今月の本   0310号 ハーバード流交渉術

   ハーバード流交渉術
ロジャー フィッシャー (著), ブルース パットン (著),
ウィリアム ユーリー (著), Roger Fisher (原著), Bruce Patton (原著),
William Ury (原著), 金山 宣夫 (翻訳), 浅井 和子 (翻訳)



今回紹介する本は、交渉術の本です。

このような本はいろいろあって、中には催眠術のようにして無理矢理相手を説 得する方法を紹介するようなものがあります。そのような方法では、その後相 手と信頼関係を継続できないように思われるので、利用するには注意する必要 があります。安心して実用的に使えるものはないかと探していたところ本書を みつけました。

この本は、この分野では有名な本なので知っている方も多いかもしれません。

この本は、バーバード大学の研究所がいろいろな実例を調査した結果を元にも っとも交渉に成功する確率が高い方法を紹介した本です。アメリカ人といえば 、イエスノーがはっきりしていて要求もストレートに伝えるという印象が強い ので、そのようなスタイルでの説得方法かと思ったのですが、以外にもっとソ フトなものでした。

たとえば、いくつか紹介されている手順のうち最初に紹介されているものは、 立場で駆け引きするなというものでした。相手の立場を尊重して説得せよとい うのは、非常に納得できるものでした。よく、新聞などで問題となっている紛 争をみていて、本当にこれだけ争わなければならないのか、と疑問に思うこと がよくあります。多くの場合交渉時には互いにゼロサムゲームをしているよう ですが、本当にゼロサムゲームの状態にある問題は少ないものです。たとえば 、労使紛争もゼロサムゲームではありません。一見、経営者と労働者との利益 分配をめぐるゼロサムゲームのようですが、会社が儲かれば経営者も労働者も 利益が増えるわけで、実は利益を共有しているわけです。ですから、いかに会 社の利益を増やすかという観点で議論すれば、争うことなどないわけです。実 際、そのような労使強調路線で伸びている会社は多いです。高度経済成長当時 の日本モデルの企業などまさにその典型です。

このように極意というのは日本人でも米国人でもあまりかわらないようです。 子どものころは、アメリカ人は敬語もつかわず、日本語のような微妙なニュア ンスはわからないと教わったのですが、日本にくる米国人の英語を聞いている と、そうでもなく、実に多様な言い回しがあるように思っていました。実際、 最近の教育テレビではそのような言い回しを教えているようです。(What is your name?といって名前を聞くのは失礼にあたるそうです。だったら中学校で 最初から丁寧な言い方の方を教えてほしいものです。)また、最近終わったコ メディードラマのサブリナでも、建て前と本音の違いに悩む話が取り上げられ ていました。結局、人間の感受性は国によってそうは変わらないのでしょう。

ただ、外交面ではこの本のような説得術はより欧米の方が効果的に使われてい るようで日本はもっと説得術を学んでほしいものです。立場を離れて問題を議 論することにより、外国の主張は、大概本音と建て前(大義)がいっしょにな っています。ところが、日本の場合は、分かれているので建て前(大義)を主 張するときは強いですが、国益を図ろうとするときは、まるでわがままを主張 しているかのように聞こえます。国益と大義をいっしょになる立場となるよう に問題を処理して主張することによりもっと他の国に日本の主張を受け入れや すくすることができるのではないでしょうか。

また、米国ではこのような人文科学分野でもちゃんと実験と測定が行われてい るようです。日本ではそのようなことがないので、非常に危険な状態のように 思います。プログラムを書けばわかりますが、人間は論理的思考が苦手ですか らそうそう一発で動くものではありません。また、アリストテレスのような優 秀な人物でも、自然に間違いを指摘されることは歴史上よくあることです。ま ずは、実験して確かめるという手法が必要であると思います。たとえば、教育 であれば、国立の小中学校で多様な教育方法を実験して、もっとも効果が高い ものを全国で実施すべきではないでしょうか。年金にしろ税にしろ道路にせよ 全ての社会施策が実験もなしに全国的に実施されるというのはとても危険なよ うに思います。

では、また来月に。


では、また来月に。

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