〈作者による注意事項〉

1.清く正しく凛々しいイシズ姉様が萌え〜な方
2.社長は常にカッコ良くなくちゃイヤ〜ンな方
3.誤字脱字は断じて許さん!、氏ね!、滅びのバーストストリーム!…な方

…上記3項目中2項目以上該当される方は、以下のSS無視して下さい…(泣


んじゃ、御心の広い方に向けて、ドン★





「G・M」



瀬人は、とある高級ホテルの一室に居た。ただし一人では無い。
「話とは何だ…」
この部屋に存在するもう一人の人間…イシズに瀬人はぶしつけに聞いた--。


 事の発端は小一時間程前。仕事が一段落した時、まるでタイミングを計ったかのように鳴った、携帯電話にあった。

大切な話があります---


 普段の瀬人であれば、重要な取引先ならまだしも、利益をもたらさない人間の誘いなど即刻撥ね付けるところだが…。
初見から、イシズを侮れない女であると本能的に悟っていた故か、思わせぶりな態度に胸騒ぎを覚え、不本意ながら
招待を受けた。
 しかし…招いておきながら、イシズは挨拶はおろかソファーから立ち上がろう ともしない。無言で、瀬人をじっと
見詰めている。
 嫌な眼である。
 まるで…幼い頃、養父剛三郎や他の大勢の人間から度々向けられていた…弱者を見下すそれと、どこか似ていた。
「話とは何だ…と聞いているのだ…」
 沈黙と忌まわしい視線に苛立ち、瀬人は質問を繰り返すと。
「…最初にお会いした時から、見抜いていました。瀬人、あなたの性質を…」
 イシズは漸く口を開き、腰をおもむろに上げた。そして、瀬人の予期せぬ意外な行動に出た。
 長衣を脱ぎ捨て、下着をも取り去り。褐色で滑らかな肌を臆面も無く晒し出す。首にかけられた千年タウクと腕の
装飾品だけが残され、怪しく光る。
「何の真似だ…」
 瀬人は顔色を変えずに、冷ややかに吐き捨てた。
 女の裸体に惑わされる程、瀬人は初ではない。否、正しくは、KCの頂点に立つ人間として備わっている胆力が、
そうさせていたのかもしれない。



 だが内心、瀬人は狼狽えていた。

 美しかったのだ。イシズの身体が。

 形良くたわわな乳房、くびれた胴。腰の位置が高く、二肢は長く。 秘部を覆う黒い茂みは、艶やかで…。
 帝王学の一環として、剛三郎にあてがわれ嫌々身体を繋げた女達とは、あまり に違っていた。
 ただ佇んでいるだけだというのに、それがかえって生々しく蠱惑的であった。
 だが、気に入らない。それら圧倒的な美しさの裏に隠された意図が読めない以上、容易く流されるのは愚かで。
さらには、人間を…女を…美しいと感じてしまった己に、瀬人は憤りを覚えていた。
 瀬人にとって『女』という存在は…たとえ淫欲を引きだされようとも、美になどに値しない、肉塊でなければならなかった。
 忌まわしい、性の捌け口の為だけに在る…。
「…フン。オレに抱かれたいのなら、もう少しマシな手段を使ったらどうだ」
 焦燥を覆い隠し、瀬人は色無く告げると。
「抱く?、あなたが、私を?」
 イシズは一瞬目を見開き、すぐにクスクスと鼻を鳴らしながら肩を揺らした。
「何が、可笑しい…」
 明らかな嘲笑に、瀬人はイシズを睨んだ。
「失礼。あなたが、あまりに見当違いなことを仰るから」
 威嚇めいた態度を歯牙にもかけず、イシズは瀬人の頬に指を伸ばす。
「お可哀想に。でも、私の前ではご自分を偽る必要などありませんよ、瀬人」
 囁く声に、しなやかな指…。
 ふいに、瀬人は息苦しさを覚えた。



 全てを見透かすようなねっとりとした視線に、手を振り払えない。

イツワル…イッタイ、ナニヲダ…

 己すら知り得ない何かを、この女は知っているというのか。確か先刻も、イシズはこう言っていた…『あなたの性質』…と。
 脳裏が霧がかり、瀬人の警戒心を蝕み。僅かの間、油断を招いた。
 その隙に、目の前に居たはずのイシズの姿が消え、代わって気配が背後へと移っていた。
 ガチャリ--という金属音と共に、両手首が軽い圧迫感に襲われる。
 我に返ったが既に遅く、瀬人は後ろ手に手錠をかけられていた。
「貴様!、何を!」
 振り向きざまに怒鳴ると、イシズは満足げに微笑んでいる。宥めるように、瀬人の頬に指を這わせ、そして…

パシッ!

