今回の本は戦国時代の人物に関する逸話集です。 英雄談というよりは実録に近いように思います。
歴史小説の大家のおもしろい短編が載せられています。 通説とは違った視点で書いてあるので、歴史小説の通ほど おもしろいことでしょう。 同時に、多くの作家の作風に一度に触れることができますから 、初心者にもお勧めです。 気に入った作風の作家をみつけて、その作家から歴史小説の世界に 入られたらいかがでしょうか。
質のいい歴史小説は独特のリズムがあり落ち着きます。 こういう一種のオーラを持った文章の書き方は 学校で教えられませんから、天性のものなのでしょう。 科学的に分析して学校教育に取り入れたらいかがでしょう。 ビジネス文書の書き方はいろいろなところで 教えられているので、だいぶわかりやすい文章が増えた ように思われます。しかし、無味乾燥でこの本のような オーラやリズムを持っているものが少なすぎるように思われます。 よい文章は意味がわからなくても、耳ざわりがよく暗唱したく なるような、流麗さがあります。そのような文章が増えると より豊かな生活を営むことができることでしょう。 （もっとも私にもどうすればそのような文章が書けるかはわからないのですが。 やはり学校教育で教えるのは難しいかもしれませんねえ。）
ちなみに、ラジオやTVでもそのようなオーラを持った言葉が 聞けるような番組があると生活に潤いがでるのではないでしょうか？ 個人的には、柳家紫文[PC link][mobile link]
さんの話が崩れ落ちることなく延々と続くような 番組が有線にあるとよいのではないかと思います。 最近あのような話し方の方は少なくなりました。 その番組を喫茶店で流すだけで、タイムとリップして 江戸時代でくつろいでいる気分になることでしょう。 特に民放ではCMが入るので統一したリズム感や世界観を つくるのは難しく、よいBGMにはなかなかならなように感じます。 もっとCMの入れ方を研究すべきではないでしょうか。
では、また来月に。
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