今回ご紹介する本は、エッセイです。 ただ、あの名作を連発した隆さんのもの ですので、隆さんのファンや歴史ファンにとって 興味のある話が並んでいます。 ですから、隆さんの小説や歴史小説を読んでいない 方は、まず隆さんの小説を読んでからこの本を 読むことをお薦めします。 （隆さんの小説を読めばみんなファンとなるでしょうから。）

このエッセーの中で隆さんは古い歌がカラオケにないと既に２０年前に 嘆いています。これは、私も同感でして日本では あまりに狭い範囲の歌しか社会の中で扱われていない と思っています。 以前はコマーシャルするための曲しか ラジオやTVから流れていませんでした。 そして、音楽業界が元気がなくなるとともに そういう曲は減ってきましたが、 今度はTVやラジオのディレクターはあまり曲をきいていない ようで、以前の年のベストテンにあるような曲ばかり 聞こえてきます。ベストテンになるような曲は 広告力でむりやり売れた曲が多く しかもそのときに聞き飽きた曲が多いものです。 聖子さんがB面の曲をあつめたアルバムをだしたそうですが、 トップセールスの曲以外に山ほどそのようなよい曲があるのですが、 過去の文化を否定するような感じで残念です。 （植木さんが息子さんに米軍に歌って聞かせていた場所を案内 する番組のなかで、日本の曲をリクエストされてどんな曲を歌ったのか を聞かれて詩吟のような戦前の曲を紹介していました。植木さんの 人間性を表しているような真面目な曲でしたが、そのような 曲はほとんど耳にしなくなりました。クラシックであれば ビバルディーもバーンスタインでも対等に聞かれているのに 日本の文化の脆弱性が感じられて残念です。） それでも少しずつ昔の名曲を選ぶ番組が増えてきている ようなので、がんばってほしいものです。 （以前紹介した世田谷FMもそうですが、 最近TVでは歌の楽園,AMラジオのリッスンハートやNHKーFMのの 選曲はなかなかよくなっています。）

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