今月の本   1309号 原発と裁判官 なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか 磯村健太郎, 山口栄二 (著)

(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)




今回も日本人に(とくに法曹界の方々に) 読んでほしいということで選びました。

以前法曹界の方は福島の事故にたいして 責任を感じてないのではないかと述べましたが、 ある意味それに対する回答のような本です。 原発推進の判決にかかわった裁判官の多くが 悩んでおり、その悩みを率直に記録したのがこの本です。 ぜひ法曹関係の方はこの本を読んで二度とこのような事故が おこらないようにしてほしいものです。

なにしろ最近の動きはこういうひとたちと逆の方向へと 進んでいるようにみえます。 電車事故にしろ原子炉事故にしろ 経営者は危険を予見できなかったということで 無罪となってしまっています。 そんなことをいったら 交通事故の運転手のだれもが そう思うことでしょう。 予見していたらスピードをだしていたはずはないのです。

こうなるひとつの原因は司法がみせしめに罰するという社会的な 雰囲気があるように思われます。 最初に有罪かどうかが判断されて そこで有罪になると大罪人となってしまい 社会的地位を失ってしまいます。 しかし罪にも大小はいろいろあります。 タバコを一本拝借するのと社会を破壊するのでは 罪の質が違います。 危険を予見できたかどうかという罪は 業務上過失XXになると思われます。 なにか問題がおきたのに経営者がまったく罪にとらわれないのでは 組織として成り立ちません、 電車事故であればおこる前にその事故がおきないように対策をとる 責任が経営者にはあります。 もちろん相当やっていたのにおきてしまったということは あると思います。 それでも実際に事故がおきてしまったのに罪がないという 判決はどうでしょうか。 運転手がかってにやったにせよ それを防ぐ手立てを思いつかなかったという点で すくなくとも自転車を放置したのと同じ程度の 罪と同じ罰金くらいは払うべき罪はあるはずです。 その程度の予兆ならいくらでもあったことでしょう。 現在の司法の判決はその予兆をみつける努力を否定しているので 社会的不安定をよりましています。へたに調べてしっていたということに なった方が罪が重いということになってしまっているので、 なるべくみざるきかざるでいようということになってしまいます。 きちんと予見する可能性が小さくても調べなかったことを罪に問うべきなのです。 原子炉事故でも同じであとからみると いろいろ予兆があります。 たとえばデータ改竄事件そして、 柏崎地震での火災など、 マーフィーの法則でいうところの 危険度がどんどんましています。 いずれ大事故がおきることが予見されています。 しかも津波に関しては国会で質問までされているのです。 それを学会主流の意見だから予見できなくて当然というのは問題です。 発掘した地質学的証拠があるのにそれをとりあげなかった罪は重いはずです。 もちろんそうはいっても専門外だから専門家の意見に流されてしまったということは あるかもしれません。そういう意味での情状酌量はあって (私自身はもっと重罪だと思いますが)罰金千円ということはあるのかもしれませんが、 論文をみすごして無罪ということはありえないと思いますし、 まして反論しているのでより罪は重いように思われます。

