メールマガジン　今月の本　2101号　これからの「正義」の話をしよう

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マイケルサンデル (著), 鬼澤忍 (著), 後藤敦 (ナレーション),

(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)

今月ご紹介するのは、これまでも何度か言及した有名な本なのでご存じの方も多いかと思います。

なぜ、この本を選んだのかというといまだにこの本の訓練をせずに単純な算数の論理で社会政策を決めるような論調がマスコミの方から感じるためです。

とりあえずなるべく多くの方にこの本を読んで算数で社会政策を決めないようにする社会になってほしいとこの本を選びました。

前にも述べましたが、この本には社会政策に算数の論理をてきようすることの危険性が多様な例を挙げて述べられています。この本を読んで最終的な解がないように思われる方もおられるかもしれませんが、そういう論理的訓練をしたうえで社会政策を決めるべきなのです。

そして実は、そういう状況は社会政策的にはそうそうありえません。一見そう見えるとしてもそれは行政官が問題を単純化する過程で生じたものです。つまりそういう状況になったら問題の再定義が必要ということです。そして、どうやってすべての人を救えるように問題を再定義し実行するかという問題となるのです。単純に算数的に処理してはならないものなのです。技術者はそういう意味では素人ですから現在の技術者を専門家として技術者に判断させるということは誤りです。例えば福島原発の死亡者は少ないとされてしまっています。その中で１ｍSvで安全かどうかという議論が理系技術者に丸投げされました。そして算数的に私からするととても安全ではないレベル（何度も述べてますが、アルファー線やベータ線をだしている元素がほとんど考慮されてません。脳に入ると記憶障害をひきおこしますし、そもそも放射線によって細胞が死ぬとおできができます。また良性と呼ばれるただ膨らむ腫瘍ものもあります。大概のところでは問題はありませんが、毛細管や神経では場所によって大問題になります。（これは体中に受容体があるコロナウイルスも同じです。そのため警察が不審死をした遺体をPCR検査したら百人以上がコロナでなくなっているようです。））に安全レベルが決められました。技術者がやるべきなのはこれだけの放射線ならこの人数の死者がでますという数だけ示すことです。（科学者グループECRRは2011年3/30、「福島第一原発から200キロ圏内では今後50年間で約40万人が放射能によって癌になる。 200キロ超の地方もグレーゾーンであるから細心の注意が必要だ」と述べたそうです。何度も述べている通り私はチェルノブイリの事故の同じ緯度の地域の人口減からもっと大きいと思っています。実際２０１０年より前のデータの推移から超過死亡率を計算するともっと多くなっています。さらに、遺伝子組み換えの時に万が一失敗しても大抵流産するからと専門家が述べていたのに、放射能の害で生まれてくるべき命が失われることは十分考えられます。ほとんど触れられていないのはどういうことなのでしょう。）

その数字をもとに安全基準を決めるのはこの本のような議論の訓練を受けた哲学者であるべきです。公務員の方を含め大学時代にこういう一般教養を深く学んだ方はほとんどいないのではないでしょうか。

そしてその社会政策の決定にはどういう国を目指すかという視点が必要で、前にも述べましたがすべての人が救えるような方策を求める国であるべきだと私は思います。

そうなってほしいのでこの本を今月は選びました。

では、また来月に。

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