ぢ・おぶぢぇくと其れは、2月14日の朝、何の前触れも無しに机の上に 置かれていた。 貰ったのはぼくと深春と先生。くれたのは京介。 日付を考えれば順当な贈り物、なのかも知れない。 「どんな顔して作ってたんだろうね?」 「いつも建築模型造る時の様な顔じゃねぇか?」 「あの顔でコレを造られたのかと思うと…」 「そう言う事には物凄く器用だから」 そして、三人して溜息。 「食べます?」 「お前、平常心で食えると思うか?」 「思いません」 「コレを食うという意思を見せるってぇ事は…」 「お誘いOKって事っすか?」 「だろ?」 「ですね」 はァ…。どっと疲れる。 良いんだけどね。男が男にチョコ贈っても。ぼく達っ てそう言う関係だし。 問題なのは其の形状なんだけど…。 「子宝飴」って見た事ある? つまり安産祈願に男性自身を模って造った飴なんだけ ど…京介が造って来たのは其れのチョコレート版。 しかも、御丁寧な事にぼく達自身を模って細かい部分 まで再現してあるんだよね。普通のチョコレートとホワ イトチョコレートと食紅着色チョコレートを駆使して^^; これが京介自身の模りなら、遠慮なくむしゃぶりつく んだけどさ…自分の見慣れたものと思うと…躊躇いはあ るよ、やっぱ。 それとも、下心なんだろうか、これって。よく見ると、 舌で舐めた跡が一筋残ってるんだよね。我慢、仕切れな かったのかな? 下心なら…有り難く戴いた方がいいよね? で、戴かれちゃったのはぼく達の方だったりする。 溶け易いし下からの吸収は良いし…細工があると疑わ なかったぼく達の完敗って事。 まあ、京介の一人勝ちもたまには良いか、な? 《コメント》 亭主の仮面を被っている時には、純情になりにくいです。 問題はこのネタを思いついたのが仕事中だという事で。 ここまでハードで良いんでしょうか? 誰か止めて…無理か(苦笑) |