今月の本   1403号 KAGAKU Jan. 2013 Vol.83 No.1
(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)




今月どれを御紹介するかまよったのですが。 結局、なんと二ヶ月つづけて 同じ雑誌になってしまいました。

やはり昨今の状況があまりに情報不足なので それを補う情報がいくつものっている 本雑誌を選ばざるをえませんでした。

とはいっても先月と異なり一年以上前の雑誌なので 時間的補正は読者が自分でやる必要があります。

たとえば、 この雑誌は山中教授のノーベル賞受賞を 受けてつくられた記事がのっています。 しかも専門家(本人含む)が書いているので 今問題となっているstapや山中氏のiPS細胞が やろうとしていることをわかりやすく (再プログラム化という共通の考え方で)理解することができます。 これを読むと一年前のレベルでは ちょうどSTAP細胞の論文のときに 理研が説明していたような状況で iPS細胞もまだまだ道半ばで課題が山積のようです。 その後の京大の反論 [https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/other/140212-194926.html] をみるとその後の一年で問題点が大きく改善されているようです。 この研究分野の進歩の早さが窺われます。 報道でこの分野に興味を持った方は読んでみられることをおすすめします。 (ちなみに昨今の報道は業績、作法、人柄の区別なしに報道されていて これではなかなか日本からはイノベーターは育たないことでしょう。 業績と人物はまったく別で殺人犯(海外には実際幾人かそういう方がおられます。) であっても業績は評価するとしないと学問が進みません。 よく再現できたら本物と報道されていますが、 青色LEDのときには数年間まったく他の追随をゆるしませんでした。 この記事を読むとiPSも最初のうちはそのような戦略をとっていたようです。 業績が斬新であるほど追随が難しいものなのです。 そして業績が斬新であるほどあらを探されます。 相対論などはきわめて長期間疑われていました。 ノーベル賞も相対論では与えられていないはずです。 入門書などにもいくつかの別の説なども 併記されていたものです。 それが実験技術がすすむたびに相対論が勝ち残り いまでは専門家で疑う方はほぼいないまでになりました。 それでも最近重力波の検出の報道があったように今でも検証され続けているのです。 アインシュタインはよく生涯にわたって攻撃に耐えられたものです。 そして、そういう攻撃をうけると同時に 神はサイコロを振らないとして量子論につぎつぎと 攻撃をしかけました。こちらのほうは、 結果的にその結果量子論の方が正しいという実験結果がつぎつぎでてきましたが、 その分量子論の理解も大きくすすみました。 このように新しい分野を切り開くときは評価が揺れ動くものなのです。 いままでの日本はキャッチアップ型だから海外の結果を再現できれば ほぼ正解でした。そういうものにマスコミの方がなれすぎてしまって こういう論争があること事態が問題だみたいな論調が感じられます。 (もっともそういうキャッチアップの考え方は理研の反論内容にもみてとれます。 理研がこれから再検証しようとしていることは、STAP細胞というものがあって それがiPS細胞と同等かより優れているというiPS細胞という目標ありきの 目標となっています。環境負荷をかけただけで遺伝子が動くのが本当であれば 本来それだけでノーベル賞級の大発見です。そして、そこまでは 共同研究者の方も確認しているそうですし第三者でもできたという記事もありました。 それが本当ならそれで十分な大業績です。それに対する反論で、私が一番ありえると思ったのは 死にかけの細胞が光ることがあるというようなものでした。 ですから念のため光った細胞がちゃんとそのあとも生きつづけることは確認した方がよいとは 思いますが、理研が主張しているような検証は、iPSと同等な応用分野があるかどうかという 工学的な興味を確認するものでしかありません。(しかもあの方法ではたとえ検証できても本当に万能なのか といろいろさらにつっこまれて、最終的にはあらゆる細胞を培養してみせないと納得しないのではないかという気はします。 (もっとも信じる人は相当増えることでしょうから主権はえられるとは思います。)) そして、かりに細胞が生きつづけてSTAP現象があるとなったら、 この現象をいままで多くの人が死にかけの細胞が光っているんだと考えていて見落としていたということになります。 このように物事は検証結果によってはまったく逆の意味になります。 はたしてどちらでしょうか。どちらが正しいかはすぐわかるのではないでしょうか。 そして、もしそれが証明されたらそれだけでも十分な(理研は気がついていないようですが)工学的応用分野が生まれます。 なにしろいちいち顕微鏡で操作しなくても遺伝子を発現できるのです。 手術中や医療中に細胞の種類を変えたいときに自由に変えることができたらどれだけ治療がやりやすくなることでしょう。 かりに万能性がなくてもなにかの種類にかえられるという結果さえあればその細胞を必要とする治療に使うことができることでしょう。 (細胞を増やす必要すらないかもしれません。) 理研はあまりにiPSの功績がまぶしくてSTAP細胞の本当の可能性に気がついていないのではないでしょうか。 (もちろん上記に述べたことは検証の結果SFであったという結果になる可能性も大いにあります。ですがそういう可能性が あるならそういう可能性があるのかないのか確かめる方向に研究計画をたてるべきでしょう。)) とはいっても私は別に擁護しているわけではありません。 なにしろ実際どうだったかは現状の報道からはわからないのですから。 (実際あれだけ話題となった常温核融合は結果的に現在説得力をもった 結果がでていません。) ただ、学問業績と関係ない問題とからみあってしまって 議論が本質から離れていってしまっているのが残念なのです。 なにしろ捏造疑惑をふくらませて報道しているわりに 細胞の最終確認は問題ないとたいていしています。 これでは、かりにSTAP細胞がなくても もっと革命的ななにかがおきていないと 説明がつかないように思われます。 もしそれを否定するならば、 個人研究ではなくプロジェクト研究なので 最初からグループ全体で示し合わせないと ああいう結果はでてこないようにみえます。 その場合バレるのは明白な行為をなぜ組織だって行う必要 があるのかというより大きな疑問が生じます。 (もし悪意をもって結果をだしたのであれば、 研究成果として残してある実験体の遺伝子を調べれば わかる可能性は高いことでしょう。たとえわからなくても可能性のいくつかを 消すことができます。なぜ理研は調査におよび腰なのでしょう。 警察ざたにはできないにせよ、現在ドラマでやっているような民間の 科学捜査会社に頼めば、どちらかの主張を裏書するような証拠がいろいろみつかるのではないでしょうか。) よって、私にはなにか新しいことがおきているようにはみえているわけです。 (最近成果物の調査結果がいくつかでてきました。 私にはますます複数人がからんでいるようにみえてしまっています。 (ただ、いくつか納得できたこともあります。 論文のやりかたでは免疫不全のマウスができあがるという主張が もっともだとおもっていたのでそんな難しいマウスをつくったのかと 不思議だったのですが、違う細胞だということで納得できました。 そして、そうなるとSTAPしかできないとされる論文の写真が同一のものを 細工したのではという疑惑も納得できます。ただ、その実験は 当初の説明では小保方氏ではない部署が担当していたということでは なかったかと思います。そうなるとやはり複数人が関係していたのでは と思ってしまいます。) その可能性を消すには論文や実験にかかわったすべての人の 実験ノートを確認すべきでしょう。 どういう経緯でES細胞がつくられ それがどういう目的で伝達されたのか。 stap細胞がなぜ残っていないのか。 いったい研究の分担はどうなっていたのか。 (最近の報道では、当初の記者会見の時の説明と異なり、 そもそも論文ができてから研究室をもつ身分になったとされています。 ということは実験をだれかが監督指導する責任があったはずですし、 同僚も協力しなければ実験などできなかったことでしょう。) 割烹着のアイディアはだれがだしたのか。 (小保方氏への印象を落とす報道 (著者のうち小保方氏のノートだけ公開されるなど)が過多であることことなどからして 広報関係者もなんらかの行動をしているようにみえてしまいます。) などの疑問点を明白にする努力をするべきでしょう。) 批判される方も研究作法や人柄ではなく こういう根幹についてぜひ切り込んでいってほしいものです。 そういう論争であれば結果がどうであれ その領域の理解が多いに深まることでしょう。 (実際上記のような疑問点に封印しようとしているかのごとく 幕引きを急いだ理研の態度が明確になりました。 これは(今後STAP細胞があったとしても)致命的で、 今後世界の論文誌に理研の成果が載りづらくなるのではないでしょうか。 私は戦前の理研が大好きで、そのころの研究所は世界一の研究所だと 思っていました。そして、そういう方向へまた向かっていってほしいと思って いたので大変残念です。 だいたい理研ほどの研究所なら、研究秘書をおいて 実験データや研究ノートの作成管理はその人にまかせて 研究者は研究に集中できる環境をつくるべきなのです。 昨今の報道をみているとそもそもその方向性が根本から間違っているように思われます。 あとから書き込めないように 斜線を引くなどと細かく指導しているようですが、 そこまでやっても本気で偽造しようとしたらできてしまいます。 しかも本来研究ノートは研究の方針などを整理して考えをまとめる ためのものですからそこにあとから書き込めなかったら不便でしょうがありません。 武田教授が実践されているという映像で実験を残す方法の方がよっぽど 現代では簡便かつ有効です。(私のようなものが実験をすると 同じ実験をしても結果が異なっていることがよくあり そのたびにカメラで全行程をとりたいものだと思っていました。 しかしそんな贅沢はつい最近まで不可能だったのですが、 それがいまではスマホでも4kの時代です。 そういう技術こそ積極的に使うべきでしょう。 (最近選挙管理委員会の信じられない不正がみつかりましたが 開票作業もすべて録画して投票者や候補者がいつでもみれるように しておくべきでしょう。それにしても立会人はなにをしていたのでしょう。)) そしてそれを書き換えられないDVD-Rなどに 記録して証拠とすればよいのです。 (警察の裁判証拠用のカメラなどが安く市販されてそういうものを使えれば なお安心でしょう。)) )