 渇いた音が、辺りに響いた。
 平手で、なすがままに打たれ。
「いかが?」
 虚をつき、不平を訴える間を与えずに、イシズは囁いてくる。
「おのれ…女の分際で…」
 漸く、吐きかけた瀬人の頬に、再び指が這う。
 痛みに痺れるそこをなぞられると、ただ触れられた時よりも、やたらと感触が鮮明で…ゾクリと、背筋や下腹に
妙な堪え難い感覚が走った。
 力が抜け落ち、膝が折れ、咽奥が詰まり声が出ない。
 イシズも瀬人に合わせて、床に膝をつく。
 顎を取られ、俯き気味の顔をゆっくりと仰向かされる。
「なかなか、良い眺めですわね。素敵ですよ、瀬人。たかが『女』に翻弄させられている…お姿は」
 残酷な指摘に、瀬人は凍てつく。確かに、ほんの数瞬ではあったが、己は…
 この屈辱的な行為に酔っていた。
 これが…イシズが見抜いていたという、己の性質…性癖だというのか…。
「ほざけ…殺されたいのか…外せ!」
 肯定したら、恐らくもう後戻りが出来なくなる。危機感となけなしの意地で、瀬人はイシズを睨め付けた。
 眼光に、正真正銘の殺意をこめて。
 これには、流石にイシズも焦ったのか、苦笑を浮かべた。
「あら、お楽しみはこれからですのに。では、最後の楽しみにと考えておりました『ゲーム』は、いかが?」
「…『ゲーム』…だと?」
 聞き返すと、イシズは瀬人の鼻先に、金属片とおぼしき物をつきつけた。



 焦点が定まり、それが手錠の鍵らしいと認識できた途端。イシズはそれを鼻先から遠ざけ、短く意味深な笑みと共に、
女の秘所へと導いてゆく。
 まさか…
 瀬人は、不覚にも息を飲んだ。
「さあ、鍵がお望みなら、お取りなさい」
 女の器に飲み込まれたそれを、奪うことが、仕掛けられた『ゲーム』…。
 馬鹿げていると切り捨てる以前に…体内に異物を忍ばせ、平然としているイシズに、瀬人は内心血の気が引いた。
「出来るか…」
 瀬人は、即、拒否した。両手を拘束されている。冷静に考えてみても、不利以前の問題である。
「手が不自由だからと仰るの?。その良く動く口をお使いなさい」
 冷たく言い放つと、イシズは床に腰を落し、ベッドの側面に背を預けた。
 両膝を開き、促してくる。
 茂みの下のあからさまな陰唇の淫らさに、瀬人は思わず目をそらした。
 刺激が強すぎるのだ、若い男の性には。
 拒む心とは裏腹に、既に充血を始めていた己の牡が、なおも張りつめてゆく。
 止めるには、直視を避けるしか術はなかったが。
「お気に召さなくて?。何時までもそのままでいるおつもり?」
 イシズは成熟した花唇に指を添え、左右に開き挑発してくる。
「…淫売が…」
 恨み言を吐き捨てながら、瀬人は意を決して床に俯す。
 肩を使い、身を捩り、イシズの秘所に顔を近づけた。
 濃い牝の香に顔をしかめつつ、舌を尖らせ膣内にそれを差し入れる。
「あふ…」
 イシズの咽からすべり出る艶やか声が、瀬人の牡の本能を煽る。
 だが、どれだけ下らなかろうとも、馬鹿げていようとも……獣めいた淫欲が湧き起ころうとも…この『ゲーム』には負けられない。
 欲しいなら、腕が自由になった後で、組み敷けばいい。



 数々の言い訳を連ね、危うい理性を繋ぎとめ。瀬人は更に舌を奥へと進めた。
 すると、舌先に硬い物が触れた。想像していたよりも、かなり浅い位置に鍵がある。だが、内壁がぎゅっと締まっており、
やはり舌だけで取り出すなど不可能に近い。
 引くことを許されない瀬人は、半ば捨て鉢で鍵を求め舌をねじ入れてゆくと。
 熱い女の肉が、それを求めるように、わななく。
「ああん…」
 イシズは肢体を小刻みに震わせ。膣内がより滑って。
 目当ての鍵が僅かづづだが、蜜の流れに乗って、外へと押しだされて行く。
 潤滑をもっと促せば、あるいは…。
 瀬人は舌を抜き、膣口の上にある、充血し膨れているきっている肉の芽を舐め転がしてみる。
「ああ…ああ…ん」
 イシズは、より性感を高めたいのか、みずから乳房を弄びだす。
 瀬人は、溢れ出る蜜で顎を濡らしながら、ほくそ笑んだ。
 例え、屈辱的な行為を強いられていたとしても、所詮は己の舌に女は酔っているのだ。淫らに、自我を投げ出して…。
 僅かに持ち直した自尊の念に、むせ返るような牝の香に、瀬人の舌により巧妙さが増す。

