「なんで僕がこんな格好するんだよお!」
思わず叫んでしまった。だってまさかこんな格好。。
正月にいいバイトがあるぞと僕にもちかけてきたのは
深春だ。拘束時間の割には時給は恵まれているし食事
もつく簡単な販売業だと聞いてOKしたんだ。
それがまさか『巫女さん』のバイトだなんて!(叫)
「仕方ないだろ。巫女さん役の女子大生がドタキャン
しちまったんだから。あきらめてこれを着てくれ。」
「やっ、やだよ。深春が着ればいいじゃないか。」
「馬鹿 俺が着て似合うかこんなの!」
「だからって僕が着ることないでしょ。」
結局うまいこと深春にごまかされ正月早々巫女さんの
姿で神社のバイトをすることになってしまった。
しかし、この袴ってすーすーするし歩きにくいんだ。
おまけに僕以外にも巫女さんは何人もいるのにさあ、
お札とか破魔矢を買いにくる人は僕に集中するんだ。
おかげで他の巫女さんには睨まれるし、僕1人で忙し
いし散々な目にあったよ。
「蒼の巫女さん姿かわいいなあ。」
休憩時間に神社の裏で休んでいたら、神主姿の深春が
やってきた。深春の神主さんも勿論バイトなんだけど
結構さまになっている。馬子にも衣装だよなこれ。
「ほら おやつだぞ。俺のおごりだ。」
深春が僕に手渡したのは露店のバナナチョコレート。
確か子供の頃はこれが好きでよく京介に買ってくれと
ねだって困らせたっけ。
「いらないよ。僕もう子供じゃないし。」
「そうだよなあ。もう子供じゃないしなあ蒼は。」
そう言うと深春は突然僕を抱き締めた。
「な、何するんだよ。」
「おまえのかわいい巫女さん姿に客が集中してたな。
なんかあれ見てたら急に蒼のことが欲しくなった。」
深春のいたずらな手が袴の中に侵入している。
「だ、だめ。誰か来たらどうするの。」
「そっか。。。じゃあこれで我慢してくれよ。」
「いっ 厭! 深春何を・・・」
休憩時間以降はもう頭の中がぼーっとして。。。。
午後であまり参拝客もいなかったから良かったけど。
バイトが終わった時はもう立っているのがやっとな位
だった。
慣れないことをしたんで疲れたんだろうと深春が周囲
に言い訳してくれたけど。
着替えてから深春が僕を抱えるようにして深春の部屋
に戻り、玄関の扉を閉めたらもうその場にしゃがみこ
んでしまった。
「おい 平気か蒼?」
「ばっ 馬鹿。早く取ってよこれ!」
休憩時間に深春が僕の中に小さなローターを入れた。
振動もしないそれが体内にあるだけなのに、少しでも
動くと僕の感じるところに当たってしまい淫らな声を
こらえるのに苦労した。
「おい すごいな下着がこんなに濡れてる。」
「み、深春 やっやだぁあ 見ないでよ!」
「かわいいなあ蒼。巫女さん姿もかわいいけど普通の
姿で腰を振る蒼もかわいいよ。」
「はっ 早く。熱いよ。。」
気付くと玄関で獣のように抱き合っていた。
声をあげると廊下に聞こえるからと必死にこらえて。
我慢する僕の顔がいいと深春がささやく。
下半身がとろけそう。
どこからが深春でどこからが僕かも判らない位に。。
でもさ、こんな正月もいいよね。
神様は恋人同士に罰は当てないと思うしさ。