「(無題)」 深夜− 王宮から離れた場所にある離宮にて− アイシスは疲れた足取りで自室に戻ってきた。 「ふぅ・・・結局バクラも千年リングも見つからずじまい。 見つかったのは首のないマハードの死体だけ・・・千年リングはバクラに 奪い取られてしまったのでしょうか・・・」 フードを外し、ベッドに腰掛けるアイシス。長く美しい黒髪があらわになる。 「マハードが亡くなり、マナはさぞ悲しみに暮れていることでしょう。 明日、様子を見に行って見ましょう。」 捜索のために精霊を酷使し、疲労が激しいアイシス。もう今日は遅い。 全ては明日だ。眠るために着替えを始める。 「・・・・?」 刹那、何者かの気配を感じ取るアイシス。だが部屋には自分ひとりのはず。 あたりを見回すアイシス。 「・・・気のせいでしょうか。今、何か気配のようなものが・・・」 振り向いてみても誰もいない。やはり気のせいなのか。 「・・・・・・やはり気のせい・・・ムグッ ンーンンー」 何時の間にか背後に確かな気配を感じる。同時に何者かの手がアイシスの口をふさいでいる。 「クククククこ〜んば〜んわ〜神官サマよぉ〜」 下卑た声。聞き覚えのある。それは先日王宮を襲撃し、今朝には仲間であるマハードを惨殺したにっくき男。 「(・・・盗賊王バクラ・・・!馬鹿な、いつの間に・・・)」 「王宮では世話になったなぁ神官サマぁ。王サマの神の一撃はさすがに効いたぜ・・・。 俺様もあれからちったぁ反省してよ。 神官一人一人から千年アイテムを奪い取っていくことにしたのよ。 昨夜はマハードとかいう奴・・・そして次は貴様だぜぇ女神官サマよぉ!」 「(・・・おのれ!そうやすやすといくものですか!)」 アイシスの千年タウクが光り輝く。一瞬ひるむバクラ。口元を抑えている腕がゆるむ。 「精霊スピリア!」 その間隙をぬってアイシスは自らの精霊を召喚する。 スピリアはバクラに蹴りの一撃を加え、アイシスから引き離す。 「ぐあっ!」 「ハァ・・・ハァ・・・盗賊王バクラ!よくもぬけぬけと・・・ 神官アイシスの名において、あなたを討ち取ります!」 輝きを増す千年タウク。 「精霊獣(ディアバウンド)を召喚する前に速攻で片をつけさせてもらいます! 精霊スピリアの攻撃!バクラを直接攻撃!」 スピリアが猛スピードでバクラに接近していく。 鋭い爪がバクラの喉元を掻き切ろうかというその瞬間! 「あうっ・・・!」 「・・・どうした神官サマよぉ。速攻でケリをつけるんじゃなかったのか?」 「か・・・体が動かない。これは・・・一体・・・」 何かに巨大なものにつつまれ、圧迫され縛り付けられているような感覚。 両腕が体に貼り付いて動かすこともできない。 見ると、スピリアも同様のようだ。いや、スピリアの受けている攻撃が アイシスに影響しているのだ。 闇から何かが浮き上がってくる。 それは巨大な腕。 その両手がスピリアをガッシリと捕まえ、締め上げている。 「馬鹿な・・・あれはバクラの精霊獣(ディアバウンド)・・・? いつの間に・・・!」 「ククククク。いつの間にだと?バ〜カ。最初からいたのさぁ! 闇にまぎれてなぁ!ヒャーハハハハハ これがディアバウンドの新たな特殊能力よ!闇に姿を消しこみ 敵に奇襲をかける!」 「貴様の精霊も素早いが、俺のディアバウンドも進化してるのさぁ! でかすぎてこの部屋には入りきらないから本体は壁面に潜んでるがなぁ!」 「く・・・不覚!」 「さぁ〜て、貴様の持っている千年アイテムを頂くとするか。」 「うぅ・・・石板に宿りし魔物(カー)召か・・・」 「うるせえよ!」 ディアバウンドがスピリアを締め上げる。 「うぁぁああああ!」 苦悶するアイシス。体中の骨がきしみあがる。 「このまま千年アイテムを頂き、さっさとぶっ殺してトンズラする予定だったが・・・ 気が変わったぜ。楽には死なせねぇよ。クックック・・・」 そうつぶやいたバクラは、千年タウクに延ばしていた手を アイシスの服の胸元へとむけた。 「そうら!」 そのまま服を掴みあげ、下着ごと一気に下へと引き破いた! 「な・・・なんて・・・ことを・・・」 いまだスピリアがディアバウンドに握り締められているため アイシスは腕すらもうごかせない。 両の乳房がむきだしになり、隠すこともままならない。 「ヒャハハハハ。さすが神官サマ。いいモン喰ってるだけあって なかなかのモノをお持ちじゃねぇか。 貧民街の売女どもなんかメじゃねえなぁ?」 あらわになった乳房をバクラの右腕が無造作に掴み上げる。 「つっ・・・こ・・・この痴れ・・・者・・・っ 痛うっ」 |
2004年12月31日うp