今月の本   1209号 クドリャフカの順番 米澤 穂信 (著)
(今回はメルマガ発行後の状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)


今回は。久しぶりのライトノベルです。 もっとも作品を知ったのは今年製作されたとアニメをみてからです。 本も傑作なのでご紹介するのですが。 アニメは絵やシナリオや音楽どれをとってもさらにみごとでした。 私のアニメランキングの中では銀河英雄伝説、十二国記と同じ高いレベルになると思います。 ミステリーものとしては小説を含めてNo.1です。 なにしろ殺人事件がいっさいおきず日常生活のなかにミステリーが組み込まれているので、 怖い思いや気味悪い思いをせずに、またしょっちゅう事件がおきるという不自然さを感じることなく 謎解きに集中して楽しめるので、私ごのみです。ぜひこういう作品がもっと増えてほしいものです。

じつはアニメや漫画で傑作と思うのは久しぶりです。 バブル前後から狂った目をもった登場人物 が普通に登場するようになって、 私はなんか言霊ならぬ絵魂があるように思うので そういう作品をさけていたらほとんどみなくなりました。 おそらくクリエータの方にバブルやその崩壊のストレスがかかったためかとも 思いますが、半分以上の作品がそうなっていることは異常であるように思っていました。 (べつにそういう作品をなくすべきだと考えているわけではありません。 ただ、せいぜいそういう作品やホラーやスプラッタやボーイズラブもののようなものは 2、3割であってほしいとおもっているのです。普通の人気作品の多くにそういう傾向が みられるのはあまりに異常だと思います。キャッチーな表現を求めたくなるのはわかりますが ふつうに手にとったり観たりするものの大半は そういうキワモノにはしらずにおもしろいものをクリエータの方にはつくって欲しいものです。 その点でこの作品は日常の普通の生活の中にミステリーをとりこむという 難しいことに挑戦してかつ成功しているので見事です。 小中学生に推めるのならホームズよりもこの古典部シリーズであるべきでしょう。) 今年は震災があったからかそういう作品が減って 私が好む作品が多くでてきて喜んでいます。 夏色キセキも絵がとても綺麗でしたし音楽も最高でした。前半のシナリオの勢いが後半までつづけばさらに 傑作になったと思います。 人類は衰退しましたもライトノベルのアニメ化で本ののんびりとした感覚がみごとに表現されていて関心しました。 ただ、私が思うにこの作品はみかけとちがって内容は意外に深いので、楽しみ方が難しいと思います。 それぞれの話の主題に関する分野についての本をいろいろ読んで知識を得てから読んだり観たりすると一番楽しめると思います。 (問題は最後まで読んだりみたりしないとなんに関する話なのか見当つかないという構造になっているところです。 これがこの作品の魅力なので乱読を十分して多方面の知識を得てからから楽しむのがおすすめです。)

ぜひこの風潮がさらにすすんでほしいものです。 こういう作品が増えることは日本のソフトパワーを再び増すことになるでしょう。

堺屋氏も以前TV討論番組で指摘していましたが、 日本の競争力は電気業界だけでなく ソフト分野でも大きく落ちてきています。 アニメ分野でも外国で視聴率をとれる作品はほとんどなくなって います(昔は海外の国が禁止しようとするほど魅力があったのですが最近のでは難しいのでしょう。 昔は還流ドラマ程度の脚本をかける方はやまほどいて、 うっかりドラマやアニメをみてしまい時間がとられることは しょっちゅうだったのですが。)し、あれだけ世界を席巻していたゲーム業界などもでも海外では 海外製が主流になっています。

通常は国力が衰えるときに文化的な成果がいくつも生まれるので日本でもどうかと思っていたのですが、 産業と同時にコンテンツ力もバブル後衰えていったので、個人的には不思議でした。