ズルリ…

 多量の粘液に逆らえず、とうとう鍵が抜け出て、床に落ちた。
「オレの……勝ちだ、イシズ…」
 息を荒げ、依然秘部をひくつかせているイシズにそう告げた瀬人も、やはり同様に呼吸が早い。だが、声には力があった。
「そのよう…ですね…」
逆に、イシズの声は、か細かった。



「フン、淫売らしい結果だ…」
 瀬人の追い討ちに、イシズはいささか口惜しげに溜め息をつき、震える指で鍵を床からつまみ上げる。
「口の聞き方に、気を付けた方がよろししくてよ。まあ、約束です…手錠を
 外して差し上げますわ」
「当然だ、早くしろ…」
「…ただし」
 イシズは唇を舐めると、鍵を床に放り投げた。
「勝者へのご褒美の後に…」
 イシズは瀬人の身体を仰向かせると、強張りに持ち上がった部分に指を伸ばす。
「ツッ…何のつもりだ…」
 呻きを無視され、細い指によってジッパーを降ろされ、若い牡の根が引きだされる。
 瀬人にまたがり、怒張の根を露で潤みきった膣口に、ゆっくりと焦らすように飲み込ませてゆく。
 襲う内壁のうねりに、瀬人はぎりりと奥歯を噛みしめる。
 蜜を纏い、奥まで達すると、イシズはふうと息を吐いた。
「さあ、味わいなさい…たっぷりと」
 イシズは腰をくねらせた。激しくはなく、文字通り存分に女の熱を味合わせるように。
 もろに体重をかけられ、腰に手首に手錠が食い込む。イシズばかりか己自身の重みも合わさり…。
 苦痛と快楽を同時に与えられ、瀬人は更に呻いた。

 心は叫ぶ。喜びおののく身体に、泣き叫んでいる。呑まれるな……と。無駄なあがきだと、知りながら----



 困惑で半ば機能が失いつつある瀬人の耳に、粘液の擦れる高い音が、僅かに流れ入り。己の呻きと混ざり、
より追い詰められて行く。
 達するものか…この穢らわしい女の中でなど…
 狭く、きつく、滑った女の道に弄ばれ、それでも瀬人は頑なに酔い痴れるのを拒む。
「うふふ、遠慮なさらずに素直に果てたらいかが?。折角のご褒美でしてよ」
 うっすらと汗を全身に纏いながらも、イシズは幾分余裕な口振りで。瀬人をからかうように、締めつけてくる。
「ほざ…け…貴様など…に…」
 うわ言さながら、瀬人は刃向かう。
「そうですか…。では、好きにさせていただきますわね…」
 ふっと、イシズの瞳に残虐めいた色が浮かんだ。
 腰が浮き、抜けかかる寸でで、勢いよく落される。内壁に擦られ、先端が最奥に打ち付けられ。今までの焦らすような
それとは、あまりに刺激の度合いが違いすぎる。
「……ッ!」
 焼かれるような快楽に、瀬人は顎が自然とのけ反る。
「ああ…素晴らしいわ…瀬人…」
 上下する振動で、イシズの呼吸が乳房が揺らぐ。



「止め…ろ…」
 とうとう。
「止め…て…くれ…」
 瀬人は、喘ぎに哀願を滲ませた。
 押し留めようとしても、止まってはくれない。むしろ、己の声とは別物のように、低く耳奥に響く。
 当然、それを聞き逃す事などせず、イシズは喜々と口の端を上げた。
「そう…それで良いのですよ、瀬人…」
 不気味な程に、甘く優しい囁きに、瀬人は全身の力が抜ける。
 すると、イシズ待ちかねたかのように、なおも強く激しく、牡の根を嬲った。

 オレは…負けるのか…この力に…ひれ伏すことしか……

 一かけらの怒りによる最後の自問は、あっさりとかき消え。イシズの淫らな喘ぎに包まれながら、意識が白む。
「クッ……!」
 生暖かい蜜で満たされた熱い膣内に、精が放たれ…
「ああっ!」
 達した強欲な女の肉に、精を一滴残らず貪られ…強張り震える瀬人の胸を、イシズが倒れ込んだ。

 残酷な解放をもたらした、征服者の重みに。瀬人は深い深い絶望の底に身を沈め、力無く瞼を閉じた----





2004年4月27日うp

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