今回ご紹介する本は、当代の 推理小説を気軽に楽しめる本です。

複数の著名な推理作家が 各章を担当しつつ全体で ひとつの物語になっています。

ですから、これを一冊読むと 現在の活きのいいミステリー作家を 知ることができますので、 最近の推理作家に詳しくない人は これを読んで自分の好みの作者を みつけることができます。 一種の作者の見本市のような作品です。

私自身の好みでは最後に全員の登場人物の アリバイが組合わさるような 全体としての話がもっと濃厚にかみ合って ほしかったですが、 いずれも忙しい一線の作家方なので そのような時間もなかったのでしょう。 でも多様な種類のミステリーの 導入書としてはなかなかおもしろいので、 出版社の方はぜひ数年ごとにこういうものを 企画してほしいものです。 （ついでにいえばTVでもこのような 試みはおもしろいのではないでしょうか。 お台場の浜辺で海猿の仙崎保安官と 踊るシリーズの青島刑事がかかわる事件がおきて、 怪我人が救命病棟24時の進藤救命医に救われ、 本庁の古畑警部と杉下警部が 捕まえた犯人をHEROの久利生検事が起訴して 正義は勝つの高岡弁護士や離婚弁護士の間宮弁護士が弁護して 家裁の人の桑田判事が裁くと、司法組織の役割と 実態がよくわかることでしょう。 [それに室井警察庁長官官房審議官、小野田警察庁長官官房室長、 鍋島利光東京地検次席検事、桑田恒太郎最高裁判所判事たちが 繰り広げるキャリア同士のパワーゲームが重なるとより おもしろくなることでしょう。] 映画の世界では名探偵登場などという 前例もあることですし、TV局も 著作権を主張するだけでなく[どうも地デジにコピーガード かけているのは日本だけのようです。これではコピーできない ので２〜３０年もたつと媒体がだめになって民間のデータはみんな 消えてしまうことでしょう。日本文化の中心をなす記録に数百年後の 人々はアクセスできなくなってしまうことでしょう。 TV局にあるだろうといわれそうですが、 すべてのデータを記録して公開しているわけではありませんし、 倒産する可能性もあります。デジタルデータを延命させて 整理させるためにせめて無限回のmoveは認めて欲しいものです。 さもなくば、放送したものはすべて記録して国会図書館などで 公開することを義務づけるべきです。]日本の財産をいろいろ 有効利用してみたらいかがでしょうか。 日本で洋楽ポップスが勢いを失ったのは、 貸しレコード屋との交渉が決裂したためです。 その時貸し出された日本のポップスは、借りていた 学生が成人となってCDを購入することになり 一期に盛況となりました。ネット時代になると、 一曲１００円程度で買えて、コピーガードを かけない海外のネット産業が隆盛し、 著作権保護ガードを固めてしまった 国内の音楽産業のビジネスモデルを 脅かしています。なるべく多くの人々 に楽しみを提供することが必要とされる産業においては 著作権をギチギチに 守るだけでは利益が得られないというのが 歴史の教訓です。 ）



では、また来月に。

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