たとえば、個人的に世界最高水準にまでいったと思っていたフジのドラマ制作力もだいぶおとろえて すきがみえる番組が多くなりましたし、ジブリでも宮崎駿監督の躍動感のある人物描写も次世代の人に 伝わっていないようです。ある程度は伝承できるものと思っていたのですが、日本では管理職が見る目が ないのでそういう技術が評価されないのでしょうか。もっともそれは製造業でも同じように思います。 あの輝いていたソニーなども普通の会社になってしまったように思われます。 もっとも米国でもジョブス氏亡き以後アップルが勢いを保てない兆候(最近米国アニメの質がおちています。 あまりしられていませんが、ピクサーなどのアニメの質が上がったのはジョブス氏が最終的に品質管理していた ためです。おかげで幼児を持っている親にとって日本製よりもピクサーやディズニーなどの米国製アニメのほうが 安心できるようになっていますし、そのうえおもしろいので、国内でも米国産CGアニメが広まったのです。 実際私もCGであんなにおもしろい物語ができることに驚いた記憶があります。)がでているので そういうノウハウの伝承は難しいのかもしれません。

電機業界と同様にソフト部門も日本が衰退するのは止められないのかと思っていたのですが、 今年の作品群をみると、まだまだ反撃は可能のようです。

ぜひ、こういう作品を量産してソフト部分での日本の地位をとりもどしてほしいものです。

そして、それを他の分野の方々も見習ってほしいものです。

財界の方々の原発に関する発言をみているとこれではいつまでたっても日本の景気はよくならないと思わざると思いません。

民間の保健で対応できないということは、それだけ危険で費用がかかることがわかっているにもかかわらず、 国に事故の保証料を減らすようにとかさらに原発事故の責任を有限にすべきとか主張しているようです。 その上に原子力が安い電力だから廃止することが必要だというのは、 あきらかな論理矛盾です。本当に安いのなら原子力事故の無限責任に対して保険業界で保証すればよいのです。 こういう主張をしているということは国が負担すれば経済界に負担がかからないとでも考えているのでしょうか。 中小企業ならともかく経団連規模の組織が国の影響を受けずにすむはずがありません。 かりに法人税で負担しなくても重税となって景気が下がって企業経営を直撃することでしょう。

私には当座自分がトップでいる間だけ事故がおきなければ先のことは知らないという 近視眼的判断をしているとしかおもわれません。しかも、地殻が活動期にある現在おきない保証はまったくないのです。

普通であれば少しでも事故時に広がる可能性がある放射性物質を減らすために即時全炉廢炉を主張するとともに、 使用済燃料の安全確保に全力をあげるように要求してそのための資金を拠出するくらいの行動をとるべきでしょう。

青森に使用済燃料があつまっていますがきわめて危険です。なにしろ青森おきで大地震がおきる確率が 高まっているその先にあるのです。すっかり忘れられているようですが 311のときでさえ非常用機器が故障してあやういところだったのです。 福島原発よりも多数の使用済燃料があるのです。日本というより世界の危機でしたし、 その危機はある意味いまでも続いています。ようやく乾式の保管装置の中に入れるという案がでてきた ようですが、それを大量生産して入れ終わるまでとても再稼働などいえる状況ではありえません。 青森だけでなく全国にあるのです。青森県は再処理をやめるなら燃料を返還するといっているようですが、 そうした方がよっぽど安全でしょう。

