宇宙を見つめる人たち ドナルド ゴールドスミス (著)青木 薫 (翻訳)
この本は題から考えると天文学者に着目して書かれた本のように思われますが、この本の 内容はそれにとどまらず天文学全般についての入門書になっています。この本を読むと今 の天文学者が何を考えて何をしているのか、そして今の天文学がどの程度のことがわかっ ていて何をめざしているのかがわかります。
なぜ、ここに天文台はあるのか、天文学者はどんな生活をしているのか、なぜこの人はこ こでこういう研究をしているのか?星までの距離はどうやってはかるのか?など、どれも 具体的にやさしく書かれています。しかも、書き方が結論を押し付けるような書き方でな く、「天文学者はこういう理由で宇宙はこうなっているのではないかと考えています。」 という書き方なのも、好感をもちます。わからないことはわからない、こう考えられてい るがこの部分にはこの理由で誤差がふくまれているといった書き方なので、説得力があり ます。だから、すんなり現在の天文の知識を得ることができます。天文関係の本はいくつ も読みましたがこの本ほど全般を網羅してわかりやすい本ははじめて読みました。
たとえば、少し古い本なので日本がハワイにつくった望遠鏡すばる(http:// SubaruTelescope.org/j_index.html)のことはかかれていないのですが、その望遠鏡 がつくられた標高4200mの山頂での観測がいかに危険で大変なのかはこの本に具体的 に書かれています。このようなことは、すばるを紹介する番組などではあまりとりあげら れていないことなので、この本を読んで初めて知りました。このことを知った上ですばる の観測結果をみると、その結果を得るために苦労している人たちの活躍が目に浮かび、ま た違った感慨を持って観測結果をみることができます。
天文台などに行ったり、本やテレビでみたときに、なんであんな大きいパラボラアンテナ が必要なのだろうとか、それでなにをやっているのだろうと思ったことはないでしょうか? もしそういう経験がある方はぜひ読んでみてください。きっと、天文学への興味が多いに わいてくると思います。そして、この本を読んでから宇宙関連の番組をみるとよりおもし ろくみることができると思います。
では、また来月に。
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