今月の本   1111号 風が吹いたら桶屋がもうかる 井上夢人 (著)

今回ご紹介する本は、読めばわかりますが一風変わった推理小説の短編集です。

井上夢人さんは、デビュー以来岡嶋二人として 二人で共著しながら推理小説の傑作を次々と 発表された方です。 一人になられてもあいかわらず おもしろい推理物をつぎつぎと 発表されています。 この本からはこの位多数の仮説をたてられるからこそ おもしろい本がつぎつぎに書けるのだろうと いうくらい同じ状況から多様な仮説が説明されますので いかに真実を見出すことが大変なのかを感じながら 物語を楽しんでみてください。

同時にこの本では 超能力に頼ることの 虚しさも描けててよかったです。 オウム事件のころは そういうものを無闇に取り上げることは自粛 されていたのですが、 最近はそういうものがあることを 前提としたような番組もまた増えてきました。 しかしそもそも超能力があるかないか以前に 超能力があってもこの本のように 役に立たないことでしょう。 ハリーポッタのように飛べても ジャンボジェットより効率的に 多くの人やものを運べるわけでは ありません。 フォークを曲げられても 車を組み立てられるわけではありません。 超能力者でもフェルマーの定理が解けるわけではないのです。 (占いのようなもので解けるのならもっと学問が進んでいることでしょう。) しかも仮にフォークが曲げられるとしたらそれはそれで 日常生活は大変です。通常でも歯ぎしりで歯を割ってしまう 人がいるのです。そのような人が悪夢にさいまなれたら 回りにいる人間や動物の骨を折ってしまっても不思議は ありませんし、建造物や家具さえめちゃめちゃになって しまうことでしょう。 空想科学読本でウルトラマンが 歩いただけで大地震になると指摘されていましたが、 通常でない力を仮定すると、日常生活などに問題が多数発生 してしまうのです。 そんなものにこの本の登場人物のように 精力を費やして努力するよりも 理工系に進んで技術を学んだ方が よっぽど多様なことが有益にできるように なれることでしょう。なにしろいまの技術は 昔の人にとってみたら魔法のようなものを 実現してしまっているのです。 そういうことをTVなどで主張している 番組がないのが、 またオウムのようなことならないかと、心配です。 (ようやく裁判が終わって 弁護団の方が死刑を避けるべきだと主張されています。 私は無期懲役の方が残酷だと考えることと冤罪の可能性があることから 死刑反対論者なのですが、 あのような事件を犯したのであれば 死刑はやむをえないことでしょう。 なにしろあの事件のおかげで人類文明の宝というべき 現憲法が保障している人権などの思想が蔑ろにされる風潮が 強まってしまったのです。 米国では911で同様のことになりました。 幸か不幸か米国では人権を無視した結果、悪い結果がつぎつぎでてきて 大分雰囲気が修正されてきて人権を少しずつ重視する ようになりつつありますがまだ以前ほどにはもどっていないように 思われます。日本ではさらに人権を守る意識が遅れているように思われます。 たとえば通信の秘密はないも同然となっています。 まるで24シリーズか攻殻機動隊かというような世界となってしまいました。 日本でも盗聴は裁判が必要となっていますが、 その装置がつなぎっぱなしにできることが問題です。 メーカーにスパイでもいたらスイッチがきれていても 常時自由に盗聴できるようにしてしまえます。 そうでなくても別に裁判の証拠として使わないのであれば 運用する人が令状なしに盗聴してしまうことは可能なシステム になってしまっています。インターネット上の通信は さらに問題でウイルス対策として通信をすべて 調べる機械がいたるところに設置されており セキュリティ会社がやろうと思えばいくらでも 内容を知ることができるようになってしまっています。 貨物や郵便も日本でも薬物やポルノ対策や関税対策で貨物の開封は当たり前で 手荷物検査などもその間に情報を盗むことは可能なシステムとなってしまって います。テロを防げるのであれば そのくらいしょうがないではないかという風潮が問題です。 もしそのようなことを野党相手に時の政権がおこなったら どういうことになるのでしょう。 相手の手の内がわかってしまうので 民主政治において一番必要な正常な政権交代など おきなくなってしまいます。 通信や集会の自由は民主政治を行う上で 必須の権利なのです。もしナチスのような政党が政権をとって その上でオウムにおこなったように 微罪でも徹底してつかまえるというようなことをやったら どんな政党でもつぶせてしまいます。すでに ソ連の秘密警察ばりのことがほとんどの国でできてしまっているのです。 