今月の本 1708号 第189回国会 東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会 第7号 議事録
[http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/189/0187/18905130187007a.html
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/189/0187/main.html]


(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)




今回はミサイルが日本近海をとびかっているのでこれを選びました。 2年前の国会の議事録です。

まず、最後の方の答弁で 弾道ミサイルが原発を直撃する事態というのは、原子力、我々規制の対象外と、 原子力規制委員会委員長が答えています。 同様なことを最近も高浜町住民との意見交換会で述べています。

当然、現在の状況からしたら すべての原発を冷温停止させて 燃料棒を安全な 場所に移すというのが まともな対応です。 (わざわざ日本を寒からしめるためにコースを決めたと言っているのです。 前にも述べましたが、原子炉はなかな止まりません。 できれば数ヶ月前に止めて燃料棒の熱を冷まさないと、 冷却装置を狙われただけで、311と同様な大惨事となります。 地震対策をいくらしても銃器やミサイルや爆発にまで耐える 設計とはなっていません。アラートが発令されてからでは 遅いのです。前もって危険があるときは止める必要があります。)

防衛省はなにをしているのでしょうか。

実は、なぜなにもしないのか についての示唆もこの文書にあります。

環境大臣官房審議官の方が

原発につきましては、 まず、いかなる事情よりも安全性を最優先させる前提の下、 原子力規制委員会により、 世界で最も厳しいレベルの規制基準に適合すると認められたものについて、 その科学的、技術的な判断を尊重し、 再稼働を進めていくというのが政府の方針でございます。

と述べています。

つまり原発の安全性については 原子力規制委員会にまるなげしていますというのが 他省庁の理解なわけです。

委員会をつくる前の理解はそういうものでした。

ところが、 規制庁や委員会もお役人なので 自分の責任の範囲を少しでも小さくしようとしているようなのです。 その結果、 私が発言をみているかぎり、 規制庁や委員会は 規制基準に適合するかどうかを判断する組織として うごいているようです。 その結果規制基準に書いていない リスクについては担当ではない という態度なのです。 (実は書いてあっても 規制基準が設定している前提条件が成り立つ場合でなければ 関与しないという態度のように思われます。 (想定外の断層があるなど。)) 本文書の答弁で委員長が セシウム137の放出量が 100テラベクレルを超えるような事故の発生頻度は 百万炉年に一回程度を超えないように抑制されるべきという 目標を設定していますと述べていて それだけ聞くと安心ですが、 実ははあくまでも、基準が想定している条件下で そうなるようにしているにすぎません。 ミサイルを含め想定外の要素は山ほどありますから とても百万炉年に一回程度の発生頻度には収まらないのです。

ですから、他の省庁が 安心してまるなげできるような状況ではないのです。

このような状況は本来閣内不一致ですから、 野党やマスコミがもっと追求すべきですが、 閣僚の失言の場合しか追求しないのは どういうことでしょう。 (官僚の方はレトリック上は環境大臣官房審議官の方の発言も 規制委員長の発言も同じ意味にもとれるという意味で 文書の上で一致させているといいたいのかもしれません。 しかし実際ミサイル対策など重要リスクがだれも担当しなくてよい 現状はまったく法案作成当初の意図とかけ離れた状況です。 内閣不一致はみかけではなく実態で論じるべきです。)

こういう状況ですから 内閣が、原発の現状は危険であると判断して 止めるしかありません。 国民の方はもっと政治家にはたらき かけるべきでしょう。

もうひとつ事故がおきたら 本当に日本は終わってしまいます。

では、また来月に。

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