今月の本  1510号 ローマ人の物語 (6) パクス・ロマーナ  塩野 七生 (著)

(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)






以前に一巻御紹介しましたが、今回も塩野さんのローマ人の物語の 一巻をご紹介します。 なぜなら、状況が現在の日本とそっくりだからです。

ローマ帝国の第一代皇帝の話です。 しかし、塩野さんは権力こそ 皇帝に等しいものではあったが 表面的には共和国の一番の執政官にすぎなかったと 主張されています。 そして、市民に気づかれないように 少しずつ法律を整備していった結果 あとからみると第一代皇帝と呼ぶべき 地位になったと説明しています。

STARWARSの第三話よりよっぽどゆるやかに 共和国から帝国になったようなのです。

今まさに日本で同じことが おきようとしているように思われます。

日本人はよくこの本を読んで 思わぬ方向に国が動かないように 見張る必要があります。 (塩野さんは帝国となることでより繁栄した という立場のようですが 私からみるとその後のローマ帝国の混乱の 大部分は優秀な人をどうやって 皇帝につけるかというシステムの 欠如によっているようにみえます。 (親族間ではやはりうまくいかず 養子では皇帝が優秀の間はうまくいく という感じでしょうか。 最終的に軍事的才能で競うように なって内戦が頻発し国力が衰え 滅びていくという感じです。) 理想をいえば現在の米国のような 一定期間あるていどの独裁をあたえつつ 国民が選出に関与(選挙はもちろんTV討論は大変すばらしいシステムです。)でき 議会と裁判所が任期中もみはることができるシステムに 静かに以降したら もっとローマ帝国は繁栄したことでしょう。 アマゾンの書評をみてもだから民主主義はだめだというような 評が多いのですが、 これまでも何度も述べていますが 独裁制にも多くの問題があります。 結局チャーチルの 「民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。 これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。」 という認識に達してほしいものです。 そしてそこから出発して、民主主義の弱点を克服する行動をとるべきなのです。 これまでに説明したベネティアの方法や 投票システムの工夫などいくつも改良できる点があるのです。 (IT技術の発展のおかげで 国民全員に高い教養と知識をもたせることも直接民主制も 技術的には可能になりました。) 最悪の政治形態を良い所はそのままで 少しでも良くしよう姿勢こそが 国を長続きさせる秘訣です。 他の多くのものと同じように 民主主義もいきなり与えられたものなので、 そういう行動が日本の中にみられないことが 大問題です。そして、民主主義への攻撃だけが 下記のようにみられるのです。)

憲法や法の精神が骨抜きにつぎつぎとなっています。

先月ご紹介したように安保関連の閣議決定と法の成立過程では なにかあったらなんでもしていいという 人治主義の思考が見え隠れしています。 それでよかったらこの数千年の法学の進化の歴史は必要ないこと になってしまいます。 歴史の認識の欠如しているのでしょう。

野党の国会開催要求にあったのに いつまでに開くという文言がないということで 開かれないようですが、 文言がないのであれば それは即日ということです。 まさに憲法違反なのに 裁判所も自ら動こうともしません。 それほど憲法審査に抑制的であれ とも書かれていないのです。 別に積極的に動いても憲法違反では ないのにそういう場合には動いていません。 よく言われていることですが、 憲法は権力者の行動を縛るものなのです。 ですから憲法が実効的に動作するには 権力者の行動を制約する方向に 解釈せねばならないのですがそうなっていません。

おそらくこれらのことから類推すると 静かに憲法が停止されているということなのでしょう。 今ならまだ国民ひとりひとりが 声を上げればおかしな点がでてきて そんなことはできなくなります。 しかしこの本のローマ市民のように寝たままだと そのまま規定事実になってしまいます。

じっさいこのまま既定路線としようとしている 動きが見え隠れしています。

特に民主主義で、もっとも重要な表現の自由が大きく損なわれ はじめています。

まず政権への反論が許されません。

ある本屋で民主主義特集の棚をつくってフェアを実施そただけで ネットで批判がおきて最終的にやめてしまったそうです。 (報道によるとなんでも棚の並びを再検討しているそうです。)

