今月の本 1701号 物理学者が解き明かす重大事件の真相 下條竜夫 著

(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)


今回は 物理学者の方が物理学者としての視点で 報道されているいろいろな問題について 疑問点を含めて解説したものです。

最近の報道の問題は まるで算数ドリルを解くように 理系的結論が絶対だという立場で 報道していることです。

小中学校ではあまり 習いませんが、 絶対に答えがでるとされる ニュートン力学の問題さえ 物体が3つあるともう式では解けないのです。 まして、その後量子力学でそもそも物理量は確率値でしか 示せないことや、相対論により光速を超えて遠くの情報を知る ことができないことによる人間が全知全能の立場というものも とりえないことがわかってきました。 一方で統計学の進歩でそういう不確かな現象をどう扱えば よいかの問題も進歩しているのですが、 そういう面での記述もみられません。 分布が大事なのに さも平均値が絶対であるかのような記述が多いです。

せめて本書のような立場で 記述してほしいものです。

有名な事件ほど記事を読むほど??? となるものが多いです。 発表内容を理系的中身を検証しながら 書くという訓練がされてないのでしょう。 共通一次試験を半数近い人が 理系で受けているはずなのです。 そういう記事がわかる人は相当いるはずです。

まず、理系的結論は絶対ではないという立場 をとってほしいものです。 この本を読むとあれだけ絶対的真実として報道されていた ものがそうでもないことがわかることでしょう。 理系的結論であってもあくまでも 推論にすぎないので 疑問の余地は残るのです。 そういうところを マスコミの方にはもっと検証してほしいのです。

そうでないと政策の方向を誤ります。

もちろん、そういう不確かなものなのでこの本の中には 私と意見の違うものもいくつかあります。 ですが、こういうデータをもとにした 理系的検討であれば こういうところが私と意見が違うのだな とわかるので、建設的な思考ができます。

たとえば福島事故の 放射能の被害は少ないような立場のようですが、 最近では福島における甲状腺の検査を中止しようか という声がでるほど患者がみつかっています。 がんは確率現象と考えれば当然で 人口密度が100倍高ければ 放射能が100分の一でも被害はでるのです。 そして同じ放射線であれば より早く患者は発生します。 日本のような人口密度の高い国において 放射線の害は声高に言って損はないのです。 (また事故直後あれだけ重要だといわれていた 汚染の測定値がほとんどないことも 被害予想を高めに予測する必要性を高めます。 ところが逆にむしろ国は個々の研究者研究機関の測定値の 測定をやめさせたり発表させないようにしました。 今でも公にはその方針のようで なぜか事業者当事者が測定した値のみが一次データ となっています。測定はなるべく多数の機器機関が 行わないと誤りや故障がわかりません。 これまでも異常値がでた機器を 故障として測定をやめていますが、 (測定器の周りだけ除染しているなどという指摘をみると) 本当にそうか 疑いがのこります。 実際私も福島から200km程度のところにいましたが 3月4月はやたらに髪の毛が抜けました。 実際に人々が受けた放射線の量はもっと多いのではないでしょうか。 事故現場 に近いところほど 各人が自由に測定して発表できるようにするべきです。 昔ある新聞が国策のためなら嘘も報道すると 主張されていて、その新聞は読むまいと 思ったのですが、311以後あらゆるマスコミが そういう態度だと知ってがっかりしました。 今回の内部の様子も予想外と報道していましたが、 メルトダウンも今回の内部も 原発反対派の方の主張の通りです。 政府の主張のみ無検証にのっけているから そうなるのです。 太平洋戦争で大本営発表だけのせたために 戦争終結の時期が遅れました。 もし岸元首相が終戦を主張して更迭された ときにやめていれば ほとんどの民間人の方は助かったのです。 しかし報道が真実を伝えてなかったため 方針を転換できず 膨大な被害がでてしまったのです。 そして、おそろしいことに 軍部は当時の主権者である 昭和天皇にすら情報を挙げなかった ようです。 主権者に情報がいかなかったら正しい判断などできません。 そういう場合に最後の手段となるのが マスコミの調査報道なのです。 今も昔も同じです。 もっと日本人は歴史から学ぶべきです。 圧力を受けずに調査できるように 無条件にGNPの数%を報道機関(ネットを含みます)に 配ってもよいのではないでしょうか。) 実際人口推移からすると 死者が一割程度上ぶれているように 私にはみえます。 もしそうなら 大変な数の犠牲者がでていることになります。 もちろん前に述べたように 推論にすぎないのでそうでないかもしれません。 ですが、政策的には安全サイドにみつもって 行うべきだというのが私の考えです。 (本当は統計の源データにアクセスできれば 真偽はあきらかになるとおもうのですが プライバシー問題でむりなのでしょうか。 緊急時ですから第三者機関が調査できるように するべきでしょう。他の省庁では最近改ざんがみつかりましたが、 そうすると人口統計が正確かどうかもわかるはずです。)

また、気候変動についても 前に述べましたが、 本来もっと寒冷化しているはずなのに 温暖化が止まっていないように見えます。 最近世界的に地震が多いですが、 これは太陽の極の反転の影響もあるでしょうが、 地表温度の上昇による地殻の膨張の効果もあるのではないでしょうか。 そうだとすると地震に弱い原発は 世界的にただちに廃炉すべきでしょう。 つぎにどこで地震が発生するかわからないのです。

では、また来月に。

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