このように安全に数十万年燃料を保持するだけでせいいっぱいのはずです。 事故をおこした福島第一の収束を含めてやまほどこのような課題があるのです。 とても再稼働をやるようなリソースもひまも資金もないはずなのです。 報道によると再処理施設も止めるように米国からいわれているようですが さっさと止めて不要な費用や人材を節約すべきです。 核拡散を心配しているようなのでできれば燃料やプルトニウムも米国にひきとってもらえば 危険がだいぶへります。 また報道によるとなぜかもんじゅもまだつづけるようです。 その理由が廃棄物を減らすためとかされていますが、 そういうものは何年もかけて実験してためしてからにすべきです。 普通に考えてもプルトニウムは消せてもまた新しい寿命が長い放射線元素がでるはずです。 しかもそれを壊すたびにエネルギーが発生するのでそうそういそいで消すことはできません。 本当に実証できるとわかってからあらためてそういう炉をつくるべきです。 そしてもんじゅはすみやかに燃料をとりだすとともに ナトリウムを抜いて危険を少しでも減らすべきです。 さらには規制委員会自身に問題があるようです。 大飯原発の即時停止は行わないようで、やはり原子力村に近い人々が選ばれてしまったようです。 前にも述べましたがそれでは福島の経験からなにも学んでいないことになります。 311の数日前にも津波の危険性が指摘されていたのです。そこで止めれば被害は数分の一以下に減ったことでしょう。 現状のまま動かすことはバックチェックをやるといった方針とも矛盾します。 バックチェックは即時にやらなければ結局福島のように何年もほっとかれて意味がなくなります。 これは同時に建設中の原子炉すべてにも通用しますから当然建設をやめて設計図の審査から やり直さねばならないはずです。 また記者会見参加者を制限するというような耳を疑う報道がなされています。 民主・自主・公開の平和利用3原則を知らないのでしょうか。 原子力規制庁がこういう態度をとったということは、規制庁自体が原子力平和利用の要件を満たさないということで 即時廢炉しかない状況にあるということです。他にも即時廢炉しかない理由にはことかきません。

このような危険な状況を財界がほっとく現状こそが不可思議です。

クリエータの方々はあきらかに311後アクションをおこしているのですから、 政財界の方々も、現状維持をやめて、即時全炉廢炉というような きちんと日本の将来を数百年数万年単位でみすえた活動を行ってほしいものです。 そうすると新たな産業が生まれて日本も繁栄しますし、 核燃料や石化燃料に頼らない世界となることで紛争もへり世界貢献ができることでしょう。 なにしろ貧乏な国でもエネルギーを使うことができるようになるのです。 世界経済もおおいに繁栄することでしょう。

現状そうならないのは経済危機となって合併で大企業が生き残っていることも原因と思われます。 そのため、企業がたちゆかなくなった無能な経営者が生き残って、 従業員が合併後削減されるということがつづきました。 企業は競争相手が減った方が楽なので合併を官僚に働きかけます。 そのため不審企業はたいてい合併で救済されます。 しかし以前も述べましたが合併で企業がよくなった例は ほとんどないのです。むしろ悪くなった例の方が日航をはじめGMやダイエーや日産など枚挙に暇がありません。 成功している企業は自分の力で成功しているのです。 (むしろラジオ戦争や電卓戦争のように雨後の筍のように企業が生まれた時の方が日本の競争力を生み出して きていいるのです。)

ですからまずそういう習慣からやめるべきでしょう。実際バブル後 ひとつに合併させた半導体企業やメモリ企業はいずれもいきずまりました。 報道によると官民で救うそうですがその際工場ごと営業拠点ごとに分社化すべきです。 そうしたら互いに競争して産業が活性化しますし、 万が一災害がおきても他の地域の会社から買うことができて防災上も有利です。 そしてなんといってもそれにより若い経営者が何人も誕生するのでそのなかで優秀な人材がやがて 日本をひっぱっていくようになることでしょう。 日航も本当は修理工場ごとと営業部門管理部門ごとに分社化して 互いに競わせるようにすべきでした。 そうしたら全日空があんなに反発するようなこともなかったでしょう。 たしかに救済された会社の方が大きいのはおかしいのです。 救済したら業界順位をおとすまで分社化することを法律に明示すべきでしょう。 これは金融にもあてはまります。世界的に銀行がつぎつぎ救済されていますが もとの規模を維持したまま資本が注入されています。 これでは経営モラルが破壊されてしまいます。 資本注入したら下位銀行より小さくなるまで分割するルールにすべきでしょう。 そうなれば前にのべたように、優秀な人材がトップにつきやすくなりますから 世界的な金融危機も収束することでしょう。現状では危機を収束しないで 危機の原因を企業から国へそして中央銀行へと移しているだけなので 一向に火種がきえません。

では、また来月に。

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