「おあ゛よー」 「半分以上寝てる顔やな。顔洗って来」 「ん゛ー」 身体はだるいけどとりあえず目だけは醒めてるみたいなんで、 そのまま洗面所…へ行かずに台所に寄っていつもの様に冷蔵庫の 中身確認。 はへ…なんだろ…え?え゛?え゛ぇ゛ーーーーっ! きびすを返して冷蔵庫のドアを閉めて思わず口走っちゃう。 「じゅーげむじゅげむごこうのすーりきれ。かいじゃりすいぎょのすい ぎょーまーつうんらいまつふーらいまーつくーねるところにすむところっ! ぱーい」 「起き抜けに落語の練習する趣味でも出来たんか?」 頭の上から見下ろしてくれる顔にアカンベしながら今見たものの記憶を… 忘れよう!あれは夢!夢夢夢!あんな悪趣味なもの僕は見て無いやい! 「ほなそこ退き。固まり具合観なあかんねんから」 いともあっさり言いつつ僕を押しのけて冷蔵庫を覗き込む家主様 30歳。小学校お受験でこの町に来てから七年間、僕の面倒はこの人が 見てくれてる。叔父さんだしね、この人。 ……いや、だから今はそう言う事は関係なくって…。 「叔父さんさー?」 「あー、皆まで言いな。愉しくてやってんねんから」 「いや、そーじゃなくって」 「なんやねんな?」 「んーと、そのー」 「言葉にしてくれな、俺も判らんねんけどや?」 こう言う意地悪でも胸を熱くしちゃうのは、凄く変だと自覚してるけど。 でも、たまにはこう言う刺激も無いと甘々生活ばかりじゃ飽きる。 「コレの型、僕が寝てる時に取ったんだよね?」 「そーや。上からカポっとかぶしてな」 「全部一緒には取れないんだ?」 「んな事やったら篤が起きてまうやろ?まあ、よう寝とったけどや」 まあ、確かに夕べは良く寝たしなー…アレの後だからホントに良く 眠れたし。 「全部一緒に作るのって、無理?」 「作れるで。篤が協力してくれたら、な」 「作ろ!」 「おっしゃ。ほな今夜な」 僕達は開けっ放しの冷蔵庫の前で抱き合ってキスをした。僕のお尻と その前と胸をそれぞれ象ったプリンに見守られながら。 型取り作業は寝る前に、と言う事で寝室へ。殆ど一緒に寝てるんだけどさ、 なんかこう言うのって妙に緊張する。 今日はそれに加えて、在ったものを無くしちゃったんで余計に緊張してる 訳で。…うん…早い話が剃ったんだよね。ちょろっと生えてた分全部。 折角大事にしてたんだけどな…了さんだって手触りが気に入ってたみたい なのにさ。 「可愛くなってもうたな」 「うん。…又生えてくるしね」 「大丈夫や。俺が生えたんは篤より遅かったんやから」 「こんななのに?」 「成長が早かった…言うか、スケベやったしな」 そう笑いかけられて、握りこまれる。この人、こう言う時の指遣いは ほんと繊細だよね。そして、キス。軽く浅く。そしてゆっくり深く。 「ほな、ゆっくり横になり」 「うん」 僕が横たわるのはベッドの上に敷き詰められたスポンジみたいなものの上。 そこに、少し足を開き加減で仰向けになる。身体を横たえていく内、 スポンジ?に肌を包まれていく感触が判る。コレで背中の方の型取りが 出来るって訳。因みに、首から上は型取りしない。了さんが嫌がるから。 『篤の可愛い顔は一つで充分!』って事らしいけど…じゃ、僕が居ない時 用にと言って僕のコスプレをさせたフィギュアを部屋に飾るのはなんなんだろう。 そして、いよいよメインイベントの前面部の型取り。布団の代わりに僕の上に かかってくるのはスライム、のようなもの。体の隅々に綺麗にフィットして くれるから、それだけでも気持ち良い。かかった瞬間漏れちゃったし。 「ンふっ…ン…」 「大丈夫か?」 「へーき。そんなにぬるっとしてないんだね」 「冷たくないか?」 「なんか温い」 「体温でな、ゆっくり硬くなるねん」 「剥がせるよね?」 「大丈夫。実はな」 ニヤッと笑って了さんがトランクスを脱ぐ。…あ、お揃い状態だ。 「篤に怪我させたらあかんと思って、人体実験はしといてん」 了さんのアレがブラブラ。毛が無いもんだからなんかおかしい。 と、笑おうとしたら僕の目の前に了さんのアレがもう一本。 「で、型取りして急ごしらえしたんがコレ」 触りたいけど触れないしな…と思って目で合図。以心伝心で口元に 持ってきてくれる。 イタダキマス。 あ、確かに特徴は再現できてる。こう言う風に僕の型も取られるのか… 楽しみになってきた。 「やらしい顔やなぁ」 「子供をそう仕込んだのはだーれ?」 「俺やな。…なぁ、篤」 「後悔はしてないよ」 型を崩しちゃいけないから、完全に仰向けになってお返事。 「後悔してたら、了さんとは呼んでないもの」 「篤…」 あーあ…泣かせちゃった。了さん、涙脆いんだよね。そこが可愛い から余計に離れられないんだけど。 「了さん」 「なんや」 「いつかは交代ね」 「爺ぃの身体なんて美味くないで?」 「じゃ、後で頂戴?」 「……優しくな。久しぶりやし」 「細身だから平気じゃない?」 「アホ!大きさや無くて…」 僕もどう返して良いか判らなくなる。了さんは耳まで真っ赤になってる。 だから、とりあえずキスを目でねだる。 型が固まるまで、僕達は10分おきにキスをしていた。 そして、クリスマスディナーの食卓には僕の体が横たわってる。 アレは、強度の関係で白いシロップを仕込んだ砂糖細工になっちゃったけど。 綺麗に飾り付けられたもう一つの僕の体の前で、僕と了さんは生まれた ままの姿でキスをしていた。 「メリクリ!」 そして僕の胸元に、一筋のクリーム。 (FIN) 2004.12.24書下ろし。
クリスマスウェブのチャット話題から発想を得ました。 三題話、的なものですか。 「人体ケーキ」「スライム」「クリスマス」と言う感じですね。 |