今月の本    0812号 世界経済の潮流 2008年 II


今月の本 0812号 世界経済の潮流 2008年 II ?世界金融危機と今後の世界経済? 内閣府政策統括官室(経済財政分析担当)

今回御紹介する本は、本年度の世界経済の潮流です。 これは官庁のいわゆる白書のひとつです。

官庁の報告書というとわかりにくいというイメージがあります。 しかし、この報告書はじつにわかりやすく現在の世界経済の状況を 書いてあります。 今月の発表にもかかわらず、 直前の状況までのデータが詳しく丁寧に 入っていますから、年末年始にいくつも特集されるであろう へたな記事や番組を読んだり見たりするより理解が進むことでしょう。

ホームページで公開されていますから、年末年始にそれを読まれて いまの経済がどうなっているかの現状を認識されてはいかがでしょうか? そして、それを片手に年末年始の経済番組を観賞するというのも 今回の正月の過ごしかたとしては正しいのではないでしょうか? (TVや新聞もこの報告書の内容を一ページづつ吟味するといった 番組ならわかりやすい番組を簡単につくれるのではないでしょうか? 通常のものはデータ量が少なすぎます。)

こういうものをみると、官僚のかたがたもわかりやすい 文章をつくれるのだなという驚きがあります。 麻生さんのヨミ間違いが話題になりましたが、 ヨミ間違えた語句は日常生活では めったにでてこない語句です。 そのような語句で国民に語りかけようと いうのが誤りなのです。前にも書きましたが、 米国では法律用語に難しい言葉を使わない規則が あって、それにしたがって発言や法律がなされて います。ですから、へたしたらまだ旧かなづかい の日本の法律よりもよっぽどすんなり読めます。 日本でも、小学生程度の語句で説明しなければならないというような規則 をつくるべきでしょう。 (日本でも法律ができるとその法律をつくった人が解説書を書いて それを読んで理解するといったことになっていますから、 最初から解説書レベルのものにすべきでしょう。) 実際、麻生さんの誤りを聞いているひとは その場でほとんど訂正していません。 ようするにまわりのひとには伝わっていないのです。 私も、書いてあればすんなりよめますが、 いきなり耳できいたら意味にたどりつくまで 一拍以上の時間が必要なことばばかりであり、 話しことばとしてそもそもそういう言葉は使うべきではありません。 そういういみで、政府の発言及び文章は高学年の小学生が 理解できるように、わかりやすくして、 国民に情報が伝わるようにするべきでしょう。 国民の中には小卒の方もいらっしゃるのですから。 ぜひ法律や国会答弁もせめてこの報告書レベルにはやく 達して国民にわかりやすい情報を伝える努力をしていただきたいものです。 文学作品ではないのです。(逆に文学作品ではもっと語彙をふやすような 作品が増えてほしいものです。)

この報告書について欲をいえば、現在も経済情勢は大きく動いていますし、 今後も予測されるので、ホームページなどで、 常にデータや内容を改編して最新の状況分析を維持して いただきたいものです。次の報告書がでるまで なにがおこるかわかりませんから。 さらにいえば、本報告書を出している官庁はこのような 状況分析を受身で行うのではなく、むしろ日本や世界の 経済情勢を指導していくのが本来の役目なので、 このような内容の報告書は去年だして、今年のものは 来年はほっとくとこんな年になるからこういう対策が必要 だというような提言を含んだものにしていただきたいものです。 (いつものことですが、データを遡って 調べればすでに去年よりまえの時点で今回のことは ある程度予測できたわけですから。)

ちなみに、私が現在の経済システムで問題と 思われるのは、銀行が企業の生殺与奪権を持っていることです。 銀行の方針で融資が止められると、 企業が倒産してしまうわけです。 べつに企業の業績に関係なく金融機関のつごうでそういうことがおきます。 さらに、能力のない金融機関ほど、株が下がっただけで 融資をやめてしまいます。 ふつうは株価が下がったからといって倒産することはありません。 ただ、株が下がったからなにか問題があるのではないかと 邪推して、融資をとめる金融機関があらわれて 結果的に倒産するわけです。 本当に問題があれば別ですが、 たんに投機的な空売りでもそうなります。 ですから、投機家を呼び込んでより派手な値動きと なってよけい金融機関は融資に慎重になります。 しかも、一日で一気に下がるので、状況を調べる時間がありません。 (たとえばファニーメイなどの米国の住宅供給公社は はたして融資を止めるほど危ない状態かは疑問です。 たしかに今後住宅の値段が下がるほど 損失はふえるでしょうから株価は下がるでしょうが、 住むところは必要ですから、 それでも住みつづける人は相当いるはずで、 ビジネス的に破綻するようには思われません。 融資さえ行えば問題ないように思われます。 実際まだ大部分の人はローンを払いつづけて いるわけですから。) ですから、問題は企業の危険度が客観的にわかるようにして それで問題がなければ、倒産しないシステムをつくることこそが重要です。 そういう意味で、現在日銀が金融機関に行っている方法は参考になります。 現在日銀は金融機関に対して貸し出す金利を制御することにより 金融機関が借りれる金利の上と下をコントロールしています。 つまり、誰も融資してくれない金融機関には、 日銀がある金利で融資するわけです。 そうなると、金融機関はその金利以下でしか商売できなくなります。 ですから、金融機関の借りれる金利が一定の幅の中に入るわけです。 そうなると、金融機関が突然倒産することはありません。 ただ、金利が他の金融機関より悪いので金利の払い額が大きくなり 利益が圧迫されていきます。 ですから、じょじょに悪くなる業績でもってその会社の危険度を 判断できるわけです。ですから、金融機関だけでなく 一般の企業についてもこういうしくみを導入すべきでしょう。 金融機関に貸す金利よりさらにある利率を上乗せして 高い金利で常に貸すようにすれば 金融機関が貸さない企業を助けることができます。 そして、どのように負債が増加するかをみれば 危険度をゆっくり判断できるわけです。 そして、倒産すると日銀や政府に負担となるので、 一定以上の連結負債を持った企業は強制的に分割する規則を つくれば、業績が悪化するたびに小さな企業となって 倒産するころには公的機関の被害が小さくなりますし、 有望な人材を発掘できて新たな強い企業を生み出すことが できることでしょう。そして、それでも損害が公的機関に発生した場合は、 連結資本に応じた税を徴収することで、持続的なシステムとできるとともに、 大きすぎてつぶせないといった状況をなくすことができ、 さらに市場を荒すような行動を大資本家(機関)がとることを抑制でき、 システムを安定化できます。 とにかく現在のシステムは、そのようなシステムと比較して 非常に不安定であるように思われます。

では、また来月に。

関連リンク:http://yokutoku.y.ribbon.to/mm93.html

---------<内閣府政策統括官室関連作品>--------

世界経済の潮流 2008年 II ?世界金融危機と今後の世界経済?
http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa08-02/index-pdf.html

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では、また来月に。




             
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