経営者からするとなんでもかんでも罪をせおっていたらやってられないと いうことだとおもいますが、民法的にいえば、代表の肩書きはまさにそういう責任を負うという 意思表明なのです。 罪の大小はともかく自分の法人が問題をおこしたのに 代表がまったく責任がないという現状は問題です。 本来は代表が責任をおって、 その上で代表が問題をおこしたもとの人や組織をうったえるようなしくみに かえるべきでしょう。 たとえば、東電やその経営陣はそういう責任をおった上で、津波の予測を否定した証言をした地震学の専門家を 刑法では業務上過失XXで告発し、民法では損害賠償で訴えるべきです。 もし専門家が正しい判断をしていたら 事故は防げたかもしれませんしより小さな規模でおさえられたのです。 もちろん、こういうと今度は専門家がそんなことされたら やってられないというと思いますが、 もちろん同様にどこまで予見可能であったのかをみきわめる必要はありますので、 罪といっても絞首刑ということではないのです。 しかし、あれだけの予測間違いをして 自転車放置の罪より軽いということはないと思います。 専門家のいるいみがありません。 研究者が心を入れ替えて研究を続けられる程度の罪は負うべきでしょう。 (ただ。私自身は、実際にはわかりませんと報告すべきなのに さも予測できるかのようにふるまった専門家の責任は相当重いと考えます。 現在もそういう専門家が同じような言動で再稼働や放射性物質が安全だというような評価をしていて問題は拡大しています。 福島の汚染水問題はなにも解決されていないで汚染水の流出はつづいているのに、試験操業が再開されました。 (一定量の流出が続いていて濃度が一定なことをなぜかコントロールされている状況と定義してしまっています。) 試験だからしらべるだけかと思ったら出荷までしているようです。 しかもいまだにストロンチウムを調べていないのに安全だというような判断をしています。 ストロンチウムは骨にたまるのに、しらすのような骨を食べる魚も出荷しています。 これもあとで問題がおきたら想定外にして自分の責任はとらないということなのでしょうか。 本来はマスコミがやめさせるべきなのにまったく問題を放置しているのが理解に苦しみます。 津波の瓦礫は沖縄や日本海や西海岸でもつぎつぎみつかっているのです。 汚染水の問題は福島沖の問題ではなく太平洋全体の問題なのです。 本来は、すべての漁協に日本近海さらには北太平洋での操業を禁止すべき大問題です。 原子力の専門家はうすめればいいといってますが生物濃縮や回遊魚の存在をしらないのでしょうか。 ほとんどの魚は太平洋全体をおよぎまわっているのです。 漁協の人も禁漁されてはこまるというなら、 海への汚染物質の流出をとめることや 海中海底の高濃度の部分の叙せんを国と東電に依頼(あるいは執行命令を裁判所にだしてもらう)べきなのです。 そして、ガンマ線やベータ線中性子線は全量検査するだけの機械を国や東電に要求すべきです。 さらにアルファ線源もサンプル調査すべきでしょう。(そして、全数調査ができないので プルトニウムなどは肺に吸い込むと危険なので魚貝類を燃やさないように呼びかけるべきです。 なにしろこれから何万年もなくならないので、世界中の魚貝類について注意しなければなりません。) 前にも述べましたが放射線の影響は現在わかっているよりはるかに大きい可能性があるのです。 もっと慎重にとりあつかわないとあとあとどんな災難が日本にふりかかってくるかわかるものではありません。 (証明はされていませんが、だいぶはなれたモンゴルでさえ影響がみられますし、同じ緯度にある秋田県で 自殺者が増えるのはチェルノブイリ事故以後です。(旧ソ連でも事故後しばらくして自殺者が増えているので関連が疑われます。)) γ線しかはかっていないのに安全だということを無知な農作物や魚介類の生産者にいわしている 行政や専門家の罪はきわめて重いと重いますが、現状では問題がおきても無罪なのでしょう。 (こういう風潮はまさに法律の専門家自身が意図的に作り上げた可能性が多いにあると思っています。 なにしろ経営者が法律や会計の専門家から助言をうけるとき大抵本情報でその会社が損害を受けても 我々の責任ではないというような文言がついてきます。TVをみているとそういう風習だからついていると 一般の方(高名な経営者を含めて)は多く思わされているようですが、なんら法的根拠のない文言であって、 なんらかの専門家に助言を得るときにそのような文言は外させねば、本音の意見など、教えてくれるわけもありません。 これも法律に無知な人たちを専門家が巧妙にミスリードして自分たちを不当に有利にしている現象です。 まさにこのような専門家が無知な一般人より不当に有利な立場に立とうとしている傾向が上記の判決の傾向にも現れているのです。) 司法が変わらないかぎり日本からは原発事故は収束しませんし、原発を含めた大事故はなくならないことでしょう。)

このようにひとつの問題がおきたらその責任をきちんと 追っていって全体として再発を防ぐ仕組みが司法に必要だと考えます。 現在は、個別に裁判がおきるので時期的にもばらばらになりますし、 Aの事件ではBが責任が大きいということでAは無罪となり Bの事件ではAの責任が大きいということでBは無罪となって 結局両方責任がとられないという件案を時々目にします。

因果関係がある裁判はなるべくいっしょにやって問題の 解明をすすめて、社会正義を実現するように 司法当局は行動すべきではないでしょうか。

そして、司法が変わらないかぎり 日本では誰も責任者がいないで巨大システムが動いているということになりますから、 原発のようなあぶないものを動かす資格自体が日本にはないので、 即時全炉廃炉しなければならないのです。 立法府や司法はただちに行政府に勧告すべきです。

では、また来月に。

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