す。
可愛くない女だ。
欲しいのならば強請ればいいものを。


ラフェールは猛り狂うものを取り出す。
その天を衝くような様を見、舞は小さく悲鳴をあげその身体が一瞬逃げを打った。
その瞬間、ラフェールはいきなり舞の身体を抱え上げる。
「きゃ……!」
そして舞が抵抗する間もなく、その怒張を舞の中へ押し込むようにする。
「あああッ………!!」
「……息を吐け……っ」
亀頭を勢いで入れたまでは良かったが、きつかった。
舞が息を吐いた瞬間、また根元近くまで挿入する。
「あ………っ!……………はぁ……ッ」
しかし辛抱強く舞がその太さ、大きさに慣れるまでラフェールは辛抱強く待った。
舞が浅かった呼吸を落ち着けていくと、中の襞がラフェールを受け入れるように
少しずつ柔らかくなっていく。
頃合を見計らい、ラフェールが少しずつ動き始める。
「あ……や……待って、あ………」
体勢が不安定なため舞がラフェールにしがみついてくる。
小刻みに上下させると途切れ途切れに声があがる。
ラフェールが動きを大きくし、舞を揺さぶる。
息づかいは切れ切れで苦しそうに見えるが、その表情を見ると快感は得ているらしい。
最初こそきつかったものの、今はラフェールの怒張に襞が絡みつくように包み込んでいる。
締め付けが強く、具合がいい。
これをヴァロンに味あわせるのかと思うと少々勿体無いような気がした。
それを打ち消すように、ラフェールは舞の肉体を強く突き上げる。


「やっあっあああっ!!」
舞の手が力を失い、ラフェールの身体から離れる。
舞の身体を支えるのは背中の壁とラフェールの男根だけだった。
ラフェールの思うがままに激しく揺さぶられる。
「あぁ……っ!いや………!」
甘い声がひっきりなしに舞の口からこぼれ出る。
上下の動きと一緒に舞のたわわな乳房が揺れていた。
「や………ぁ、ああっい……気持ちい……」
うわ言のような甘えた声を出し、男に強請る。
普段並み居る男を圧倒し、威圧するこの女がこれほどまでに乱れるとは。
「も……や、も、駄目、駄目、あ……イ……っちゃ」
舞の中が収縮する感覚が短くなってきた。
ラフェールもそろそろ絶頂が近い。
抉るように突き上げる。
「あ、あ、あああああっ!!!」
舞の中が収縮し激しく締め上げられ、ラフェールも達した。


意識がぼんやりしている舞を床に下ろし、壁にもたれ掛けさせる。
ラフェールが舞の隣に腰をおろし、
どうすべきか少し思案していたところ俯いてぐったりしている舞が何か呟いた。
「………じょ……ち……」
聴き取れなほど小さな声だった。
「行かないで……」
「何だ?」
問い返してみたが舞はもう何も言わなかった。

ラフェールはその場から立ち去ることもできなくなり
しばらく舞の隣に座っていた。


<完>

2004年12月31日うp

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