今月の本   1004号 御書物同心日記 出久根達郎 著 訳


今回ご紹介する本は、 江戸時代へタイムトリップして、 お役人を体験できる本です。

前にも書きましたが、 よい歴史(時代)小説は その時代の空気を吸っているように 感じることができるものです。

この本は、まさにそういう本で、 江戸の小役人となって 江戸時代の生活を楽しむことができます。

この本の特によいところは、 事件らしい事件がほとんど おきないことです。 藤沢さんの小説では 大抵斬り合いになりますが、 その部分がなくても江戸時代の ある藩の生活を体験することができ、 擬似時間旅行として十分楽しめます。 まさにこの本はそういう楽しみ方が できる本です。

私はこのような空気感を楽しむ小説が 好きですので、もっとこういう本が ふえてほしいものです。 女性の作者の方の中には 無理やり最後に山場をつくる方がいらっしゃいます。 ちょうど、一昔前のアーケードゲームのボスキャラ対決の ようだといつも思っていました。私自身は、 アーケードゲームの一面ごととゲーム最後のボスキャラ 対決はなんでこんなものがあるのだろうという感じで 盛り上がることができませんでしたから、 当然、小説においても前半である空気感が感じられて 、それと異なって最後に突然異様に盛り上がるような話は、 あまり好みではありません。もちろん、そういう盛り上がりを 期待して読むかたもいるでしょうから、 そういう方にはこの本は合わないかもしれません。

ちなみに、江戸時代のお役人の様子をみていると、 大変さとともに、気楽さや奇妙さなど 現代のお役人像と重なってきます。 書物を食べる鼠を食べる蛇に歯を折った鼠を 毎年上げるしきたりのようですが、 私には本を修復する仕事を増やすために 鼠を放しているのではと邪推しています。 なにしろ、本の修復が主な仕事のようです。 修復すべき本がなくなったら、 江戸時代といえども、仕分けにあうのではないでしょうか。 こういう江戸時代のお役人の仕事のしかたについては 司馬さんの[おお、大砲]を読んでも実感できます。 そしてそれは、黒澤さんの「生きる」や県庁の星や 最近の仕分け作業を観ていると、現代まで 伝わっているように思われます。 (平岩弓枝さんの私の履歴書などを読むと幕臣はちりじりとなって 現政府にそっくり官僚機構が移ったわけではないようなのですが。 無職になった武士階級が各お役所に就活をして再登用される うちに働きかたも伝染したのでしょうか? (江戸時代はともかく現代の官僚機構を立て直す根本は、 評価機構をきちんとつくることです。 住民にたいして効率よくよりよいサービスをした 人を評価して出世や昇給させることです。 現在は天下りすることが最大のインセンティブなので、 無駄な組織や作業が増えますし、年金管理のような 本業が疎かになります。 ))

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では、また来月に。






             
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