また、放射線が細胞にどのように影響するかを丁寧に説明した記事もあり、 これは日本人なら全員読んだほうがよいでしょう。 どういう順番で影響がでていくのかが詳しくかかれています。 特に驚いたのが比較的安全とされていてそのまま海に流すとされている トリチウムが体内に入ると細胞死をもたらすというところです。 細胞が損傷をうけて細胞死にならなければ運が悪ければがん化してしまいます。 つまり生物はトリチウムによってなんらかの影響をうけるということです。 細胞死にはまわりに影響をあまり及ぼさないアポトーシスと細胞膜が壊れて 炎症をひきおこすネクローシスがあります。 記事にはトリチウムを細胞に入れる実験ではアポトーシスがおきたとあるのですが、 細胞にとっては予期せぬ異変ですからネクローシスも一定割合おきるのでは ないでしょうか。つまり放射線をからだが受けることで いたるところに炎症がおきるのではないでしょうか。 そう考えると(以前から警告しているように)チェルノブイリでは まず心臓や脳などの血管系の疾患がふえていることが理解できます。 炎症ができたら血管にこぶができますし、壊死したら穴があいてしまいます。 ですから、トリチウムといえども海にださないようにすべきなのです。 トリチウムは核融合の燃料なのですから 回収できないなどということはないのです。 たんに単価が高いためやらないだけです。 回収しないのなら半減期より十分保管してもよいのです。 そういう費用を会社の収支がおかしくなるからと 出し惜しみしているようにみえます。 それで原発電力は安いなどというのは 本末転倒でおそらく第二第三の水俣病となって さらに費用がかかることになるでしょう。 (報道によると海に流そうとして汲み上げた井戸の水から 一リットルあたり1500ベクレルのトリチウムの基準をこえたものがでてきたそうです。 そして、1200に下がったから問題ないというような報道がされています。 しかし、トリチウム濃度の平常時は1リットル当たりおよそ1ベクレルの程度です。 [http://anshin-kagaku.news.coocan.jp/helr7-33.htm] 測定値をみるとすべての井戸があきらかに異常値を示しています。 [http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2014/images/around_h6_14043001-j.pdf] TVでみた漁民への説明では汚染されるまえのきれいな水だからと説明していました。 あきらかに汚染されています。 まずは汚染原因を調べることが第一でしょう。放出どころではありません。 汚染水もれの水が到達したのか、すでに雨が汚染されて地下水まで汚染されているのか それとも燃料が地中まで到達してしまったのかによって対策も大きくかわってくるはずです。 地元の方は 目標値は、毎日水を2リットルずつ飲んでも年間の被ばく量は0.22ミリシーベルトで健康には影響ないというような説明で 放出を納得してしまったのでしょうが、このシーベルトには 上記のような心臓や脳のような血管系の疾患の影響は含まれていないのです。 自然界レベル以上のものを放出してはなりません。) (海にだせば薄まるという方もいらっしゃいますが、 それは一様に溶けたらという前提のうえで成り立つことです。 核実験のときの汚染は太平洋のある深さに帯のようにぐるぐるまわっていたそうです。 今回のように直接海中に放出した場合はまたちがう挙動を示すことでしょう。 さらに、トリチウムなどの放射性物質が化合物の状態なのか水素貯蔵合金のようなもので危険なパーティクルに なっていたりしないかなどの状況もいっさい不明です。それによって生物濃縮の仕方も人類にとっての 危険度もかわってきます。) (それどころか決めた基準を超えている井戸まであるのに 混ぜれば大丈夫として放出してしまっています。その結果通常時の100倍以上の 濃度の水を流しています。通常の100倍ということは これをもとになる病気があれば病気が100倍から千倍おこりやすく なるということです。薄まっているかの確認も数点で不十分であり その数点の確認でも相当離れていても数値が上がっています。 まして、薄まる前に蒸発して陸側に降ってきたらどうするのでしょうか。)

では、また来月に。

関連リンク:http://yokutoku.y.ribbon.to/mm156.html








             
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