問題があった本屋は 棚を書店員が選ぶのが特徴なのに それを書店みずから否定してどうするのでしょうか。 (それで話題になったということはそれに感心がある人が 多いということで大成功です。もしその方向に問題があると 考える人がでてきたと考えたらそんなに民主主義はよいものか という棚を別につくればよいだけです。 ますます人を呼ぶことができることでしょう。 経営上なんら問題はないはずです。)

このようなことは合併前の会社ではありえなかったのではないでしょうか。 現在大手本屋がほとんど合併していて不気味です。 (民間からも言論統制が可能になってしまっています。 図書館にもなかなかない 絶版本も手に入るAmazonにがんばってもらうしかないという心境です。)

国中で合併の悪影響がでているように思われます。 新国立競技場でも2社程度しか応募できなかったと報道されています。 昔の日本は財閥系のグループが6個程度あったので どの業界も6社程度がいつも争っていました。 その結果一度国際競争力を持つと 一気に海外市場を制覇できたのです。 今は逆に数社しかないので 競争がなくなってしまって 競争力自体がなくなっているようにみえます。

企業からすると独禁法はゆるめてほしいのでしょうが 国からするときちんと4から5社が争う状況に して日本の競争力を維持するように独禁法を強化するべきなのです。

しかし企業に甘い自民党がほぼ政権を独占しているので 企業側にとって有利すぎる状態になっていて 日本のあちこちで競争力が低下してしまっています。

そういう政権交代を引き起こすもとは 言論の自由であり、法や人権の尊重です。

その基本が崩れてしまっているのです。

法が崩れるということは官僚の方の後ろ盾もなくなるということです。 某国のように指導者が気に入らないと処刑されるという国になってしまうかも しれません。政治家も権力を失うことでしょう。(十八史略や三国志などに いやというほどそういう場面がでてきます。) 企業も国家の監視下におかれてしまいます。(報道によると中国では あらゆる組織に党員がいないといけないそうです。企業秘密も国家には 筒抜けということなのでしょう。 国の指導者はそんな状況でイノベーションが生まれるとでも 思っているのでしょうか。) それで成功した国は戦前戦中の日本を含めて歴史上ひとつもありません。 唯一成功したのは、財閥解体して自由に競争させた戦後日本の企業です。 (戦後通産省が指導した業界もうまくいきませんでした。 ゆうことを聞かなかった業界の方が日本をささえたのです。 なぜなら未来を予測することはそれだけ難しいので リスクをとらない国主導では時代の方向性とずれてしまうのです。) このように政官財国民の誰にも得にならないのですから すべての日本人はもっと声を上げるべきでしょう。 (私からするとまだまだ小さいと思います。 官能小説で喧々諤々の議論がおきたエネルギーはどこにいったのでしょう。 そんな問題よりはるかに危険な問題がおきているのです。 こういう押さえつけかたをみると 先月述べたようにどこかの国か組織に オペレーションを戦前と同様にかけられてしまっている ようにみえます。 独裁化はオペレーションしようとしている組織にとって 極めて効率的な手段です。 中国が香港にやっているように トップだけ籠絡してしまえば よいのです。 そうさせないためにはきちんと民主主義や 三権分立や立憲主義そしてそれらを支える 法治主義を守りつつ政策を実行していくことが必要です。 そうなれば、一部門を籠絡されても 他の部門がおかしいことに気がついて オペレーションを受けることを 防ぐことができるのです。 現在の右の方でそういう守りも考えながら政策を実現しようと している人がほとんどいないのも 上記の予測の信ぴょう性をあげています。 前にも述べましたが アジア諸国には民主主義や啓蒙主義や人権の概念が 最近までありませんでしたから、 そういう国の主張を代弁している方の主張から そういう概念が抜け落ちるどころか そういう方が敵意を持ってはなされることが多いいのです。 結局戦前と同様に諸外国に動かされてしまっているのでは ないでしょうか。普通の日本人の方がもっと 政治に興味を持って発言してほしいものです。)



では、また来月に。

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