前にも述べましたが民主政治は統治するがわを受ける側が統制するという 輪っかの構造になっており、それによって政治の暴走や堕落を防ぐしくみ となっています。その根幹である選挙システムが機能不全になってしまう 可能性がある大問題なのです。 別にこの問題を解決するのに技術的には難しいことではないのに 国会などの議論をみても行政側がその方向へ対応しようとしていないのが 極めて問題です。まず盗聴装置やISPなどのセキュリティ対策装置のプログラムや設計図は 公開するとともに申し込めばいつでもそれがそのとうりに なっているか検証する権利を万人に認めるべきです。 そして、オウムのような組織に送り込まれた人による犯行を防ぐために 盗聴装置やセキュリティー装置や端末や操作している人や荷物検査の様子を 常時録画して、本人もしくは第三者がいつでも確認できるようにすることです。 容疑者におしえられないのであれば、その間は第三者がかわりに確認するようにして 嫌疑が晴れるか裁判になったらすべてみれるようにすべきでしょう。 しかし日米ともにこのような規制側のチェックする仕様にはなぜかなっていないのです。 極めて危険で、これらの仕組みを他国の諜報機関にでものっとられたら 政権を自由にコントロールされてしまうことでしょう。 (ちなみに集会の権利が制限されているのはデモをするがわにも責任があります。 TVで安保闘争のころの経験を芸能人の方が述べているのをみたことが ありますが、どなたも参加したらいつのまにか国会前にいたというような ことを述べています。デモは革命をおこすために考案されたもので 少人数で大人数をコントロールできるようなしくみになっているのです。 ですからデモがいつのまにか軍のようなものに変容させることが できるので規制当局も神経を尖らせます。ですが、本来デモは 前もって届け出るものではなく道端から自由に参加できるような ものであるべきです。そのためには主催者が応酬の子供も楽しく参加できるような 暴徒とならないしくみで運用してみせることが重要なのですが まだ工夫が十分のように思われません。拉致被害者援助のための 青いリボンの運動などはその点スマートなやり方のように思われます。 ああいうもの(できればもっとかわいくわらえるもの)をつけてまちにでるだけというのも一つの方法でしょう。) 人権はどんな弱い個人一人一人にも権利があるということを保障することで 弱い人や小さな集団であってもないがしろにされないという 思想です。それを守ることで上記のように民主政治が初めて機能して社会が安定するようになりますし、 そういう思想であってはじめて弱肉強食の世の中を すべての人々が参加して謳歌できる世の中に変えることができるのです。 今後大国となる中国がもしそのような思想をもっていたら たとえ小国であっても大事にされるだろうと 考えるので世界が安定することでしょう。 しかし、現在は中国をはじめほとんどの国で人権が 蔑ろにされています。その上日本や米国などの民主国家でも 上記のように人権の思想が衰えかけてしまっているので 将来世界の一大危機がおとづれつつあるのです。 そういう危機を招いた罪は極めて重いです。 (将来世界大戦がおきたら何億人の方が被害にあることでしょう。) マインドコントロールだからかわいそうという声もありますが、 マインドコントロールに対抗するにはよほど強い意志が必要ですから、 今後このような犯罪を起こさせないためにも 重罪に処す必要があります。 特に日本では和を大切にするため 簡単に集団のマインドコントロールに入ってしまうように 思われます。今回の原発事故も検察の証拠捏造事件もオリンパスの事件も 私には構造は同じに見えます。そういうときに マインドコントロールが敗れやすいように された人にも重罪を課すべきでしょう。 そうすると正義の告発などがでてきて あのような組織犯罪が減ることでしょう。 (ただ、このまま死刑執行してしまったら 日本は世界でも珍しい死刑執行国家になってしまうので、 速やかに法律を変えて彼らで打ち止めとして、 他の死刑囚は新たに儲ける外部と遮断して永久に拘留する 本当の無期懲役にすべきでしょう。) ちなみにそうはいっても哲学や宗教は人生に悩んだときに 役にたつものです。そのときにああいう悲劇にまきこまれない ためには、荘子から入ることです。これはすべては相対的 という観念なので、難しい哲学や宗教に遭難しそうに なったときに、それこそ救援ヘリのように現実社会に もどしてくれます。そういう訓練をしたうえで、 退団をみとめないなどという怪しげな宗派や集団を避けることで このような悲劇にまきこまれる危険は大きく減ることでしょう。)

では、また来月に。

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